今日のゲームでは
ライオンズ先発、ミンチェさんが
7回を投げ切って打者26人に対し投球数95、
被安打6、与四死球0、奪三振2で自責点・失点ともに2と
きっちりQSをクリアしてくる素晴らしい投球を魅せれば
4番剛也さんが2アウトからグランドスラムで4打点、
5番ブラウンさんHRで2打点、そしてその後
代わって5番に入ったGGさんも二塁打で2打点と
クリーンアップが効果的な長打で得点をたたき出し
最後はクローザー、シコースキーさんが
リードを保ったまま最後のアウトをもぎとり
ライオンズの勝利を確定させてくれました。
こういったチームの軸たる中心選手たちが
そのしごとをキッチリこなしている限り
ライオンズは計算通りにそのゲームの勝利を
もぎとることができることは確かなのですが
それでも、そんなゲームを面白くしてくれたのは
両チームにまだまだたくさんいる“完璧主義者”たちの
完璧を求めすぎるが故の“自滅”の数々。
ライオンズから申しますと
昨年、チームの中心選手になり損ねたリッキーさん。
もちろん、彼の今の評価は“中継ぎ”ですから
2アウトながらもランナーを1・2塁に背負い
点差もイニングが始まる前には6点だったものが
3点にまで縮まって1HRで同点という厳しい場面、
更には長田さんが危険球退場となった後ですから
どうしても“流れ”に押し流されてしまって
ある意味当然といえなくもないことも事実。
こういった時に防波堤として流れを受け止め
その窮地から抜け出すことができると
「信頼」を置くことができるのは
チームの軸を背負うクローザーだけなのですが
もちろん“ひとにぎりの運”を味方につければ
継投の中で“中継ぎ”の投手だってじゅうぶんに
この窮地をうまく乗り切ることも可能です。
今日のリッキーさんの投球でもっとも反省すべきは
もちろん結果的に2点とられたことなどではありません。
そんなことはじゅうぶん首脳陣の想定の範囲内でしょう。
その問題点は他の誰でもなく自分自身のためにこそ
どうにかして克服していかなくてはならないもの、つまり
どんな投手でも、例え絶対的なクローザーでも不可能な
自らは絶対に1人も塁に出さないぞという意識のもと
未だにその完璧主義を捨てられず縛られる一方
ここまで数々自分が痛打されてきた記憶が
そんな完璧を求める中だからこそ脳裏に増幅され
絶対に打たせてたまるか!の本能が強くなればなるほど
自分の描く“理想”の球筋を自分で自分に背負わせ
それが自分の今の“現実”と繋がりのない
“幻想”にしかすぎないことに気づかないまま、いや
はっきりわかっているのに必死にアタマから消し去ろうとし
なぜうまく抑えられないのだ、という歯がゆさの一方で
カラダは、そしてアタマはどうやればうまくいくのかを
知らないままであることも一方でハッキリ認識していて
それが得体の知れない恐怖としてカラダを包み
結局、散々な結果として表れてしまうこと。
去年、散々体験し明るみにでたように
今のリッキーさんは“流れ”の防波堤として
チームの屋台骨をさせる中心選手ではないのです。
その“幻想”ともいうべき自分の“理想”の
完璧な球筋を自らの1球1球に自ら背負わせ、
そうでなければダメだという完璧主義では
当然そう理想通りボールが操れることのほうが
圧倒的に珍しいのですから
常に勝手に自ら恐怖を創り出し
ランナーを背負ったり、四球を与えたりしただけで
今日も思うようにいかない、と思ってしまえば
その後恐怖が増幅され自滅し
自分のこれまで積み上げてきた
能力や集中力を発揮できずに
最低の結果を自ら招くことになります。
幸いライオンズは今年リッキーさんを
チームの軸から外すというチーム編成をとれており
ゲームの勝利を計算通り1つ1つ積み重ねていくために
彼のちからが絶対に必要不可欠というわけではなく
当面の間彼を“中継ぎ”の継投策の中で
便利屋的に様々な場面で起用することが可能です。
ただ、リッキーさん個人としては
このままその完璧主義から脱却できないでいると
一流の選手として安定して
その持てる能力と集中力を勝負の場で発揮し
“魅せる”ことなど夢のまた夢、
徐々にその活躍の場は少なくなっていくでしょう。
去年も何度も同じことを指摘してきたと思いますが
ボールが手から離れればその後の結果は
あなたの完璧に支配できる世界ではないのです。
素晴らしい打球が野手の正面を突いたり
素晴らしい守備でアウトになることもあれば
当たり損ないの打球がヒットになったり
守備陣のエラーで出塁、失点なんてこともあります。
何より今は後ろにはシコースキーさんが
どっしりと座っていてくれるではありませんか。
まだ自分の問題に正面から向き合っていないのならば
できるだけ早く自らの意志で対処することを
心よりお勧めいたします。
さて、対戦チームについてあれこれと
あまり論評するのは避けたいところではありますが
完璧主義者、という面から見ると
先発投手を“たかが”HR1本を打たれただけで
4点を失ったからといって3回で継投に入る戦術や
試合後「大嫌いなプレイ」と声を荒げ
「言語道断、最低のプレイ」と切り捨てるように
4回の三塁ベースカバーを忘れ盗塁を許した
“些細な”1つのミス、失敗を許さない姿勢は
それこそその後を受けた中継ぎ投手の大量失点や
その後の失点に絡むエラーを産み出した
完璧主義者の自滅への道ではないでしょうか。
もちろんシーズンここまでの
様々な経緯があってのこととは思いますが
それでも今日のこのゲームを勝つという面からは
完璧主義者が自滅する姿をみせた、ということだけは
疑いようのない事実。
まだまだ1つの四球や1つのエラー、そして
たかが1点の失点や1ゲームの敗戦さえ許せない、
もしくは許されないと教育され思い込んでいる
完璧主義者の首脳陣と選手たちが多くいますが
はやくその意識の間違いに気づいて
どんな時もなんとかうまくやり繰りする意識で
もっと肩の力を抜いて与えられた勝負の一瞬一瞬に
じゅうぶんに集中し、専念し、“楽しむ”中で
その特長をうまく活かし、観客を魅了しながら
安定して結果をうまくまとめつつ残しながら
どんどんと“一流”そして“超一流”の選手へと
成長していってほしいと思います。