結論から言おう。
日本人が、バリ島で就職するのはやめたほうがいい。
バリ島で会社経営をしていると、仕事や就職の相談を受けることがある。
魅力的な島だから、ハマる人も多い。
僕もその1人だ。
遊びに来るには魅力的だが、「日本人が仕事をする場として」
あるいは、「生活の場として魅力的か」と聞かれると自信がない。
僕は、バリ島で多くの日本人を知っているが、
バリ島で長期間生活をしている人は、下記に限られる。
・リタイアメントの方
・ビジネスオーナーの方
・バリ人と結婚している方
日本の若者が、「憧れのバリ島に住みたい」と移住したケースの多くは、
1,有り金のすべてを失い日本に帰国する
2,バリ人と結婚して骨を埋める
のどちらかになっている。
「2」の場合、価値観はそれぞれだし、幸せそうな人もいるから
否定はしない。
実態としては、「1」が圧倒的に多い。
誤解しないでほしいのは、僕はバリ島で生活することを
否定しているわけではない。
リタイアメントして夫婦でバリ島に移住されている方々は、
ゆとりのある生活をし、夫婦仲も良く、幸せそうだ。
尊敬できる人生の先輩を見て「こんな老後もいいな」と心底思う。
でも彼らは、バリ島で仕事をしてきたわけではない。
日本で活躍し、十分な老後の蓄えを有して、バリ島に移住してきたのだ。
生産年齢にある日本人がバリ島に移住する場合、
生活できるだけの所得が必要だ。
日本人の感覚でバリ島で生活するには、月に10万円くらいは必要だろう。
住居費・・・2万円 食 費・・・5万円 雑 費・・・3万円
最低でもこのくらいはかかる。
「でも、バリ人は3万円の給与で生活していますよ」
っていう人がいるだろうが、日本人にその生活は不可能だ。
彼らは、水しか出ないシャワーで、酒を飲まず、ローカル食しか食べず、
という生活をしている。
彼らは、子どもの頃からその生活で、それしか知らないからできるわけで、
豊かさや便利さを知っている日本人が簡単に真似できるものではない。
生活費に10万円となると、現実には15万円の給与が必要だ。
現実には、病気、慶事、弔事、貯蓄、ビザ、帰国などの費用が必要だからだ。
バリ人の給与が3万円ほどだとすると、15万円の給与を得るには
かなりの付加価値が必要になる。
日本人の付加価値として考えられるのは、日本語や英語ができることだが、
それだけなら同じスキルを持つインドネシア人を6~7万で雇える。
そういう環境下で、日本人が就職先を探すことがいかに難しいか、は
容易に想像できるはずだ。
バリ人と結婚し、一生をバリ島で生活する覚悟があるならいい。
そうして幸せになっている人はいるし、立派だと思う。
でも、それは運も大きい。
相手が良いバリ人で、その家族も良い人達で、金銭的にも恵まれる、
という運が重なって幸せなのだと思う。
それさえも、結果はずっと先になってみないと分からない。
厳しいことを書いたが、これが現実だ。
「神々の宿る島」「南の楽園」というのは、観光客のためのものであり、
現実にバリ島で生活するのは、大変なのである。
でも、絶対に不可能、というわけではない。
現実に僕は、バリ島のビジネスをやっているわけだから。
次回は、どうすればバリ島で生活できるか、稼げるか、
現実的な話をしよう。
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