Sept 29, 2023(Fri)

 

2004

  茶房にて  

香りたつ ひと碗のカフェ やはらかに

 憂き世に倦みし 我を包める

 

サイフォンの 管より湧きし 珈琲に

 なごみ与ふる 君が微笑み

 

 

幸福は カフェと煙草に 宿れると

 直感した 二十歳の夏

 

珈琲の 香りのむこうに 君がいて

 カウンター越し 届かぬ想い

 

AD2000年 秋  辞世の練習

狂おしき 春の名残の 朧夜に

 詠ひし輩(ともがら) まさきくあれかし

 

Apr 27, 1988

はなやかに ぼんぼりに映ゆ 八重桜 

  辿る参道 父となれる日

Apr 9, 1991

立ち待ちて 吾子生まれきし ひさかたの

 卯月の空に 萌ゆる桜木

 

 別の日に 2005

 

待つも良し 宵の週末 カフェテラス

 新書の香り 胸のときめく

 

立ち待ちて くゆる紫煙の 一筋に

 想い出さるる 若き日の恋

 

粋人の 一座建立 きりもなや

 漢字しりとり 時も忘れて

 

Apr   2005

約束の 日は花冷えの 宵にして

 ポケットの中 君のぬくもり

 

Jul 29, 2005

恋嵐 もやもや雲を 吹き飛ばし
    届け涼風 日傘美人に

 

うつむきて 過ごせし春の日 なつかしく
   都大路を 連れ立ち歩く

 

 

Sept 17, 2005

    パソコンの 画面のむこうに 君が居て

   届けこの愛 空を駆け抜け

Sept 21, 2005

秋冷の 月清らかに 雲わたり
    神社境内 霜降るごとく
Sept 21, 2005 

月を見むと 腕とり連れ行く 境内は
    お喋り母と子 寡黙夜警

Oct 17, 2005

エプロンの 色は鮮やか エンジにて

 夕餉支度の そのか細き手

 

色といふ 花は紅 色は群青

 涙は菫 心はブルー

 

夕餉時 灯ともし頃は うら寂し

  君が笑顔で 料理するてふ

 

連れ立ちて 歩く御堂筋 黄金色

 君は輝き 我は頬染め

 

Nov 1, 2005

待ちわびて ネット繋げて 立冬の
  風は冷たく 心は熱く
掲示板 心の翼 拡げてよ
  夜のしじまを 破れ饒舌

 

 

Nov 14, 2005/11/14

も  もどかしさ
の  のの字のの字を
か  書いている
た  たまゆらの恋
り  理由なく

 

Nov 16, 2005

つらつらと 胸の思いを ことさらに
   古都の夕暮れ 落ち葉踏みしめ

 

十六夜の 月明かりの町 さすらひて
    詩人はひとり 涙流すも