日本医師会生涯教育講座を受講しました。
今夜は「蕁麻疹の多様な発生機序について」西神戸医療センターの堀川達弥先生が講演されました。

あまりにも蕁麻疹の発生機序が多様すぎて!というのが実感でした!


鯖アレルギーにしても、原因はアニサキス・魚アレルギー・ヒスタミン中毒などがあって、
アニサキスにしても、
鯖以外にも、サンマ、サケ、マス、ニシン、タラ、イカなどにも可能性がある。
タラはかまぼこちくわなどの原料にもなっているからそれにも注意がいる。
マグロは消化管と肉が離れているので大丈夫らしい。




$がんばろう Nippon !

アニサキス




他にも喘息やアレルギー性皮膚炎などの原因とされるコナヒョウダニについても話されていました。




$がんばろう Nippon !

コナヒョウダニ




コナヒョウダニが温暖化のせいで日本を北上しているようです。
1999年に熊本で見つかり、2001年に荒尾、2007年に神戸、2008年に名古屋、2010年に山形で確認されています。

このコナヒョウダニはお好み焼き粉やホットケーキ粉が好きなようで、
開封して2~3ヶ月もすると粉100g中に800匹見つかったということです。
こういった粉に関しては、開封後は冷蔵庫で保管することが必要であると話されていました。


ほかにも、
女性特有の生理痛や頭痛でよく飲まれている バッファリン(アスピリン)でも蕁麻疹がでるようで、
アスピリンを服用して、お好み焼きを作っている際中にアレルギーがでてショック症状を起こされた!
という方のことも話されていました。



蕁麻疹は様々な発生機序があるようで、

機械的刺激によるもの
* 寒冷刺激によるもの
* 温熱性のもの(入浴など)
* 日光性蕁麻疹
* 遅延性圧蕁麻疹(重たいものを持って6時間後に腫れがでる)
* コリン性蕁麻疹(汗アレルギー)
* 水性蕁麻疹(水に触れるとでるのでプールなどがダメ)
* 振動蕁麻疹

などなどがあって、条件が重なることでも発症するようです。
汗アレルギーでも、発症部位が毛包一致型と汗管一致型があるようで、
どちらかの方や両方ともあるという方もおられるようです。


だから、原因特定には難儀するのだ!



たまたま今夜、
蕁麻疹が石けんで発症したというニュースがありました。


「茶のしずく石鹸」、自主回収へ=67人が運動後にアレルギー―厚労省
時事通信 5月20日(金)22時6分配信
 厚生労働省は20日、小麦成分を含む「茶のしずく石鹸」の使用者が、運動後にアレルギー症状を起こしたとの報告が相次いだと発表した。製造販売元の悠香(福岡県)とフェニックス(奈良県)は自主回収を決めた。
 同省によると昨年10月以降、計67人がじんましんや息苦しさなどの症状を起こしたと報告があった。いずれも軽症だが、ショック状態になり救急車で運ばれた例もあった。
 同省によると、せっけんの使用により一時的に小麦に過敏な体質となった上に、うどんなど小麦を含有する食品を食べ、直後に運動することで、アレルギー症状を起こすことがあるとみられる。
 問題のせっけんは女優の真矢みきさんのテレビコマーシャルで人気を集め、2005年から通信販売で計約4500万個を売り上げ。昨年12月に小麦成分を含まない製品に切り替えられた。 

この場合も、小麦と運動がアレルギーの発症の原因ですから、
ただ小麦粉製品を避ければいいというものでもないのです。


昨日はまさにダニに咬まれた患者さんが来られました。
大分のビジネスホテルに宿泊して下腿に虫刺傷特有の円形の紅斑があちこちにできていて痒そうでした。
実は1ヶ月前にも同じホテルの同じ部屋に宿泊し、同じ症状が出たようで、
皮膚科で薬剤をもらってやっと落ち着いたけれど、
また今回の宿泊で発症したということです。
このビジネスホテルはダニホテルと名前を変えたらいいのでは?



蕁麻疹の治療としては

ヒスタミンH1拮抗薬
また、ヒスタミンは、アレルギー疾患の発症に関与する主要な化学伝達物質の一つであり、H1受容体を介して血管透過性亢進作用、平滑筋収縮作用、気道分泌亢進作用などの作用を示します。
ヒスタミンH1拮抗薬(第2世代抗ヒスタミン薬)は、ヒスタミンのH1受容体拮抗作用だけではなく、ロイコトリエンなどの各種化学伝達物質の遊離抑制作用、炎症性サイトカイン遊離抑制作用、好酸球機能抑制作用などの抗アレルギー作用があるため、効果的にアレルギー症状を抑え、さらに、眠気などの中枢性副作用が少なくなっています。
また、ヒスタミンH1拮抗薬には、「クラリチン、ザジテン、ゼスラン、ニポラジン、アレグラ、エバステル、タリオン、アレロック、リボスチン、ジルテック」などがあります。

補助的には
漢方薬の葛根湯,十味敗毒湯、消風散
トラネキサム酸、ヒスタミンH2拮抗薬、坑不安薬、
グリチルリチン剤、ノイロトロピンなど。

ステロイド剤は症状によって局所投与や全身投与されます。
ショック状態では当然呼吸管理とともに必要なものです。

分や亜鉛が不足してもアレルギー性皮膚炎を起こしやすくなります。
女性は特に生理や妊娠によって欠乏しやすいので要注意!

最近、
かゆみや肌荒れが多いという方や、ニキビが治らないという方は、
一度フェリチンの検査をされてみてはいかがでしょう?



アトピー性皮膚炎の方も、
栄養分析をしてみると、タンパク質不足などの栄養欠損の方が多いものです。