いやはや、なんとも想定外の2頭の決着でした。59.4秒はいわゆる平均ペース。決してペースは速くないのに、前2頭を誰も追いかけていかないんですね、あるいは追いかけられないか。上がり35.9秒は2分を切ってくる時代に突入してから最も遅いタイム。そして1.59.9は昨年と同タイムなんですが、実は毎年10Rの卯月Sのタイムと比較するとレベルが簡単に分かるようになっていて、昨年の卯月Sは1.34.5、今年は1.33.5ですから、昨年と比較すると今年はあまりにも平凡であることが分かります。参考までにノーリーズンの年で卯月Sは1.33.9で皐月賞は1.58.5でした。スピードのある強い馬が一頭もいなかったということの裏返しでもあります。


 ホウオーは内枠の危惧がまともに出てしまいました。躓き気味で出脚がまったくつかず、好位の内取ることができなかったことに加えて、結局どこかで外に出すこともできないまま、3~4コーナーを迎えてしまい、4コーナーで外の馬を弾きながらようやく直線。豪脚を使いましたが、間に合いませんでした。不器用なのは折り込み済みだったんですが、あそこまで位置取り悪くするのが誤算といえば誤算。まあ「リスク承知で◎」書いたのだから納得の負けです、ええ。


 それにしても直線は一体何秒の脚を使ったんですか?。レースの最後1Fラップが12.3秒。残り200mで楽に1秒以上の差がありましたから、11秒切るかもしれません。良くも悪くもスケール感だけはずば抜けてますね。ダービーはもうこの馬で仕方がないでしょう。。。


 アドマイヤオーラ、いや豊は4コーナーで外を回りたくなかったにせよ、ホウオーの後でピッタリですから。もし向正面で好位の外までジワリと押し上げる形を取れていたら、この時計なら勝っていたんじゃないですか?。もちろん道中で脚使うので上がりは34秒台になるでしょうけど。マーク戦に徹し過ぎた敗戦だと思います。ダービー?うーん、スローなら2着は可能性あるかと思います。距離はまるで問題ないんですよ、マイラーじゃないんですから。ただ底力、馬の良さという意味で2番手ということを確定できるかどうかです。ダービーのパドックで並べて見るしかないかな、と。


 さて勝ち馬差しおいて負けた馬の話を先にしてしまいましたが、まずサンツェッペリンの話から(笑)。京成杯逃げ切りがした能力がここでも通用したということですね。京成杯自体が1000m通過62.3秒のレース。今回は59.8秒くらいの通過でしょう。骨格や筋肉がしっかりとしストライドが広くとれる馬で、残り3FからのペースUPでも長く脚が使える強みがあります。ただヴィクトリーを負かせない辺りがこの馬の限界ですね。逆に言うとこの位の性能でも、まともに展開作りにいける強い先行馬がいないときは、この位の「まあまあ良い馬」考えてもいいということでしょう。


 同じくヴィクトリーもスロー先行から長く脚を使えるタイプなんでしょう。ただ脚が速くて体が硬いイメージが強く、体がシャキシャキ動く反面、ギアとかキレには限界がある。直線は手前替えず一杯一杯なんですが、相手がサンツェッペリンだから何とかなった。まあ馬は見たことないんですが、おそらくこのレベルだとダービーではどうにもならないと思います。


 ココナッツパンチは4コーナーで外に張られて中山ではこの上がりが限界という感じでした。ただペースが速かったとしても勝ち負けは厳しかったんだと思います。スピードが足りないので、間に合ってないんですよね。皐月賞ではもっとスピード+立ち回り能力ということに注目しなきゃならない、ということです。もう反省ですね、これは。


 ローレルゲレイロはやはり距離も持つし、スピードも十分だったんですが、4コーナーで前が詰まってしまって完全にブレーキ。これが致命傷。本来なら5フェラーリペサの位置で競馬をしなきゃならなくて、藤田が距離を考えてか、抑え過ぎました。位置取りさえ良ければ勝っていたはずですが、こればっかりは仕方がありません。


 アサクサキングスは新馬戦パドックで無印にして勝たれた馬ですが、このペースで坂で脚が上がってしまうのだからほんと弱い。「こんな弱い馬にGⅠ好走されてたまるか!」という気持ちが強かったんで、納得です。初見無印にした馬をGⅠで印打ったらパドッカーとしてそれは「恥」ですから。


 それにしてもレベル低いと思える年の皐月賞というのは、ほんと難しいものですね。。。