重賞後に京介がいいことを言った。「イルバチオの教訓」だ。この重賞が出来たのが7年前。勝ち馬のほとんどが逃げ歴のある馬だが、その中で逃げ歴の無い馬が後方から追い込んでこの重賞を勝ったのがイルバチオだ。雨の影響を受けたこの2年以外で、かつ8月後半の開催だったが、54.2という遅い時計の決着で、かなり例レベルの弱いメンバーだったと思う。いや、逃げ歴のある馬たちがかなり持久力の低い馬だったというべきか。そして今年、雨の影響を受けてない開幕週で54.2秒という決着はもっと低レベルという言い方もできる。実際パドックで並べた先行馬たちや3歳馬に踏ん張れる感じがしなかった。もっと言うと、前日のコラム、字面で先行馬で粘れそうという馬がエイムアットビップにしか感じられなかったというのが、ヤバかったんだと思う。


パドックの実感を書くと、エイムアットビップは非力で踏ん張り力が甘そうだったし、アポロドルチェやマルブツイースターはスピードが足りないのが分かっていた。クーヴェルチュールも最後の一踏ん張りが利かない形で54kg。ナカヤマパラダイスも時計勝負に弱さを感じた。エムオーウイナーやサープラスシンガーは速さは足りるが、最後踏ん張るイメージが持ちきれないのだ。前日の準備と用意はこの時点で売り切れた。時間は無いのにどうしよう?である。


カノヤザクラは履歴を調べると元々先行馬だった。昔より体がしっかりした分、体も硬くなった。トモ腰は完璧。デキも唯一の状態Aで好調。ただし速さが足りない。。。ただ後になって考えると出遅ればかりでここ2走まともなレースはしてない。直線だけの競馬ならある意味、追走で取り返しがつくのが直線競馬だ。思い返せば荒れ馬場で先行馬総崩れの北九州記念を先行して、アストンマーチャン、サンアディユに先着した体力のある馬だった。そして今回大外枠。


実際の競馬としては1列目で先行した馬が半ばで止まった。最後踏ん張っていたのはサープラスシンガーだけ。それも脚が続かなくなっている。サッカーに例えなら、普通はFWだけをマークしていればいいのがこの重賞、いやこの条件だ。が、FWの決定力があまりにも低かった。だから3列目からの飛び出しでゴールするという感じだ。「そんなのマークしねーよ!」というのが本音だが、過去8年で2回がこういう決まり方だったということ。


イルバチオがこのレースの前に示したのは中京の準OP1200mで上がり2位のキレ性能だった。シンボリグランも遡れば高松宮記念で上がり1位の性能は示していた。上がり性能とはテンのスピードとはまた違ったスピードの現われだと思う。考え方としてテンのスピードで踏ん張れない馬なら、上がり性能で優れた馬を、というのは一つ、この条件で取り入れていいことだと思う。


今年の3歳馬はスピード持久力で相当劣っていた。古馬もスピード持久力の何かを示した馬がいない。こういう谷間の直線1000mというのもあるということは頭の片隅に留めておきたい。大はずれした時ほど学習することは多いものである。新潟直線1000mは超得意条件だけど、まだまだ見えてないところがあるということだ。

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七夕賞

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福島はもう10年近く通ってると思うんだけど、開催最終週に予想も馬券も爆発したなんて多分初めての経験だと思う。この土日の穴馬を並べてみても


1R ▲オンアンドオン   2着(10番人気)
4R ○コラデピーノ    1着(7番人気)
7R ◎トゥインクルタイム 1着(10番人気)
12R ▲クリノアドベンチャ 2着(7番人気)
9R ◎アポロクイック   2着(9番人気)
11R ○ミヤビランベリ   1着(7番人気)


この現場での「掴めた」感はおそらく経験から来るアドリブ力が大幅にUPしたということだと思う。福島は毎年・毎週馬場が違うから、振れ幅が大きい。今年にしても3週目でレコードが出るとか、ダートが重い→軽いに変わったとか、1700mは枠が違っただけで結果が違ってたとか、いろいろと福島的なモノに振られている。これに追いつくのは結構大変なことだ。だけど春秋の福島も含め、通して競馬を体感してきたことで「ああ、こういう競馬の場合はこっちの方向の馬だよな」という無意識下からの実感が沸いてきたのだ。


競馬は理詰めで考える。だけどパドックは理詰めで考えていたら間に合わない。また「この馬だろ」という確信は理詰めというより、感覚的なもので「正しい」と感じられる場合の方が正解率が高いと思う。じっくり考えた答えより、パっと見の判断の方が正しいみたいな。そして穴馬というのは馬柱の字面が悪いから穴馬になる。感覚としての正解が字面の悪い穴馬というのは、パドック力の向上に他ならない。今後は新潟・中京に続き福島もドル箱になる、という予感がある。次は小倉だ!(ローカルばっかだな…)


七夕賞は逆に前日の予想に拘り過ぎた感がある。逃げ馬含め、全馬が外回す状況なのだから差し馬が苦しいはずなのだ(内を通って死んでくれない)。ミヤビランベリの主導権、スタミナ、荒れ芝適性など、ある程度頭に入っていたから良かったようなものの、それとセットが追い込み馬のカネトシツヨシオーというのはセンスが悪過ぎる。カネトシツヨシオーは前走と同じように後方から捲ったが、相手強化で大外回す形で57kgなのだから苦しかった。ミヤビランベリは競りかけ無しのスローに落とせたし、並ばせずに後半5FからペースUPというのはこの馬のスタミナを活かすには最高の形だ。


ミストラルクルーズは素晴らしいスタミナを見せる競馬はここまでやっていないが、ジリっぽくて上がり勝負!というタイプでもない。1800mを立ち回れるスピードと中山や札幌で勝てるような体力という馬だと思う。この馬も1000万しか勝っていないから53kgという恵量が助けになった。マイネルキッツは4コーナーで大外を回らない形と、荒れ芝は苦にしないから内を突いたのは後藤らしいアイディアだったと思う。でも最後は内外の馬場の差だった。


格のある有力所は結局自分で動けない弱みを露呈した。スローで内を回らないこの競馬では当然の帰結か。今年で格に拘った予想はもうやめようと思う。メンバーを見て展開をある程度作って、状況判断をしながら答えに収束していくこと。パターンが決まった重賞は多いのだが、七夕賞は、いや福島重賞はパターンを作らない方が良いように思うのだ。

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ラジオNIKKEI賞

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前日の土曜メインだった準OP2000mでレコード決着。3週目で、だ。春も3週目の時計が一番速かった。芝が立ってる開幕週よりも使ってそこを叩いて硬くなった馬場の方が時計が出やすいようになっているのだ。この傾向は福島だけじゃなくて、ほぼ全場の傾向だと思う。開幕週は逃げ差しフラットでも、2・3週後は硬い内が有利になる。新潟でも多分同じような傾向になるはずだ。


今回のラジオNIKKEI賞はここ2年に比べても時計が一つ速かった。だからといって、昨年よりレベルが上ということではない。むしろ才能の質では下だったといえる。レオマイスターは中山のひいらぎ賞を勝って以来、4戦全敗。昨秋、福島2歳Sを追い込んだ履歴があるから、福島性能が単純に高かったのだと思う。掛かる気性なので距離が持つとは思ってなかったが、内田が抑えながら早め先頭という難しいことをよくやってのけたと思う。もちろんここ2年のように菊花賞という馬ではないけれど、重賞を勝ってしまったことで、この先更に結果を残すのは結構大変だと思う。


ノットアローンは「雷雨があと20分早く降ってれば…」というものだろう。先行スピードはあるけれど、体がしっかりしていないので、速い時計の決着ではどうしても追って味がない。不良だった小倉のあすなろ賞を完勝したくらいだからあと一つ時計が掛かってくれれば、という訳だ。素材的には確かに良血なんだと思う。脚が長いし、しなやかさも持っている。57kgを背負っての2着だし。あとは体がシャンとするかどうか?。体をしっかりさせるというのは、なかなか難しいことなので、秋に向けて大きなことはいえないけれど。


ダイバーシチーは想定外の好位の内という競馬をしたが、これは馬場状況を考えての典のアドリブだろう。ただこの時は既に内が死んでいたので、4コーナーで外に出せていれば、だったと思う。しかしこういう競馬ができるのなら未来は明るい。セントライト記念を秋のステップになるのだろうが、このレースで外を回さなくても競馬ができるのはデカい。菊花賞を狙えるかは今後の成長次第だろう。体はしっかりしているので、心肺機能を上げていくだけだ。


スマートギアは結構いい馬だった。スピードを感じる馬体だし、結構バネ感もある。ここ2走追い込んでいるが、気持ち一つで先行することもできるスピードがある。直線は一頭だけ違う脚を使えたのは長く脚が使えるからだし、スピードもあるからできることだ。この馬も成長次第では菊花賞を考えていいと思う。


ハンターキリシマは痩せ型の馬で、馬の特徴としては明らかにスタミナ。ガサがないので速い時計には弱いが、時計が掛かる競馬ではバテないという強みがある。キングオブカルトは小倉からお付き合いしている馬だが、スピードがある馬で元々素材は良かった。ただ相変わらず決め手がないね、というもの。弱い相手にスピードだけで勝つというのがパターンで、性能が僅差になると弱いタイプ。


プロヴィナージュはかなりしっかりした馬だった。脚が長くてトモ腰も完璧。ただ背中が強すぎるせいか溜めがあまり作れないので、芝で速い時計で走るのが難しいようだ。理想はコーナー2つのダートで先行。牝馬でこれだけしっかりした馬も久々に見たから、将来は楽しみがある。モンテクリスエスはやっぱりというか、スピードが無さ過ぎだ。これはクリスエス産駒には総じて言えそうだけど、スピードが無いので時計勝負は本質から外れているのだろう。今後も荒れ馬場とか、中山とか、そんな競馬で結果を残していくと思う。


タケショウオージは自分の競馬をして7着。スピードという点で劣った結果だと思う。アロマキャンドルはほんと左回りしか走らないんじゃないか?という結果が続いている。今後もコーナー2つ+スローが得意というのだけで馬券になりそうないい馬ではある。

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優駿牝馬

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~やっぱりオークスは難しい~


今年のオークスで教訓になったのは距離適性を考えたら駄目だということだった。理由としては、マイルからの一気の距離延長が多いので距離に対する不安があるのは全馬一緒だ。なのでガチンコの2400mという競馬はまず行われない。だから「距離が伸びてベスト」という判断は一見正しいように見えて、実は「スピードが無く底力が低い」という裏返しの可能性もあるのだ。リトルアマポーラやソーマジックは終わってみれば、その手の「罠」だったように思うし、エフティマイアは桜花賞2着だったのに人気薄というのは、私も含め人々が「距離は持たない」という大きな勘違いをしてしまったことに他ならない。本当に競馬に対して人知が及ぶところは半分にも満たないね。


パドックでもそうだ。牡馬と違って、牝馬の強さというものを馬体で計ることの難しさを痛感するのが毎年のオークスだ。実際、過去のオークス馬のその後の履歴を見ると、活躍したのがオークスで終わりという馬が何頭もいる(例えばローブデコルテなどもどうなのだろう)。パドックは馬の強みや弱点などいろいろと体感できるのが良い点だけれど、走っている馬のタイプはバラバラ、弱点もいろいろ、オークスのここだけ走る馬を選べと言われると、もうほとんど不可能に近いと思う。


エフティマイアは「馬体に無駄なものがない」「成績としてスピードと持久力は認める」というのが誉め言葉であって、馬を見てフィジカル的に何か優れているものをあまり感じないのだ。馬の成長が伴わない新潟2歳Sレベルならそれでも良かったが、まさか桜花賞・オークスまで通用してしまうとは…。レースを見ても折り合いがついて直線を向いても持ったままの態勢だったから、スピードの点で完全に他をリードしていた訳だ。勝ち馬には決め手で負けたが、内容としては完璧だろう。元々完成度が高かった、心肺機能が優れているなど、後から好走理由は並べられるが、純粋な馬の比較だけではなかなか印を打てないと思う。パドックは万能ではない、いや、馬を見る視点でまだまだ何かが足りないのだと思う。


トールポピーは才能だけは高いと思う。馬体のバランスは良いし、兄のような体の硬さもない。完成すれば今よりももっと安定して力を発揮できる馬になるはずだ。この春は強い調教ができないまま迎えていて、スローの上がり勝負だったチューリップ賞を2着、ハイペースだった桜花賞が惨敗、そして決め手勝負だったオークスは完勝だった。弱点は腰がまだ決まっていなくてトモが流れてしまうことだ。当然、心肺機能もまだまだ未発達だろう。それでも才能が特別だ、ということで勝ててしまうのも競馬だと思う。


レジネッタは想像以上に良い馬だった。体は確かに小さい。が、抜群のバネ感が備わっているし、腰もしっかりしている。脚が速いので加速もできるし、桜花賞で勝った様に心肺機能・持久力も高い。レースでは不利が痛かった。あれがなければもっと際どかったはずだ。現状から判断すればスピードや立ち回り性能が低いトールポピーよりは秋華賞に近い馬だと思える。桜花賞を勝ったのは伊達ではなかった。


もう一頭馬として素晴らしかったのがオディール。この馬も線が細くて腰が決まっていた。体型的にも動きにもかなりスピードを感じる馬だった。チューリップ賞では上がり2Fだけの競馬を後方から唯一追い上げてきた馬で、脚の速さやキレ味は相当だろうと思う。レースでも致命的な不利があったし、この先、キレ味を活かすシーンがあるなら活躍が期待できると思う。関西にはいい素質の馬がナンボでもいる。


ブラックエンブレムは細身で腰高で品がいい馬体をしていたし、しなやかさもあった。が、有利なポジションでの競馬で4着というのが現状のこの馬の力だろう。ソーマジックはシンボリクリスエス産駒の割には背中が短かったし、バネ感もある馬だった。ただ完全に決め手負け。道悪は良くなかったのだろうが、それを跳ね返すだけのスピードや強さというものを持ち合わせていないのだろう。もっとも心肺機能は高い馬なのでこのまま終わるとは思っていないが。


リトルアマポーラは首が凄く長い馬で、たしかに距離が延びていい馬だと思う。しかしこの馬も腰の甘さを抱えていて、スピードは劣るし不器用な馬だ。大外枠で距離損という競馬は仕方がなかった。スケール感はある馬で完成すればまだまだ伸びていい馬だとは思う。

東京優駿

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~馬の成長は予測できない~


今年のダービーのレベルは低いんじゃないか?という疑念を持っている人はいると思う。8Rに行われた青嵐賞が2.26.3で上がりが35.5秒。対してダービーが2.26.7で上がりが36.4秒。青嵐賞の勝ち馬が圧勝だったから実質準OPに近いと見ることもできるが、馬場は乾いていく途中だったからダービーの方が時計が出なくてはならないはずだし、上がりが1秒違うというのは決定的だとも言える。結果からの意味としては、桁違いの脚を使った勝ち馬だけは強いが、2着以下は弱かったということになる。実際、馬を並べてもそういうメンバーだったとも言えるし。ただレベルはともかく、世代のトップクラスが揃うのがダービーだ。負けた馬の中からも、この先、馬券になりそうな馬はゴロゴロしている。


それにしても6戦目にして未勝利勝ちという馬がダービーを勝つなんて前代未聞だと思う。実際、ディープスカイの4戦目の未勝利が中京の1800mで、パドックで◎を打って2着に負けたのだから体感的にも実感が沸く。この馬の弱点や変化についてはコラムで書いたので再筆しないが、サンデー直仔がいなくなって、そういう時代が来たのかもしれない。あるいは、こういうことが今後も多く起きるかもしれない、と思った。才能や完成度が高くて、デビュー当初から連勝街道を走っていくような馬はなかなかでない時代であって、故障もなく順調に使い込んで、使い込んで強さを発揮していく時代に。ダービー馬は初見で見抜かなきゃならないと言われたが、もうそんな時代じゃないんだろうと思う。


ディープスカイは筋骨隆々で柔軟さ抜群というタイプで、個人的な趣味でいえば「好みのタイプ」ということになる。見てくれやスケールは抜群なのだ。イメージは脚が遅い中距離馬だろうと思う。今後、故障をしなければ天皇賞・秋やマイルCSなんかで活躍できそうだ。当然ステイヤーというイメージは無い。もちろん掛かっていく馬ではないから、菊花賞くらいなら誤魔化せる可能性はあるのだけれど、皐月賞に回らなかった陣営のことだから、秋の路線は間違えないはずだと思いたい。


思い返せばスマイルジャックは「新潟での1番馬はこの馬だ」と言い切った馬だった。脚が長くて、腰が高くて、しなやかなで、腰もしっかりしていたからクラシック路線に乗るはずだとも思った。が、まさか腰が甘くなった上でダービーを2着するとはね。。。確かにトモ幅は出たのでパワーUPはしている。しかし2勝目が遠かったのもこの腰の甘さが原因だと思う。これをカバーしたのが小牧太だ。多分テン乗りのきさらぎ賞で、接戦に弱いというのは実感したのではあるまいか?。スプリングSが番手の競馬。ダービーも早め先頭で逃げ込みを計った。それでも2着だった辺りに現状の限界は見せてるが、あの騎乗がなければ2着も無かったと思う。馬の才能的にはまだ伸びて欲しい気持ちはあるが、この1年の変わり方を見ると大きな期待も掛けられないという気持ち。


ブラックシェルの武豊は言い訳をしていた。「1コーナーの不利がなければ…」。私の独断でいえば、そんなものが無くても結果は一緒だと思っている。直線で強烈な決め手が使えないのだから馬が弱いのだ。あるいは先行するだけのスピードがないとも言える。スピードがない、決め手もジリなのにどうしろというのだ!とは言えない武豊なりの営業トークだと思うから真には受けない。強い馬ならこの時点で500万勝ちの馬であるはずがない。立ち写真を見ても分かるように、筋骨隆々で脚が長くて、カッコいい馬だ。ただ歩かせるとクロフネ産駒にありがちな重さや、柔軟さの限界が垣間見える。芝でのジリっぽさ、限界は今後も常に見せ続けると思う。今後JCDに回ったら、英断だと思うけど。


マイネルチャールズの柔軟さはメンバー髄一だった。ウオッカを彷彿させるような柔軟さだ。腰の甘いのもウオッカと一緒。ただ決定的に違うのはちっちゃいこと。脚が短いということは腱の長さも短い。長いスプリングではなく、短いスプリングでは反発力も知れているのだ。たとえばこの馬に33秒台の上がりを求めるのは酷だろう。中山3勝というのは象徴的だと思う。今後は腰を強化して、スタミナをつけていけば、まだいろんなことができそうな馬だと思う。そこまで伸ばせるか?はラフィアン次第なんだろう。


アドマイヤコマンドの川田は直線でやってしまった。内々回って「さあ、これから!」というスピードに乗せる瞬間に前の馬でブレーキを掛けてしまった。時計的には足りていた決着だったし、手応えも十分あった。ただプレッシャーもあっただろうし、馬もキャリア4戦目と浅い。ダービーという大舞台では馬も騎手も若かったという結果だと思う。馬個体としてはスケール感はないものの、瞬発力の高さだけで今後も十分やれると思う。体が小さいのでスタミナ面はあまり心配してないし。


フサイチペガサスは脚が長くてスケール感はあったのだが、如何せん体が硬かった。多分、骨格に対してまだ肉付きが足りないのだ。多分、無理をすると足元にくるのかもしれない。大トビで脚が長く続くタイプだが、バネがないから現状はジリ脚。しかも器用さがないので狭いコースは駄目だ。上手く成長させれば菊花賞という目もあるかもしれないが、こればっかりは分からない。


惨敗したがサクセスブロッケンはまた大きく成長していた。思い返せば福島のダート1700mでデビューした時は酷いデキだった。府中でデビューさせなかった辺り、陣営としても自信はなかったんだと思う。張り艶も悪くて腰もフラフラ。脚が長いのとしなやかさだけが武器だった。それが今は腰がしっかりし、骨の細さも際立ち、端午Sではユビキタスを子供扱いするスピードとスタミナを発揮するまでに至っている。馬というのはここまで変わるのか?という数少ない例だ。もう今からJCDが楽しみな素材だ。

安田記念

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~天才の復活~


牝馬としては64年ぶりダービーを勝ったウオッカが、実に8戦ぶりに勝利した。牡馬相手に3馬身半の圧勝に導いたのは乗り替わった岩田に他ならない。考えてみればウオッカは当初、先行馬だった。それがいつか「溜めればキレる」という幻想を騎手が抱いたのか、追い込み馬に変わってしまっていた。ここまで散々溜め殺ししていた四位に武豊。彼らに替わって馬なりに先行させたのが岩田だった。折り合いを欠くこともなく、有利な内をスムースに回って、自慢の末脚を爆発させたら3馬身半の圧勝だったという訳だ。上がり勝負で爆発力を発揮するウオッカにすれば当然の結果だったのかもしれない。


私自身も1年ぶりに馬を見たけれど、この馬が天才なのは「柔軟で長い腱」を持っているからだと思った。決してトモ量やパワーで走る馬ではなく、他の馬より相当に長い腱(例えればスプリング)がたわんで弾けるという仕組みだ。だから大トビでも他とは桁違いに進んでいく走り方なのだ。ただし腰の甘さは相変わらずだった。腰は乗り込んでいくことで、ある程度決まってくるが、その点でウオッカはまだ足りないともいえる。


この1年の結果を振り返ってみても、実は使える脚の長さはそれほど長くない。秋華賞や京都記念がそうだったが、速い上がりで3Fが限界で、それ以上だとゴール前の伸びがやや甘くなってしまう。また有馬記念や宝塚記念を見てもスタミナが要求される流れになると惨敗する。多分、心肺機能の強化があまりなされていないのだ。天才的な爆発力をどこで使うか?という競馬ではやはり強かったが、それ以上でも以下でもないというのがこの馬の評である。


香港馬の2頭は明暗が分かれた。グッドパパは腰がキッチリ決まっていてかなり良い馬だった。が、2年連続の敗戦…。スピードはある。持久力も多分高い。でも体が硬過ぎるのか、日本の硬い馬場があまり向いていないのかもしれない。日本ならむしろスプリンターズSのように先行スピード+持久力でゴリ押しするような競馬が向いている可能性がある。


アルマダは逆に柔軟性が高い馬だ。腰に甘さはあるけれど、バランスが良くてスピードもある。血統柄、瞬発力はないのだろう。追ってから脚はあるのに弾けない。が、鍛えられているという持久力の高さでなんとか粘りきれた格好だった。こういう競馬をすれば香港の馬は強いという典型的なパターン。


人気を背負った高松宮記念組み。スーパーホーネットはメンバー中では一番脚が速いという馬で、加速性能とキレが持ち味。本質は1400mの上がり勝負型。昨年と違い、マイルCSを2着に踏ん張れているのだから今年は違うのだろう、と思ったが、結局2年連続の敗戦だった。まあ安田記念とマイルCSの両方を走れる馬というのは、よほど強い馬じゃないと無理なので、スーパーホーネットはそこまでの強さは持ち合わせていないということになる。スズカフェニックスは昨年と同じような競馬で、抜群のキレ味があるけれど、マイルは微妙に長いということだと思う。

ブログ再開

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ほぼ1年ぶりにブログを再開することにしました。


理由はパドックの音声情報がなくなって、現場と会員さんを繋ぐ「手段」が希薄になったのを感じたからです。多分、伝えなきゃならないのは「現場で感じたこと」でしょう。パドック情報のテキスト化は携帯で見れるので、これはこれでかなり有効な手段なのですが、やっぱり失ったものも大きいと感じたので。


方針としては、毎週更新というような義務的なものにならないこと。思いつきや感覚が大事であって、分析や形式にあまり捕らわれないこと、などです。以前のスタイルだと調査が多過ぎて時間と労力が掛かりすぎでしたから、極力ライトに、という方向です。多分、その方が長続きするでしょうし。とりあえずこの春の競馬で感じたことを感じたままに、ですね。

システム変更による印の成績

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競馬も休みに入ったので超久々の更新です。11月の終わりからパドックのシステムが変わったのはご存知の通りですが、自分としては、今度の多段階評価システムには手応えを感じています。まだ6週間分の結果しかありませんが、印の結果がどうなったのかを見てみました。


  着別度数   勝率  連対率 複勝率 平均人気
◎ 30- 20- 14- 56/ 120  25.0%  41.7%  53.3%  3.1人気
○ 13- 22- 14- 71/ 120  10.8%  29.2%  40.8%  3.6人気
▲ 16- 17- 13- 74/ 120  13.3%  27.5%  38.3%  4.2人気
注 06- 09- 07- 95/ 117  05.1%  12.8%  18.8%  5.3人気
△ 14- 10- 17- 83/ 124  11.3%  19.4%  33.1%  5.2人気
☆ 07- 08- 05- 68/ 088  08.0%  17.0%  22.7%  6.1人気


各「率」を見ると大体印の順番の通りの結果は出ていて、悪くない数字だと思います。◎を打った馬の平均人気がほぼ3番人気程度。比較として今年の全場の人気別成績を並べてみると以下の通りになります。2番人気馬よりも成績が上で、配当的には期待値が高いということです。


 勝率  連対率 複勝率
1番人気 32.4%  52.8%  65.7%
2番人気 19.9%  38.2%  52.0%
3番人気 13.9%  29.0%  41.4%


◎をもう少し詳しく見た結果がこちら。


  着別度数      勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3,8 14-14-09-20/57  24.6%  49.1%  64.9%   081%    97%
3,7 13-04-03-23/43  30.2%  39.5%  46.5%   166%    90%
3,6 10-05-04-22/41  24.4%  36.6%  46.3%   115%    83%


我ながら笑ったのは3,8と3,6の勝率が変わらないことで、もう少し選別掛けた方がいいだろ、と思いました。いろいろと思い当たる節はあるんですが、これは性格的な部分もあるんで、ある意味仕方が無い数字なのかもしれません。ただ連対率や複勝率、回収率なども、それぞれの印の特徴が出ていて、3,8は1番人気も多数含まれていますし、3,6は妥協点的な馬も含まれていますから、結果的に3,7の印が一番勝率が良かったんだということです。


意味としては3.6と3.7の間には「適性○」と「基礎性能○」の差があって、競馬というのは適性重視よりも、やはり基礎性能の高さを評価していった方が正しいということです。つまりクラスを1つ上がるのに、能力差ではなくその場の状況が合っているという馬よりも、そもそもモノが上の可能性があるという馬の方が確率がいいということです。3.8には「適性も才能も高い」という言葉がコメントに含まれていて、そうなると2着3着という安定感としてそれ以下の印を上回るということですね。こういう結果を見ると「人間の側が正しく評価できれば馬はウソをつかない」と思います。


次に○や▲の分析。
     勝率 連対率 複勝率
3点台 13.5%  29.8%  40.8%
2点台 04.7%  18.6%  27.9%


○が2点台というのはやはり2番手を選ぶ理由が薄いという訳です。▲が2点台というのも結局「注」や「△」以下と同列に並べてしまうということです。「パドックから推す理由が薄い」ということは、やはり結果に反映されてしまうということがよく分かりました。


このシステム自体がまだ始まったばかりであり、今後の方針として、更に選別の精度を上げるにはどうしたらいいか?はまだ考える余地があります。馬を見るスキルの底上げは当然ですが、印を打つ根拠をより鮮明にしていく必要がありそうです。

東京優駿

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2.24.5 12.6-10.9-12.3-12.6-12.1-12.1-12.7-12.6-12.2-11.4-11.4-11.6


ウオッカの返し馬を見た音声情報で「やっぱこの馬、天才だよ」と話したんですが、実際、ダービーを勝たれた瞬間は「すげー、ほんとに勝っちゃったよ!」という驚きと「牝馬に勝たれるダービーってどんなレースだよ!」という違和感と、なんかいろんなものがゴチャ混ぜになってました。確かに歴史的な勝利の瞬間ではあったんで「なんか今、凄いもの見たよな?」と頭はあまり冷静じゃなかったと思います(笑)。冷静になって考えてみましょう。


まずは時計ですが、先週のオークスが昨年よりも1秒近く速い決着で、今年は当然23秒台が出るだろうと思ったんですが、結果は2.24.5という平凡な時計。上がりだけが34.4秒という決着で、つまりはスローの上がり勝負になってしまいました。ペース的にもオークスの1000m通過が59.1に対し、ダービーの1000m通過は60.5。牝馬の方がペース厳しかったというのはもうあきれるしかありません。


本来ダービーというのは世代の頂点を決めるレースであり、当然メンバーが揃ってレースの圧も高く、直線は脚が上がる馬が続出するはずのレースなので、過去を振り返ってもレース上がりが35秒を切るというのは、能力ずば抜けていたディープインパクトの年しかありえなかったんです。それが今年バテたのはプラテアード一頭だけでほとんどの馬が直線の坂上まで余力があったというレースになってます。実際、今年の高速馬場で、逃げたアサクサキングスの2.25.0(上がり34.9秒)という平凡な内容のはずなんですが、4コーナーを回った瞬間に食いついているのは番手のサンツェッペリンだけ。結局のところメンバーが弱すぎて逃げ馬に対し全く「圧」が掛からなかった、いやスピードが無いから「圧」を掛けられもしない。これって皐月賞と同じようなレースです。そしてこのスローの瞬発力勝負に対して、十分間に合う位置+最速上がりで上がれたのが牝馬のウオッカでしかなかったということです。


レースに対し「圧」が掛からなかった大きな要因はヴィクトリーの出遅れとフサイチホウオーが掛かったことでしょう。前者は、逃げて皐月賞勝った馬が、出遅れれば何もできないのは当然だし、アサクサキングスにとっては予想外の楽逃げが打てた最大の要因になったとも言えます。しかし出遅れ必然という見方をすれば、そもそもが気性難。ダービーの大観衆の前でスタート切るんですから、皐月賞とは雰囲気が違います。出遅れたのは馬が精神的に弱かったということです。


後者は馬群の外で壁が作れずに掛かってしまい、結局3コーナー回るところまで終始ムキになって走ってました。そして掛かった一つの理由に好位を取ろうとして安勝がスタートして仕掛けたのが効いてるんですが、言ってしまうと、仕掛けただけで折り合いがつかないなんて、気性的に弱かったと言わざるを得ない。もう10年もダービーを見てきて思うことは、ダービーは馬の精神力が弱い馬はほんと駄目ということと、ダービー勝つ馬の返し馬はやっぱり凄い、ということですね。大観衆の前でもちゃんと落ち着いていて、しかも空を飛べるんですから、返し馬でウオッカ絶賛したのは、やっぱりそういうことの表れであったと思います。それが牝馬だというのだから、また参るんだけどね…。


ウオッカ自身もやや行きたがる癖はあり、馬群で壁を作れたのは大きかったんですが、あの返しを見ると外枠でも溜めは作れていただろう、と。そしてお得意のスローの上がり勝負で最速上がりでぶち抜ける。馬を見るとかなり「特異」な馬だと思いました。骨は太め、脚が長い、でもトモ幅が凄い訳じゃないし、腰がかなり甘くて馬としての完成度は相当低い。凄さを感じたのはこれだけ腰がフラフラなのにトモは流れないこと。筋肉は抜群に柔軟なのに、ちゃんと後肢が踏ん張って戻ってくるという収縮力があるんですね。13Rでも話してたんですが、抜群の柔軟さと収縮力という「良さ」と腰グダグダという完成度の「悪さ」のギリギリのところで天性の才能を発揮しているような馬という言い方、だから凄い。裏を返すと良くも悪くもフィジカルだけに頼って競馬いるので、自分の限界を超えてしまうようなペースで競馬をしてしまうと怖いと思った。つまりスタミナ要求された時。今回は遅い時計の上がり勝負で勝ちパターンだったけど、あと1秒以上決着が速かったたらどうだったか?。そんなのはやってみないと分かりませんけどね。ただダービーを勝つというのはどんな世代にせよ、最も強い馬だからこそ勝てるもの、です。ウオッカには凱旋門賞出走のプランもあるそうで、こういう化け物みたいな強さの馬だからこそ、期待したいと思います。そしてこういう馬が挑戦をするからこそ、競馬は楽しいし盛り上がるものでしょう。


フサイチホウオーはデビュー当時から直線内にササったり、気性難ではあったけど、いやほんと治らんもんですね。馬体自体は新馬戦から比較すると相当筋肉と柔軟さが増していましたし、元々トモ腰は完璧な馬でしたが、結局の所、メイショウサムソンやアドマイヤメインのような「凄み」を感じさせるところまで行かなかったということだと思います。昨年は両馬に4点台でしたっけ?。ダービー馬というのは結局「完成度の高い馬」ではなく「天才の馬」が優先されるべきなのかもしれません。それはダービー以前のどこかのレースで馬を見て「この馬がダービー馬だ」と気づくものであって、消極的選択ではないんだと。昨年のアドマイヤメインがそうでした。ウオッカをどこかで見てればそう思うかもしれない。中京で見たアドマイヤオーラにはそれは感じなかったとか。昨年まではダービーパドックを見れば才能の差というのが大きく出るので簡単だったんですが、もう時代が違う以上、ダービー以前の途中経過を見ることは、パドック派にとって思った以上に大きなことなのかもしれません。ちょっと来年は桜花賞や阪神JFなどに関東スタッフの誰かを派遣しないと駄目かも。。。私自身も皐月賞をちゃんと見ないと駄目かもしれない。。。こういう時、馬を同じ論理と視点で見れて、言葉を共有できる人間というのが役に立ちます。普段接している人間同士でもかなり難しいんですけどね。


アサクサキングスに関しては、確かにNHKマイルCよりデキは上がっているし、デビュー時より筋肉量もついてますよ、ええ。だけどスロー単騎逃げが適ったきさらぎ賞以外、重賞では全く自分の競馬が出来なかった馬が、ダービーという究極の舞台(しかもヴィクトリーという逃げ馬がいて)に限って逃げが適うということ自体が想像できない。そもそも皐月賞・NHKマイルCで重い印を打ち続けた人間が惨敗を気にせず「ダービーでこそ」とへこたれずに印を打つことさえ難しいのに、そこまで「弱いから一銭もいらない」と思っていた私がここで追いつけるはずがない。この馬に追いつくにはそこまでの全てのイメージを覆すだけの想像力が必要だったと思いますが、私にはできなかった、それだけのことだと思います。


サンツェッペリンに対しては京成杯の時より筋肉の柔軟さは確実に増してますし、地味な血統柄、使って強くなるタイプだと思います。ただ基本的に柔軟過ぎる大トビなので、上がり負けは必至だった。百日草特別の結果をひっくり返すような瞬発力を持っていなかった。もしくはあの低レベル皐月賞を勝ちきるだけの力も持っていなかった、そういう言い方になります。馬体がどれだけ充実しても、武器がなかった、あるいはペースが緩すぎた。


アドマイヤオーラも馬体は中京で見た時よりかなり幅もありましたし、充実していたんですが、やはり体の柔軟さには限界がる。得意のスローの瞬発力勝負でもウオッカ以上の上がりは使えないし、早めに動いたとしても2着がやっとでしょうね。いずれにしてもダービーは勝てる器ではなかった。


ヴィクトリーは確かにブライアンズタイム産駒らしく筋肉量はあるしトモもしっかり。周囲の話しだと皐月以上という柔軟さや張り具合だったと思います。ただ返し馬できないって…(苦笑)。ダービーという舞台で殺されたタイプだと思います。馬自体は将来あるいい馬だと思いますよ。


他はドリームジャーニーとか、ゴールデンダリアとか、ナムラマースとか、スローを後方で溜めた結果、上がり速いという馬たちで、そこにはあまり価値は発生しません。レースで勝ちに動かなかった馬が、いくら速い上がりを出したところでそれは後出しジャンケンと同じです。ようはスピードが無いとか、早めに動いて勝つ自信が無いとかで、着順がその馬の実力だという見方でいいと思います。


それにしてもユキさんや京介が事あるごとに「今年の牡馬は弱い」という話をしていたんですが、それを象徴するかのような結果になってしまったということですね。コラムで「時計的に考えると、皐月賞自体が昨年より明らかな低レベル、京都新聞杯も低レベル。青葉賞も今年の高速馬場を考えると低レベル。そしてHレベル牝馬のウオッカの参戦」という書き方もまんざらではなかった訳です。


何故こういうことになってしまったのか?なんですが、やっぱり今世代から「サンデー産駒の不在」が大きかったんじゃないか、と。昨年はダービーに8頭いたサンデー系産駒も、今年はたった4頭しか出てないんですよね。そしてサンデー亡き後、その代替としてもっとも良い牝馬をつけられるはずのダンスインザダークやアグネスタキオンといった馬たちが、クラシックに出てきて頭を取るくらいの牡馬を産出できていないんだと。だから全体としてのボーダーが下がってしまった感があるんだと思います。ちなみにオークスは9頭がサンデー系産駒で(しかもタキオン産駒のダイワスカーレットが回避して)、牝馬にかなり偏ったという世代であり、実際、NHKマイルCまで勝たれるなど、牝馬の方がレベル高かった訳で、これが来年は牡馬優勢に偏るかもしれませんが、いずれにせよ、今までなら数多く供給されていた高いレベルのサンデー産駒が、代替種牡馬では質・量ともに供出できなくなり、偏りを見せるようになったのではないか、というのが牡馬牝馬の逆転現象の推測要因です。

優駿牝馬

テーマ:

2.25.3 12.6-11.0-11.6-11.8-12.1-12.8-12.7-12.5-12.4-11.8-11.4-12.6


やっぱり、というべきでしょう。今年の高速馬場だとこのメンバーでもオークスレコードが出てしまいました。それにしても見事に13秒台ラップがなく、1000m通過が59.1秒。次の1000mは62.2秒なんで息は入れてるにしても、この時期の牝馬にしてはかなり厳しいペースに違いはありません。かなりスタミナが要求されたことになります。


ベッラレイアはあざみ賞で見た時とは全く別の馬になってました。トモ量なくて細くてカリカリ、体も硬い、という馬だったのに、今回は張り艶良くてしなやかな馬に。たかが1走挟んだだけで、その違いつーのは一体なんだよ?とか思いましたね。思い出したのがこれってメイショウサムソンのパターンだと。もともと骨格バランスは良かった馬が、筋肉をつけてくことによって化けていく、みたいな。両馬とも地味な血統というのが共通で、天性というよりは、鍛えていくことで柔軟な筋肉を身につけていく感じなんだと思います。ただこの馬が負けてしまったのは今回が初めてのGⅠハイペース消耗戦だったということですね。


コラムでも書いたように構造が軽いからスタミナ戦になっても耐えられるんですが、心肺機能だけは調教だけじゃなく、厳しいレース経験でも培われるもののはず。今年になってデビュー+全部スローというレースで、馬を鍛えていくという面では間に合わなかったという言い方もできると思います。もちろん、今回の流れを坂下で早め追い出しをやったらそりゃ坂上苦しくなるのは当然で、秋山の焦りもあったんですが、それで押し切れるほど現時点での完成度が追いついていなかったということです。残念な結果ですが、秋はまだまだ力をつけていく可能性があると思います。


ローブデコルテは実は昨年のマイルCSの時に京都で馬見てました。2歳500万下でまだビンチェロとかが人気してたレースでしたね。「脚長で貧相でカリカリの馬」というイメージがわずかに残っていますが、ジャングルテクノに負けるなど「取るに足りない」で片付いた記憶があります。今回も相変わらず脚長くて腰高で、かなり細身の馬体。脚の速さは分かるけど、マイル寄りの体型に見えてしまうんですよね。ただこの馬の過去歴をもう一度洗い直してみると、ハイペースの紅梅賞を勝ってみたり、レコードだったコスモス賞を牡馬相手に2着してみたり、距離への融通・ハイペースに対する持久力はちゃんと見せていたことになります。やっぱり血統だけに頼ったら駄目だの、典型でした。今回の流れで時計もこれだけ速いと坂上がみんな苦しくなる中、唯一踏ん張ったのはこの馬だけでした。競走馬として細くて軽い、脚が長いというのはほんと役に立ちますね。ただスタミナはあっても、自分で立ち回って勝ちにいけないタイプなだけに、今後は知りませんけどね。


ラブカーナやミンティエアーも軽いからこそ坂上でそこそこの着順まで持ってこれた馬たちです。3・4着の差は前者がしなやかなのに対し、後者は体が硬い。その辺が坂上で出た感じです。ピンクカメオは折り合いもついてイン突いての5着で、この強行軍でもちゃんと力は示したと思います。トウカイオスカーはいつもとは違い好位からの競馬で直線バテましたが、速い時計に対応できるだけの力が無かったということです。カタマチボタンは危惧したとおりの骨太・脚長で、柔軟さやバネが持ち味。速い時計の消耗戦で何かできる馬ではありませんでした。


ザレマなんですが、2走前と体重こそあまり変わらないけれど、馬は全くの別物でした。当時はトモ量あり柔軟性抜群であり、脚長で格好良さが目立ったのに、今回はトモが落ち、明らかに筋肉減らした絞り方。中間調教で好時計連発していて、絶好調報道されていても、フタを開けてみるとこんなもんなんでしょう。デカい馬なんだから、筋肉減らしたら動けなくなるのは当然です。レースとしてはハナ立てずに好位の外で折り合いをつけたものの、坂で早々に脚が上がって惨敗。どのみち、これだけ時計が速く消耗戦になってしまうとこの馬にとっては辛かったとは思いますが、GⅠの晴れ舞台でこんな格好の悪いザレマの馬体は見たくなかった。