節というもの | 大石眞行の玄学ライフ

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大石眞行が占いの観点から日常を観察します。

ちなみにタイトルの「節」は「セツ」であって「ふし」ではありません。為念。
新暦5月の節は立夏。
前日までで春が終わり、立夏からは文字通り夏が立つ。つまり夏が始まる。
毎度言っているように現在流通している暦(定気法によるもの)だと、今年の立夏は5月5日11:20だったらしい。
しかし、私が採用している恒気暦だと5月7日13:38となる。
もうすぐだ。
一昨日から昨日の嵐は、私には春の節分の嵐に思える。西と東ではもちろんタイムラグがあるが、台風一過のように本日は晴天なりである。
ちなみに私が恒気暦を採用しているというのを、なんか他の占い師と差別化をはかるために奇をてらって珍説を唱えているように思う人が意外に多いらしい。
項羽ではないが、まさしく「愚や愚や若を奈何せん。」である。
(この高尚なギャグ、わかる人だけ笑ってください。)
四柱推命の歴史を正確にたどることは難しいが、中国が定気暦を採用したのは明確である。それは清の時憲暦からである。それまでは恒気暦であったということだ。
ただしこれに対し、定気の考え方はすでに隋の時代からあったと指摘する向きもあるようだが、こと四柱推命に限って言うならば、『淵海子平』中に「論截流年節気日時刻数要訣」と章がある。
これは明らかに恒気法により節気を求める秘訣となっている。
四柱推命において、『淵海子平』記載の事実を無視するという暴挙に出ない限りは、四柱推命が採用していたのは恒気暦であることが分かる。
暦占術において、暦はハードであり、占術理論はそのハードの上で動くソフトである。
恒気暦というハード上で稼働していた四柱推命というソフトを、定気暦という別のハードの上に乗せてみて、まともに動くと思える頭のほうがどうかしている。
しかし、時憲暦採用以降、このことを問題にした推命家は、私が知る限り存在しない。
それは日本はもちろんであるが、中国においてもである。
実際に現在、台湾や香港から輸入される万年暦もすべて定気暦である。
暦法研究も地に落ちたものだ。実際にこの差異が問題となるのは節入り前後の数日間なので、見て見ぬふりをしているのであろう。
実占で、その近辺に生まれた方々を何名か鑑定すれば一目瞭然であろうに。
てなわけで、理論的、実践的両面の根拠から、私は恒気暦を採用しているのである。
ただし、定気暦採用以後に理論に大改革が加えられた占術ならば、定気暦で占いをすることは全く問題ない。ハードの変更に伴ってソフトを改変したことになるからだ。
暦を使うからといって、すべての占術が同じ暦を使うわけではない。
極論を言うならば、占術ごとに暦があるといってもいいし、暦ごとに占術があるといってもいいだろう。
その違いは決して学問上の優劣ではない。実占上の、俗にいえば当たるか外れるかの違いとなってあらわれてくるものだ。
ということで、夏だ!