Sunny Afternoon Ⅱ #001 | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

     Sunny Afternoon Ⅱ
                                                        .                    
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波打ち際で砂に埋もれた貝を食べるカモメ達の聲が聴こえてくる。
彼は、色眼鏡を掛けたまま防波堤の上に足っていた。
太陽が、その日いちばん高い処から耀リつける浜辺では、
いつしか打ち上げられた渇いた流木の上に一羽の隼が止まっている。
翼の脇に嘴を突っ込み、羽根の手入れをしている。
時折、潮騒に耳を傾けるようにも観えるその姿・・・。
彼が防波堤から砂浜へ跳び降りると、それに気づいた隼は勢い良く翔び発った。 
彼は、鴎の群れの方へ昵いて行った。
潮風に流れる鴎たちの啾き聲が、だんだん大きくなって行く。
太陽は、そのまま真下に彼の影を墜とし、その脚元は焼けるような砂の熱さ。
靴の中にも熱気が伝わる。
その気配を感じた何匹かの鴎がチョコチョコと逃げてゆく。
彼は突然、走り出し、懸命に貝を探す鴎たちの残した足迹の上に躍り出た。
途端に、すべての白い輝きが舞いあがる浜辺。
サングラスを外し、辺りの眩しさを感じる。
徐にポケットから取り出した莨、その一本を口に咥える彼の手元で、
オイルライターの炎が颶に煽られた ---------------- 。
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                             つ づ く 。
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                                   『BAD LIFE 』 166ページ より

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beach001

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   ・・・本人は、ヘミングウェイ気取り。

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