Dr.パルナサスの鏡 | ドクロ島のくま部屋(KUMA-BEAR)

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『Dr.パルナサスの鏡』を観てまいりました

1000歳を越えるというパルナサス博士を座長とした旅芸人の一座の出し物は、パルナサス博士の瞑想により、作りものの鏡の向こう側に入った者の心に秘めた欲望の世界が具現化されるイマジナリウム・・・


入った者は、そこで正しい選択をすれば至福が与えられるのだが、誘惑する悪魔のニックにより間違った選択をしてしまうとニックに魂を奪われてしまう・・・

パルナサス博士は悪魔と契約してしまったのだ・・・その代償は、生まれてきた娘が16歳になったら、彼に差し出すという契約を・・・


その一座に絡んでくるのが、首を吊られてた謎の男トニー・・・演じるのは故ヒース・レジャー

彼がロンドンの撮影終了後にこの世を去ってした後、鏡を擦り抜けてしまったトニーのパートをヒースと親交のあったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの三人が演じるのですが、意外と違和感なく見れます

特にジョニー・デップは、もともとの顔の骨格がヒースと似ているせいか全く違和感ありません!

コリン・ファレルだけは、あぁ、別人だ・・・と感じますが・・・(^_^;)


しかし、それがまるで元々仕組まれていた事の様に三人のそれぞれのパートが、各々がピッタリとハマっています

パルナサスの娘を演じるリリー・コールは、美人なのですが、丸顔でそれゆえに少女ぽくも見え、不思議な印象を与えてくれます
彼女の次回作のマリリン・マンソンの初監督作も楽しみです


そして、悪魔役のトム・ウェイツ・・・彼の音楽にハマったことのある者としては、飄々とした悪魔役はニヤリとしてしまいました(^0^)

道化のパーシー役の『オースティン・パワーズ』のミニー・ミーことヴァーン・トロイヤーも役にハマっていて、これまたニヤリ・・・


全体の雰囲気としては、テリー・ギリアムの作品を何本か見ている人だったら、『フィッシャー・キング』に『バロン』をぶっつけて『モンティパイソン』をふりかけた感じ・・・と言ったらわかりやすいでしょうか?

・・・・・わかりにくいですね・・・(-.-;)

でも、ところどころのギャグは、すっごくパイソンっぽいんですよ~

婦人警官のコスチュームを着た髭の生えたおっさんのラインダンスとか、テリー・ギリアムのアニメをCG化したようなものも出て来るし、『ライフ・オブ・ブライアン』的なギャグや展開もありました!

パルナサス博士の鏡の裏側で見せられる世界は、とても魅力的です


物語のラスト近く、パルナサスは、二手に分かれた標識を倒すことによって現実の世界へ戻る・・・・・

選択が、この映画のテーマだと思う・・・
どっちに進むのかによって物語は変わる
パルナサスは、選択を誤ってしまった男・・・

彼は二つの選択に悩まされてきた・・・でも、選択は二択とは限らない・・・・二択を拒否するのもまた選択・・・

光と影、裏と表・・・これは、そんなものを描いた映画です


・・・でも、トニーの額の文字と笛には何の意味があったんだろうか?
黒魔術に疎い悪魔の推測通り、何らかの魔術だったのかな・・・?


あっ、あと映画が終わって、エンドロールが流れても絶対に席を立たないでくださいね!
ケータイが・・・あとはナイショ!
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