VERYの掲載記事(後編) | ブランド子供服のリサイクル オーナーかおりんのブログ

VERYの掲載記事(後編)

ずいぶん前の「VERYの掲載記事(前編)」 の続きです。

先日、とあるブロガーさんから「後編はどこですか?」

なるご質問をいただき・・・あせる


どちらかというと備忘録です。

長いのでどうぞスルーしてくださ~い♪


(以下、平成14年12月号掲載記事)



それにしても、育児の片手間に始めた仕事が、
なぜここまで軌道に乗ったのだろうか。


「経験を積んで商品を見る目ができたこともあるけど、

それ以上に子供服って一着一着に、

親子の大切な思い出が込められているから

預かった服を次の使い手に託す気持ちで売っています。

その姿勢が伝わってリピーターが多いのかもしれません。」


商品を紹介する際、彼女は状態を現物より悪く明記しているのだとか。

「クレームの返品があると送料は振り込み手数料の負担で

赤字になってしまうんです。、でもそれ以上に、同じ母親として、

商品を楽しみに待って相手の気持ちがわかるから、

決して裏切りたくない」と。


 これは今でも全く変わらず かお

 クレームが来てキャンセルになったとき考えるのは、

 お客さんが負担したのは代金と送料、振込手数料だけじゃなく、

 更新メールや掲示板を見てHPに飛び、そこから商品を選んだ時間、

 子供をあやしながらだったかもしれない、子供と相談して

 「これ、かわいいねえ♪」なんてワクワクして決めたのかもしれない。

 そのすべての時間と気持ちを裏切ることになるのだと思います。


売り手と買い手が同じ立場だからこそ、相手の気持ちになって

商いができる。子供がいることが弱点になるどころか、

彼女の強みになっているわけだ。


しかし、水を差すようだが、店が大きくなれば扱う商品も増えて

忙しさに拍車がかかる。となると、別の意味で

育児がストレスになるのでは・・・・・・・。


「今年の春から上の子が保育園に入ったんです。

朝8時半から夕方5時半までの長時間保育なので、

その間に、下の子を見ながら仕事に集中できます。

確かに上の子と過ごす時間は減りましたけど、

仕事がはかどる分、一緒の時間に優しい気持ちで

向き合えるようになりました。」


保育園からの帰り道、猫じゃらしを手に、

のんびりと歌いながら家路についたり、

朝の忙しい時間も、娘が自分で靴を履くのを

気長に待ってあげられる。もし、育児だけだったら

こういう気持ちには慣れなかったと彼女は振り返る。


香織さんに1日のスケジュールを問うと、

家事に育児に保育園の送迎にと、

主婦業をしっかりこなし、その隙間を無駄なく

仕事時間に割り振っていた。

忙しい日常を象徴するように、取材中も商品の

問い合わせの電話が鳴ったり、宅配便の集荷が来たり、

下の子にミルクをあげたりと、何度も席を立った。

しかしその横顔に疲れは感じられない。それどころか、

育児だけの女性や、仕事だけの女性よりも、

むしろ元気に見えたほどだ。


仕事と育児の両立が彼女をハツラツとさせているのだろうか・・・。

もちろん、それも正解だろう。が、一方でこうも思うのだ。


とかく子供が小さいうちは、自分の時間は後回し、というより、

ないに等しい。子供のプールには毎週つきあっても、

自分のスポーツクラブには1年以上ご無沙汰、

なんて話しもめずらしくないほどである。


しかし香織さんは0才児の子育て真っ只中に

ケロリと店を立ち上げた。そして見事に軌道に乗せた。

そんな彼女が手にしたものは何だろう。

仕事の成功?いや、本来の目的である、

『育児を気持ちよくできる自分』・・・ではないだろうか。


「子育てってマラソンみたいなものだから、ゴールをめざして

ひたすら走るのではなく、その道中を楽しみたいと。

私にとって仕事は、走ることを楽にする、給水所みたいな

役割だと思うんです。」


子供一色に塗りつぶされた時間にあえて自分の時間を

割り込ませる。

定期的に給水所で喉を潤すことが、長期戦の子育て期間を

自分らしく過ごすコツではないだろうか。


          -完-



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最後に、私に白羽の矢をあてて記事を書いてくれた

中山 み登り さんに心からお礼申し上げます。


自分が今もこの仕事に身を置く中で、

多忙な中でうっかり忘れてしまいそうな初心。

自分が今あるのは自分が頑張ったからじゃなく、

たくさんの手と思いやりと愛、そして子供達が

いてくれたからこそ、そんなことを決して

忘れないように、書いておきます。


長々とどうもすみませんでした。