「中国の属国に戻るぞ」と米国に脅された朴槿恵 | にゃんころりんのらくがき

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揺らぐ米韓同盟――読者と考える

鈴置 高史
2014年7月31日(木)

 「そんなに中国の属国に戻りたいのか」――。米国の有力なアジア専門家が朴槿恵(パク・クンヘ)政権に啖呵を切った。もちろん米韓同盟の破棄が前提だ。米韓関係の潮目が完全に変わった。

アジアハンズの警告

鈴置:韓国への厳しい警告記事が載りました。米国のアジアハンズ、ビクター・チャ・ジョージタウン大学教授が中央日報に書いたものです。骨子は「離米従中をしたければしろ。だが、よく考えろ。米韓同盟がなくなれば、中国からその一部として扱われるぞ」です。
-略-

中国との熱愛に舞い上がる韓国人

  • 韓国は(7月の中韓首脳会談で開いた)窓を生かし、中国を自らの側に引きつけようとしている。北朝鮮以上に中国と近い関係になりたいと韓国は願う。
  • これは、韓国が米国を排除しつつ、北朝鮮に関し中国と主体的に取引できることを意味するのだろうか? 私はそうは考えない。
  • 理由の第一は中国が北朝鮮を放棄する準備ができていないからだ。2番目の理由。韓国は中国との関係で舞い上がっているようだが、強固な韓米関係を基にしてこそ、中国への接近をしっかりとしたものにできるのだ。
  • 簡単に言えば、米国との同盟なしでは韓国は、中国からその小さな一地域として扱われる、ということだ。こんなことは、韓国政府の指導層だって分かっていると思うが。

 ちなみに、「韓国は中国との関係で舞い上がって……」と、最後の1文「こんなことは、韓国政府……」のくだりは韓国語版からも日本語版からも削られています。いずれも韓国人には朴槿恵大統領への挑発と読める部分です。

見捨てられる朴槿恵

米韓同盟の打ち切りを前提に書いたところがすごいですね。

鈴置:ええ、そこがポイントです。これまでチャ教授ら米国のアジアハンズは「中国との関係を改善してもいいけど、北朝鮮の問題では中国に期待し過ぎない方がいいよ」という、おとなしい書き方にとどめていました。

 それが今回は、同盟の打ち切りにまで言及したのです。もちろん、韓国の「中国との関係改善」が行き過ぎて「米国排除」に至ったからです。
‐略‐

 韓国の作戦は、米中双方を操って漁夫の利を得ることでした。でもそれは、米中双方といい関係を持っていることが前提です。中国に傾き過ぎて米国から見捨てられたら、朴槿恵外交は破綻します。

今、まさに破綻し始めた、ということですね。

集団的自衛権が最後の一撃

鈴置:その通りです。米国人も怒り始めたのです。日本の集団的自衛権の行使容認に対し、朴槿恵大統領が習近平主席とスクラムを組んで反対したことが「最後の一撃」となりました。

 米国は水面下でですが相当強力に要請して、安倍晋三政権に「行使容認」させたと思われます。韓国の防衛力増強にも資するというのに、韓国は中国と一緒になって反対した。韓国は中国側に寝返った、と米国は見なしたのです。
‐略‐

裏切られた3人(抜粋)

「中国一辺倒では、韓国の思うような統一は難しい。米国との関係を粗略にするな」という、チャ教授と同じロジックですね。


 彼らの警告は米国のアジア専門家2人が語っているというより、米政府が“最後通牒”を発したと韓国では受けとめられたようです。

 なお4月のオバマ訪韓も、この2人にアーミテージ元国務副長官を加えた3人がワシントンポストを通じ意見具申し、実現を後押ししました(。

 3人は「韓国が中国側に走りかけている。今、オバマ大統領が韓国へ行って引き止めるべきだ」と、共同論文の形で表明したのです。

 朴槿恵大統領はオバマ大統領と会談した際にも、近く会う習近平主席の顔色をうかがったのです。

 オバマ訪韓を後押しした3人組は面子を失ったのかもしれません。とすれば、個人的にも韓国に怒り出して当然です。

「統一」が最後の言い訳(抜粋)

チャ教授もグリーン准教授も「統一」をテーマに韓国に警告を発しています。なぜでしょうか。

鈴置:離米従中に対する韓国の言い訳が、今や「統一」に絞られてきたからでしょう。

 もう1つの言い訳は「日本が反省していないから」です。しかし、この強弁も米国の怒りを買ってしまい、ケリー国務長官やオバマ大統領から「歴史の棚上げ」を命じられてしまいました。

 そこで韓国は「統一のために、中国の言うことを聞かざるを得ない」という言い訳を多用するようになりました。これに対応してチャ教授らは「統一も言い訳には使うな」と言い渡したのでしょう。

米国は不要と言い出す韓国(抜粋)

「統一のために」という韓国の言い訳は真っ当なものですか。

鈴置:一見それらしいけれど、よく考えるとおかしな話なのです。韓国主導で統一するには、確かに中国とのいい関係が必要です。でも、それでは不十分です。米国との強い関係も不可欠なのです。

 

 だからチャ教授は「『離米従中』状態で統一すると、中国の属国に戻る形での『統一』になるぞ。それでいいのか」と韓国人に念を押した――覚悟を問うたのです。

裏切り者を見る米国の険しい目

そもそも、韓国人はどれほど本気で統一を願っているのでしょうか。

鈴置:ええ、そこがまず怪しいのです。各種の意識調査で「今すぐ統一すべきだ」と答える韓国人は、どんなに多くても20%程度なのですから。

 でも「統一は民族の願い」との建前が韓国にはあります。「本気で統一したいの?」などと外国人が聞くと怒り出しかねません。

 そこで米国のアジアハンズは「統一のための離米従中」という言い訳の論理的な弱点を指摘したのでしょう。

 韓国の露骨な「離米従中」に怒るのは、この2人だけではありません。7月の中韓首脳会談の後にワシントンを訪れた日本の安全保障専門家がいます。この人によると、米国の国防関係者の韓国を見る目が恐ろしく険しいものになっているそうです。

 韓国が「集団的自衛権」で中国と組んだことが米国にとっては衝撃だったのです。裏切り者たる韓国に今後、米国がどういう姿勢で臨むか、注視する必要があります。

 米国は朝鮮戦争で多くの若者の命を失いながら韓国を守りました。今も苦しい予算の中、韓国には陸軍まで置いています。韓国はそれだけ世話になりながら、自分の都合でいとも簡単に米国から中国への鞍替えを図っています。米国が怒るのは当然です。

提唱者が「二股をやめよう」

韓国は米国の怒りを分かっているのでしょうか?

鈴置:指導層の一部は気がつきました。例えば、朴槿恵政権に最も影響力のあるコラムニストと言われる、金大中(キム・デジュン)朝鮮日報顧問です。

 何と、二股外交の主唱者だった彼が「二股はやめよう」と言い出したのです。米国の怒りを知って180度軌道修正したと思われます。

 7月15日の「『丙子胡乱(ピョンジャ・ホラン)』を読んでいたら習近平が来た」(韓国語版)の骨子を以下に翻訳します。

  • 韓国は腹と背中に中国と日本という敵を抱える。これを牽制するには米国以外に突破口はない。
  • 中国、日本とは異なり、米国は我が国土を奪おうとしたことはない。その次元で、我々は善意を持って米国を利用すればいいのだ。
  • 我々は周辺の強大国の要求に従って中途半端に選択するという外交的な虚勢を張ってはならない。無能に見られるほどに、弱く振る舞ってみせねばならない。

 最後の部分は、はしょって書かれていて分かりにくい。解説しますと「中途半端」とは、米中双方から正反対の要求を突きつけられ、右往左往する韓国の現実を指すと思われます。

 「外交的虚勢」とは「米中等距離で両大国を操り、その力を利用して日本と北朝鮮を叩く」二股外交が虚勢に終わった――つまり、破綻したことを認めたのでしょう。

 「弱く振る舞う」とは、こざかしい二股外交で漁夫の利を得ようとするのはやめ、米国の側に戻って素直に言うことを聞こう、との呼び掛けと思います。

「二股」は洗練された外交

 ‐略‐

  • エープリル・フールの冗談(抜粋)

     要は、弱ってきた米国から昇り竜の中国に乗り換えよう、という主張でした。当時まで、金大中氏は親米保守の大御所的存在でした。だから「米国離れ」を訴えたこの記事は大きな驚きを呼びました

     2つの記事を合わせ読むと、1年と3カ月ばかりで韓国言論界の大物が、再び「中国から米国へ」と舵を180度戻したことがよく分かります。

    蟻地獄に落ちた韓国

    「二股外交」の勧進元が親米派に戻ったのなら、朴槿恵政権も外交を軌道修正するということでしょうか。

    鈴置:評論家が豹変するのはよくあることだし、簡単です。しかし、国家が外交政策を180度転換するのは極めて難しい。まず、中国が許さないでしょう。

     中国は朴槿恵政権の離米従中政策にきちんと応えています。習近平主席は、主席として史上初めて北朝鮮よりも先に韓国を訪問しました。安重根の記念館も朴槿恵大統領の注文に応じて造ってやりました。

     北朝鮮や日本との関係が悪化するリスクを中国は犯しているのです。得られるものを得た韓国に「やっぱり米国側に戻ります」と言われて「ああ、そうですか」と笑って見過ごすわけにはいかない。

     輸入規制や通貨スワップなどによる経済的嫌がらせから、軍事的な威嚇に至るまで、中国には韓国を苛める手段が山ほどあります。半面、韓国には対抗する術がまったくない。ここまで来て米国側に戻るというのは極めて難しいのです。

    ‐略‐

    韓国を心から愛するオバマ……

    朴槿恵大統領はどう考えているのでしょうか。

    鈴置:「米国に戻れない」2つ目の理由が大統領です。米国との関係悪化という極めて重大な情報が、大統領にきちんと上がっていないフシがあるのです。

     確かに、二股外交の提唱者である金大中顧問は、それを白紙撤回しました。しかし、まだ韓国紙には「米中を手玉に取り、それを背景に日本と北を叩く、天才的な朴槿恵外交」を褒めそやす記事も載っているのです。

    • 朝鮮半島の戦略的価値が上がる今、韓国の人気が冷めるとは思えない。米国と中国からのラブコールに、韓国は笑いをかみ殺すのが難しい。
    • 韓国を心の底から愛するオバマ大統領は4回も訪韓した。習近平主席の今回の訪韓で韓中関係も「成熟した戦略的協力パートナー関係」に格上げされた。

    内政で失敗続きの朴槿恵

    「米国からのラブコール」ですか……。

    鈴置:オバマ大統領の4回の訪韓のうち、2回はG20など国際会議に参加のためです。そして最後の1回は「離米従中を諌めるための旅」でした。「韓国を心から愛する」とはとても思えないのですが、まだ、こうした記事が韓国紙には載るのです。

    本気で書いているのでしょうか。

    鈴置:それは分かりません。しかし、少なくとも、朴槿恵大統領がそう考えている、またはそう信じたい、と筆者が見なしていることは間違いありません。

     多くの国民もそうです。「大国を操り、嫌いな日本を懲らしめる」朴槿恵外交に快哉を叫んできた人々は、この夢を信じ続けたいでしょう。

     ことに朴槿恵大統領は、内政で失点を重ねています。支持率を上げるには外交しかないのです。仮に「離米従中」を改めたくても「今までの外交は失敗だったので、全部やり直します」とは言えないのです。

     あるいは状況はもっと深刻化もしれません。朴槿恵大統領は「中国側に行く」決意を、すっかり固めているのかもしれません。

    日本の仮想敵国に

    日本政府はこの地殻変動に気がついているのでしょうか。

    鈴置:さすがに気がついたようです。政界関係者によると、安倍首相の周辺も「韓国が中国側へ行った時のことを考えねばならない」と言い出しているそうです。

     集団的自衛権に対する中韓の共同批判の前の話ですから、その後ますます韓国に対する疑いを強めているのは間違いありません。

     安倍首相が7月15日、国会答弁で「有事の際、在日米軍が韓国に出動するには日本の了解が要る」と語りました。「韓国がこちら側の国とはもう思っていないよ」とのメッセージです。

     韓国は米国との同盟を失えば、中国から属国として扱われるのは確実です。同時に、日本と米国からは仮想敵国と見なされるでしょう。

     米韓同盟が存在する今の段階で既に、中国に従い日米同盟の弱体化を画策しているのですから
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    もう属国地獄からは逃れられない。
    愚かなり!朴槿恵!愚かなり!韓国人!

    韓国の愚かしさにはつける薬もない。
    それは日本人としてはとっくに分かっていたこと。

    だから日本人としては
    それはそれなりに愚かだと分かってはいても、
    韓国が朝鮮自治区になることの厄介さより、
    韓国との絶縁を望んでしまう。

    望む限りは、
    「韓国が中国側へ行った時のことを考えねばならない」
    実際、済州島やプサンが中国の基地となり、
    日本海が危険な海になる覚悟が必要。

    ~*~*~

    既に韓国は日本の敵国であるのに、
    パソコンは持っていても情弱?は呑気にソウル旅行。

    はぁ?今どき韓国に行く?
    ご丁寧にも、土産は韓国海苔。

    「要らん!」とも言えず、捨ても出来ず。
    困った。。。まあ、食べるしかないか?