企業の倒産に伴う退職労働者に国が未払いの賃金を
立替払いする「未払賃金立替払制度」の2008年度下半期の
利用件数が、同上半期と比して37%増加しているそうです。
2008年度通年での支給者数は5万4,422人で、
総額は248億円(ともに前年比6%増)。
「未払賃金立替払制度」は、
企業倒産により賃金が支払われないまま
退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。
○ 立替払を受けることができるのは、次の要件を満たしている場合です。
(1) 使用者が、
① 1年以上事業活動を行っていたこと
② 倒産したこと
大きく分けて次の2つの場合があります。
イ 法律上の倒産
(①破産、②特別清算、③会社整理、④民事再生、⑤会社更生の場合)
この場合は、破産管財人等に倒産の事実等を証明してもらう必要があります。
必要な用紙は労働基準監督署に備え付けてあります。
ロ 事実上の倒産
(中小企業について、事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払能力がない場合)
この場合は、労働基準監督署長の認定が必要ですので、労働基準監督署に認定の申請を行って下さい。
(2) 労働者が、倒産について裁判所への申立て等(法律上の倒産の場合)
又は労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた
日の6か月前の日から2年の間に退職した者であること
○ 立替払の対象となる未払賃金は、労働者が退職した日の
6カ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している
定期賃金と退職手当のうち、未払となっているものです。
いわゆるボーナスは立替払の対象とはなりません。
また、未払賃金の総額が2万円未満の場合も対象とはなりません。
〔参考〕立替払の対象となる「未払賃金」の例
○ 立替払をする額は、未払賃金の額の8割です。
ただし、退職時の年齢に応じて88万円~296万円の範囲で上限が設けられています。
○ 立替払した場合は、独立行政法人労働者健康福祉機構が
その分の賃金債権を代位取得し、本来の支払責任者である使用者に求償します。