信州の櫻 38 シーズン2017
梓川小室 榑沼家墓地の枝垂桜
この櫻は、表通りから離れたところにあり、まだあまり知られていない枝垂桜で、濃紅色の花は周囲からひときわ目立つように私を迎えてくれた。
周囲には農家が数軒しかなく、人通りもほとんどない、おそらくまだ、あまり撮影されていない櫻だと思う。数年前にこのご近所の老人と話をしたときに、この櫻もだんだん弱ってきている。墓地の埋葬方法が変わって、養分が取れないからではないかと話していて、なるほどと思ったことがある。
西行法師の「花の元にてわれ死なむ」の通り人は死しても桜の花を咲かせるエネルギーになっていたことから、安曇野の民は、墓地に枝垂れ桜を植えて、毎年この季節に花を愛でながら個人をしのんで来たことだろう。
日本人が桜の花に特別な思いがあるように、安曇野の民には、枝垂れ桜は墓地に眠る人々の上に傘を広げるよう覆ってくれる特別な花であると思う。そんな思いに浸りながら、ひたすらシャッターを押し続けている。
(4月21日撮影)
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