外は雨が降り続いていた。自宅のない小鳩といおりょぎは、空き地の土管の中で雨宿りをしながら「雨でも小鳩は頑張ります。コンペイトウを増すんです。」コンペイトウを増やそうと意気込むが、天然なのか頭をぶつけてしまった。しかもビンを落としそうになり、足で泥をいおりょぎに掛けてしまった。「こ・ば・とてめえのせいで泥まみれじゃねえか。」怒りを買う結果となった。ドジで世間知らずな小鳩のコンペイトウ集めは、まだまだ始まったばかりだ!そんな時エプロン姿の清和が通りかかり「小鳩ちゃんおはよう。」声を掛けてきた。「先生、どこに行くんですか?」保育園ではない場所に向かっている。小鳩はどこに行くのか尋ねた。「小鳩ちゃん家は?」清花が自宅の所在を確かめたが、小鳩には家がない。そこでとあるアパートまで連れて行った。



 「私、ここに住んでいいんですか?」いきなり住んで良いと言われ、小鳩も驚きを隠せない。「別に良いのよ、小鳩ちゃんが気に入ってくれれば。」無条件で良いと清花は答えたが、身元もわからない女の子に紹介可能だということには理由があった。「紹介するわ、千歳は私の友達でこのアパートの管理人なの。」アパートの管理人三原千歳と清和は親友だったからだ。「名前は小鳩さんね、わからない事があったらなんでも言って下さい。」親友の紹介する女の子だからなのか千歳は初対面でも非常に親切だった。「優しそうな人です。」小鳩も好印象を持ち、自宅も決まり新たな生活が始まろうとしていた。(清花さんは人の心配ばかりしている。千歳さんはそう言ってましたが、単なるお節介なのか?それとも何か別の理由があるのか?あの保育園人が足りないし子供も少ないから裏がありそう。それにしても簡単に今アパート貸してくれませんよ。アニメらしいなあって思います。)



 ただ荷物はカバン1つということもあり千歳は、戸惑ったがとりあえず部屋まで案内される小鳩。またいおりょぎをほったらかしにして、奇麗な部屋に大興奮だった。「こ・ば・と俺を置いていきやがったなあ。俺はこっちじゃぬいぐるみなんだよ。」案の定いおりょぎに怒鳴られ、また怒られてしまった。更に保育園が開園する時間が近づき、小鳩は慌てて走り出した。その途中路地で、剣道の道具を持った高校生とぶつかった。「私は大丈夫、でもこの子が泥だらけになっちゃたね。でも拭いたからもう大丈夫、はいどうぞ。」ボーイッシュな格好でも、とても気の優しい女の子の名前は田所むつみ。泥だらけのいおりょぎを拭いてあげて高校へ向かった。「お前よりもよっぽど気が利くな。」いおりょぎの皮肉な言葉が飛び、小鳩は面白く無さそうな顔をした。しかし保育園では、子供達から好かれ一緒に掃除を手伝うと言われるほど。「こばとちゃん」と言われすっかり溶け込んでいた。「何もアパートまで世話しなくても。そうやって何回痛い目に遭っているんですか?今は誰に対しても警戒した方が良いです。」簡単に世話をしたり優しくする清花の態度を知り、清和は他人を信じず警戒しろと注意を促した。「そうね・・・・・・」小鳩は一生懸命やってくれるからと思ったが、何やら過去につらい経験をしたことが清花にはあるようで、ただ一言注意に対して頷いた。(他人に警戒しろって何か物騒ですね。あんな小鳩でも警戒しろって清和は言ってましたけど、それには深い事情がありそうです。清花さんの過去に何があったのか、とても傷付いている感じがして、話の中心になる気がします。)



 手伝いが終わりアパートに戻った小鳩。「雨、上がりましたね。明日は保育園お休みなので、コンペイトウ探し頑張りますよオー!」休みだからコンペイトウ探しに張り切っていた。しかし翌日はいきなり雨が降り出し、小鳩は雨宿りをすべく「チロル」という欧風菓子店の前に走ってきた。「濡れていくしかねえな。」小鳩は濡れていくしかないが、いおりょぎはポケットに隠れる。止みそうにない雨の中2人の性格が垣間見えた。困っていた小鳩の元に渡りに船か、チロルで働くパティシエの青年植田が外に出て来た。「傘持っていないんですか?だったら使ってください。差し上げますよこれお客様用ですし。」様子を見て小鳩にお客様用だからと、無条件に傘を貸してあげた。「ありがとうございます。また後で返しに来ます。」無条件で貸してくれた事を感謝しながら後で返すと約束した小鳩。それを聞き植田は「うん」と頷いた。「小鳩にしちゃあまともな対応だったな。じゃあこの調子で行くか。」常識的な対応をした小鳩をいおりょぎも認め、小鳩は癒されたい人の情報集めをしようとコンビニへ向かった。(善意で貸したのか?下心丸出しで貸したのか?本当に傷付いている人を見分けるのも小鳩のテーマかと。何だか全員が下心とか悪意を持っていると考えてしまうのはよくないですけど、そう考えざる終えないのが今の世の中。そんな世の中に対するアンチテーゼの気持ちもあるんじゃないかなと。傘をぱくるのが当たり前の世の中だから。)



 借りた傘は傘立てに入れ店内に入るが、見ず知らずの人間を見て誰が傷付いているか判るはずもなかった。「誰かが持って行ったんだろ?」盗まれたと思ったいおりょぎ。「そんなケーキ屋さんに貸してもらった傘なのに。」人を無条件に信じる小鳩は、勝手に持って行く行為が信じられない。「あれどうしたの?」偶然コンビニからむつみが出て来た。「あたしの傘貸してあげる。いいよ家はすぐそこだし。」小鳩が傘をなくした事を知り、家が近いから必要ないと告げむつみは傘を貸してあげた。そして同じ剣道部の桂木に冷やかされ、走って追い掛けて行った。「自分が濡れてしまうのに、傘を貸してくださる方もいらっしゃるんですね。」世の中にはいろいろな人間がいる。小鳩は実感し始めていた。翌朝小鳩は、千歳からほっぺに畳の跡が残ってると言われ顔を真っ赤にして保育園に向かった。その前に傘を返そうとむつみが通う高校の前で待った。