連邦政府が行う、カタロンを筆頭とする反政府勢力メンバー狩りが進み、山中に潜みひっそりと生活していたクラウス達にも刺客が襲い掛かった。目の前で人が殺され銃を持ち怯える子供を守ろうとしたマリナに危機が迫った。しかしクラウスがマシンガンで応戦し、シーリンに子供を逃すよう指示した。20世紀中に残された防空防を通り抜け、マリナに護身用の銃を渡すシーリン。それに対し子供達に正しい事を教えたいマリナ。首を横に振りあくまでも武器を持つ事を拒否した。



 同じ頃ヴェーダを奪還すべくイノベイター捕獲を目論むソレスタルビーイングと殲滅を狙うアロウズとの戦闘が始まった。ルイスを取り戻したい沙慈は、オーライザーに乗り込み必死でアヘッドを探した。その前にリヴァイヴのガデッサ、敵討ちに燃えるヒリングのガラッゾ。2人のイノベイターが襲い掛かった。それに対しガデッサにはセラヴィーが戦いを挑むよう仕向けると、ガラッゾに対してはトランザムライザーで一気に勝負を決めた。しかしアロウズも増援部隊を送り込み、隕石に偽装したアヘッド2機が、プトレマイオス2に迫って来た。



 そのアヘッドパイロットがアンドレイとルイスの2人。刹那と沙慈は状況を知ると急いでプトレマイオス2の支援に戻った。トランザムが発動しGN粒子が散布されると、再び戦うパイロット達の声が響き渡る。それによりアンドレイの所在を知り、セルゲイの敵を討とうと憎悪を燃やすソーマが、GNアーチャで単機アンドレイ迫った。一方最初制止しようとしたアレルヤだが、ハレルヤの人格に変わり敵を倒す事だけに執着し始めた。そしてついにダブルオーライザーの沙慈とアヘッドのルイスが、4年振りに戦場で再会した。



 2人で見た地球の光景をもう一度見ようと頑張って来た沙慈。女の子が戦うべきでなく、もう一度恋人同士の生活を始めようと訴えた。一方恒久平和を勝ち取るべくアロウズに身を捧げたと自負するルイス。両親の敵を討たなければならないと拒否した。しかし沙慈はずっとルイスと付き合い我侭・寂しがり・不器用な事など、性格をよく知っている事を告げた。心を打ち明けてこなかったルイスは、沙慈の言葉を聞き錯乱した。これで取り戻せるチャンスだと思った瞬間、アンドレイが立ちはだかった。更にはアンドレイを狙うソーマが迫り来る。カオスの状況になった戦場で、戦いから何も生み出せない、敵討ちをしても意味は無いと必死で訴えた沙慈。これで戦いは終結しアンドレイはルイスを連れ帰還。沙慈の名前を叫ぶ姿に断ち切れない思いを感じ、自分が理想を成し遂げると決意した。



 一方ガデッサの接近戦の弱さを利用し、くっ付いたセラヴィー。手と足からビームサーベルを突き刺し破壊。更にコアブロックで逃げようとしたリヴァイヴをセラフィムの超高速スピードで捕獲に成功した。プトレマイオス2では、帰還した沙慈がルイスを取り戻す戦いをすると決めるその影でイノベイターの素顔が明らかになった。リヴァイヴの顔を見て、アニューの顔がうかんだライル。それもそのはずアニューは、リヴァイヴと対となるイノベイターだった。そしてついに真の姿を現すといきなり注意したラッセに発砲した。これはダブルオーガンダムを手に入れようと企む、リボンズの狙い通りの展開。不穏な行動をあえて見過ごして来たリジェネに対し、制裁を加え最後通告をした。そしてプトレマイオス2に向かっていた留美は、使えていたネーナに裏切られ兄紅龍と共に宇宙の塵となった。望んでいた世界の変革を見る事無く。



「ヴェーダの所在?僕には分かりかねますが。仮に所在を知っていたとして、あなた方はヴェーダをどうなさるおつもりで?本来ヴェーダは、僕達が使う為に作られたんですよ。」本来自分達が使う用途のヴェーダの所在を分からないと答え、使用目的を逆質問したリヴァイヴ。「だったら聞かせて?あなた達が計画を立案した真意は?」答えを得られず、ヴェーダによる真の狙いを尋ねたスメラギ。「来るべき対話の為です。分からないのは人間の限界です。」計画の最終段階だけを話したが、それでは到底話が見えて来ない。考えられないのは限界だとこき下ろした。「俺には到底万能には見えねえがな。」捕まるイノベイターは、上位種ではないと反論したライル。しかしリヴァイヴは不敵な笑みを浮かべ「わざとだとしたら?」意図的に捕まった事を示唆した。



 わざとという意味は、直ぐに明らかになった。フェルトからラッセが撃たれ重傷を負い、イノベイターの意識を取り戻したアニューが、ミレイナを人質に取りダブルオーガンダム奪取を狙っている情報が伝えられた。これで捕えられたリヴァイヴとスメラギ達の立場が逆転した。「わかっていますか?僕に何かあれば、人質の命は保障出来ません。僕達は思考を共有し合えるんですよ。」脳量子波を使ってコミュニケーション可能で、万が一の場合もありうると脅すリヴァイヴ。堂々と捕えられた部屋から出て行った。「アニュー後は手筈通りに。」リヴァイヴからアニューに指示が飛ぶと同時にプトレマイオス2のシステムがダウン。完全に航行不能状態に陥った。(アニューは最初からこうなるのを待って潜入したのか?しかしライルと恋に落ちてしまった。どっちもかなり熱くなっているし、互いの事を意識し合わなければいいとここでは思いました。しかしイノベイター流石に頭が切れます。ピンチをチャンスに変えちゃいました。)



 一方ミレイナを人質に取ったアニュー。ダブルオーを発進させようと、銃でミレイナを脅し準備を整えた。思惑通りダブルオーガンダムに向かう2人。「ここから先は通さん。脳量子波が使えるのは自分だけだと思うな。」超兵であるソーマが、銃を向け立ちはだかった。同じ頃システムがウイルスに侵され、電気も使えない状況下のスメラギ達もアニューを追い始めた。「こっちだ!」アニューを探そうとするライルを導く刹那。今は刹那を頼るしか他なく、ライルも追いかけると、イノベイターが全ての元凶だと見抜いたソーマの元に辿り着いた。「銃を降ろせアニュー。俺を置いて行くなよ。」アニューに付いて行く意志を示すライル。「私に付いて来る?世界の変革が見られるわよ。」ライルの言葉を聞き、味方に引き入れようと誘うアニュー。「オーライ乗ったぜその話!じゃあケルディムも付けてやるよ。刹那今まで世話になったな。」恋人に付き添い仲間を目の前に公然と裏切ろうとした。「そうかわかった!」ライルの意志を知り発砲した刹那。弾はライルに当たるが、動揺したアニューからミレイナ奪還に成功した。(ライル女を取ると思いましたけど、ちゃんと意志は分かっていたんですね。これはマイスターの脳量子歯って事でしょうか?C級脳量子波使いのソーマさんは、単なる足止め要員になっちゃいましたけど。)



 しかしアニューは混乱に乗じて小型艇で脱出を試み、リヴァイヴは抵抗するイアンを吹き飛ばしオーライザーを奪取した。前後両方向のハッチが開けられ、イノベイターの2人は脱出を開始した。「ロックオン、悪いがオーライザーの奪還を優先する。」最優先事項を伝えダブルオーとケルティムが後を追った。ケルディムのトランザムを利用し、あっという間に追いつくとリヴァイヴのオーライザに銃を向けた。「こいつを傷つける気かい?」刹那を挑発するリヴァイヴ。「俺達には、優れた戦術予報士が居る!」スメラギの戦術プランは、ハロのナビゲートによるダブルオーライザーへのドッキング。必死で抵抗するリヴァイヴだが、システムが一体化しもう手出しが出来なかった。「オーライザーは諦めるよ。でも手土産ぐらいは欲しいな。」マシンガンでオーライザーのコックピットを乱射したリヴァイヴ。迎えに来たアニューの小型船に乗り込み逃亡を図った。「アニューか?戻れアニュー・リターナー!」動けないダブルオーライザーに代わって、小型艇を狙い撃とうとしたライル。「撃てよ!狙い撃てよ!俺は何の為にカタロンにソレスタルビーイングに居るんだ。」恋か目的か悩みながら、自分の心と葛藤するライル。しかし選んだ決断は、アニューへの恋だった。「何て情けない男だ、ライル・ディランディ。お前の覚悟はこんなもんか?」責任を旗ゼ無かった自分を責め、コックピットに悔しさをぶつけた。「本当は愛しているのよライル。」イノベイターの目的とライルへの恋。ケルディムを見つめるアニューもまた苦悩していた。(人種が違いすぎるとこういう事になってしまうんですよね。戦争映画とかでも敵味方同士で恋に落ちると悲劇的な結末になる事が多いです。私はライルは撃てないと思いました。もし撃っているなら、もう撃っているはずです。自分が情けないと嘆いていましたけど、同じ状況なら撃てないのが普通じゃないかなって個人的には考えます。)



 リボンズはアロウズの艦隊にいるルイスを訪ねた。「君の体を蝕む細胞異常を抑制する薬を与えたのは何故だか分かるかい?君が求めたからだよ。紛争の無い統一世界を実現する為。ご両親の敵ガンダムを討つ為。僕は君に期待している。このレグナントだって、君の為に持って来たんだ。人類初のイノベイターとなって、人類を導いて欲しい。」沙慈との邂逅の後動揺するルイスに対し、新たなモビルアーマーを提供。薬を提供する理由を改めて示し、支配下に置き続けようとした。「分かったわアルマーク!」脳量子波を感じながら意図を理解したルイス。再びガンダムを倒すべく、新たな力で挑もうとした。一方システムがダウンしたプトレマイオス2では、急ピッチでウイルス除去が完了した。しかしシステム再構築に時間が掛かり、持ち出された情報もあり事態は深刻だった。「ミレイナ今は作業に集中して。イアンオーライザーの修理状況は?」アニューを心配するミレイナを集中させ、イアンにオーライザーの現状を尋ねたスメラギ。「コックピットは修理した。だがライザーシステムの調整に時間が掛かる。ダブルオーは出せんぞ!」攻撃から守る為に必要なダブルオーが、使用不能だとイアンから伝えられた。(ラッセさんは無事でしたが、こんな事になったのは、イノベイターには計算通りでしょう。ただリボンズは、イノベイターとなって欲しいなんて言ってましたけど、ルイスは利用するだけの存在にしか見えない。もし用済みなら留美みたいに、あっさりさようならってやっちゃうかも。それだけは勘弁して欲しいです。)



 ライルはアニューが裏切った理由が分からず苛立っていた。「彼女は戦場に出てくるぞ。この機会を逃すとは思えない。」戦う事になると告げた刹那。「分かっているさ!相手はイノベイター、やるべき事はわかっている!トリガーぐらい引いてやる。」頭では戦う宿命を理解するライル。敵に対して攻撃すると息巻いた。「強がるな!もしもの時は俺が引く。その時は俺を恨めばいい。」刹那にはライルの気持ちは分かっていた。だからアニューを撃つ事なれば、自分が攻撃を代わると言い出した。「格好付けるなこのガキが!」自分の心を見透かされた刹那に苛立つライル。「お前には戦う理由が無い。戦わない理由の方が大きいんだ。」刹那にとっては、アニューはイノベイターの1人。しかしライルには、戦えない理由の方が大きい存在だと示唆した。ティエリアもスメラギからプトレマイオス2を守るように言われ、セラヴィーに搭乗を開始した。そしてアニューへの思いを胸に秘めライルもケルディムに向かった。ダブルオーが稼動しない中、3機のガンダムで近づいてくるイノベイター達を迎え撃つ!(刹那も男心を理解してますね。ライルが愛する人を撃てない事を分かった上で、自分を恨めなんて敵役を買って出たのは凄いと思いました。年下の人間に心を読まれたライルは、面白くない感ありありでしたけど。今はアニューと戦いたくない思いが一杯じゃないですか?)



 攻めて来るイノベイターは、ヒリング・リヴァイヴの他に新型モビルスーツで出撃したアニューも含まれていた。全てはダブルオーを鹵獲する為に。「ハレヴィー准尉新造されたレグナント。初陣とはいえ期待してますよ。」リヴァイヴは共に作戦遂行するルイスにエールを送った。それに応えるかのように先制攻撃を仕掛けたレグナント。攻撃を避けるガンダム3機だが、粒子ビームが曲がりコントロールされた攻撃が襲い掛かった。「どこだ、どこにいるアニュー?」攻撃を守りながらアニューの機体を探すライル。「興奮しないでライル。いい男が台無しよ。」必死に探すライルをあざ笑うかのように、アニューのモビルスーグが攻撃を仕掛けて来た。「あははは劇的な再会よね。愛した女がイノベイターで自らの敵。まさに命懸けの恋よね。」恋する2人が戦う事を嘲笑するヒリング。その言葉はスメラギを激怒させた。(許せないですねヒリングの言葉は。戦いたくないライルをバカにする言動は最低です。こいつ早く駆逐されないかな!切捨てごめんでもいいですが、本当に悪趣味だなって思いました。)



 しかし今のライルにはアニューの姿しか見えておらず、激しい戦いを繰り広げた。ケルディムに近づこうアリオスだが、激しい攻撃で中々救援に入れない。「アニューが一機連れて行った。後はこっちで!」思い通りの展開になり、レグナントを前面に押し出しガンダムの壁を突破しようとするイノベイター。「突破口を開く!高濃度圧縮粒子完全解放。」ハイパーバーストのGNバズーカで、活路を見出そうとするティエリア。しかしレグナントのGNフィールドには通用せず、逆にアリオスが被弾してしまった。ケルディムがアニューに引きずられて戦闘宙域を離脱する状況で、頼みの綱はダブルオーライザーのみ。「駄目だまだ時間が掛かる。」イアンの修理には、まだ時間を要し発進は出来ない。刹那はコックピットの中でライルを気遣った。そのライルは、ファングの攻撃をシールドビッドで応戦。何とかアニューのモビルスーツに取り付いた。「何故俺達が戦わなければならない?俺達は分かり合っていたはずだ。」分かり合う恋人同士が戦う理由を問いただすライル。「あなたが人間で私がイノベイターだからよ。私達は偽りの世界で愛し合っていたのよ。」人種の違いと今までの愛は嘘だったと告げるアニュー。嘘だと知り怒るライルは、トランザムを発動。シールドビットで攻撃を仕掛け、アニューを追い詰めた。(アニュー真意はイノベイターなのか人間なのか分かりません。愛していると独り言で言ったり、ライルの前では嘘の愛と言ったり。果たしてどっちなのか?イノベイターだとしたら、裏切った報いを受けさせるべきじゃないですか。)



 しかしライルはアニューを殺そうとせず「決まっているだろう!もう一度俺の女にする。欲しいものは奪う。例えお前がイノベイターだとしても。」コックピットをこじ開け。恋人を取り戻そうとする道を選択した。「アニュー戻って来い!」手を差し伸べるライルの言葉。その言葉に感銘し、ライルに近づこうとした。しかし上位種であるイノベイターリーダーリボンズにとって、人間と同等に見られるのは屈辱だった。「イノベイターは人類を導く者。上位種であり絶対者。人間と同じに見られるなんて我慢なら無いな。見せ付けてあげるよ力の差を。」リボンズの脳量子波を受け人が変わったように、イノベイターとしての自我が復活アニュー。容赦ないファングの洗礼を浴びせ、ケルディムを戦闘不能寸前まで追い込んだ。「止めろアニュー!」ライルの悲痛な叫びが木霊す中、ついに止めを刺そうと刃を向けた。その時背後からダブルオーライザーが、アニューのモビルスーツに攻撃をした。ヘルメットが割れ時が止まったような静寂が訪れ、ライルとアニューは再び言葉を交わした。(リボンズは酷い奴だな。人の恋路を邪魔してアニューの心を捻じ曲げて攻撃させるなんて。リヴァイヴ・アニューコンビは、ちゃんと人の心が判る良識あるイノベイターなのに。まあ刹那の攻撃はしょうがないです。戦闘前にあれだけ言ってるのだからあっそういえばピンチだったプトレマイオス2は、ダブルオーライザーが守ってくれたという事ですね。まあどっちにしろ刹那は、アニューを殺すつもりだったはずですがね。)



 「ライル私イノベイターでよかった。そうじゃなかったらあなたに会えなかった。この世界のどこかですれ違ったままだった。あなたが居ないと生きている張りが無いわ。私達分かり合えていたよね?」人種は違ってもライルに出会えた事で恋をし、それが生き甲斐になっていた本当の心を明かしたアニュー。「分かり合えていたとも!」ライルもアニューの言葉に応えた。「よかった!」恋人の真意を確かめ安堵の表情を見せながら、モビルスーツは爆発した。立場を超え愛し合った2人の恋は悲劇的な幕切れだった。「貴様が!貴様がアニューを。あいつは戻ろうとしていた。人間として戻ろうとしていた。貴様のせいで・・・・・・」殺した恨みを抱き一方的に刹那を殴りつけるライル。刹那は言った通り恨みを自分1人で受け止め、悲しみを流すライルを抱かかえた。「分かり合っているのにどうして?いつか僕もルイスを・・・・・」立場の違いで悲劇的な最後を迎える事を知った沙慈。いつか自分もルイスに引き金を引くかもしれないと考えた。(刹那の対応は布石を打ったしょうがないと思いました。ライルも本当に恨んでいるなら殺しているはずです。でもこれは戦争が産んだ悲劇。時代が違えば幸せなカップルになっていたと思います。あの歌の締めは無いと思いますけど、ライルとアニューのすれ違いと理解しあう姿がよりつらさを引き立ててました。)