一大イベント体育祭が終わり2年生の福沢祐巳・藤堂志摩子・島津由乃がイタリアへの修学旅行修学旅行へ旅立つ前、祐巳のスールである小笠原祥子(ロサ・キネンシス)が薔薇の舘での昼食時「そうそう学園祭の劇だけど、今年はとりかえばや物語をやります。」劇の演題を1人で

発表した。微妙なリアクションを取る由乃。声をそろえて見つめ合うのは、志摩子と妹の1年生二条乃梨子。「確かそっくりの弟と妹が入れ替わる話で・・・・えっ。」とりかえばや物語の本を呼んだ事を尋ねられた祐巳。話の内容を思い出し弟祐麒が頭に浮かび、思わずドキッとした。「お気の毒に。決まりでしょう。」ピッタリの姉と弟役が決まりだと肩を叩いた由乃。「そういう事だから

覚悟を決めてね祐巳。」祥子も祐巳と祐麒が役をやる事になると腹を据えるように返答した。(祐巳ちゃんのリアクション5年前と全く変化なし。百面相も健在です。祥子様は仕組んだとしか考えられない演目。花寺学院も絡むので、この演劇上手く行くかどうか?)



 演題が決まりリリアンと手伝いに来る花寺の両生徒が集まり、衣装のサイズ合わせが行われた。花寺の生徒会長を務める祐麒は、女装に着替えていかにもやりたくない様子で溜め息をついた。「あらこれはこれは。」更衣室に入って来た祥子とロサ・フェティダの支倉玲は、祐麒の姿を見て感心した。志摩子と由乃もあまりにそっくりな2人を見て、すっかり驚きの様子。男装の祐巳

が部屋に入り、2人で並ぶとこれ以上ないぐらいお似合いで拍手された。「この間違い探しにどんな意味があるんですか?」祐巳に憧れる1年生の細川可南子が、乃梨子と祥子の親戚である松平瞳子と一緒に来て、嫌悪感溢れる言葉を浴びせた。一応空気が悪くなると察した祐巳が、フォローするように花寺のメンバーに瞳子と可南子を紹介した。実は可南子が嫌悪感を示したのは

男子生徒が嫌いだから。「男なんて最低の生き物です。祐巳様はいつまでも天使のようにいて下さい。」花寺の学園祭を手伝った時、父親さえも嫌う痛烈な言葉を祐巳に浴びせていた。(可南子と瞳子のフォローがちゃんと出来てますね。これなら今期から見た人でもよく分かります。マリみては、きちんとそういう所がわかりやすいから気が利いてます。)



 それ以来2人の間に溝が出来、劇を手伝う事で関係を再構築しようと考えた祐巳。しかし再び

弟ながら男性が現れ、再び嫌悪をあらわにした可南子。一応写真部のエース武嶋蔦子が撮影する記念撮影には来てとりあえず参加する意志は示した。「この中でご自分の台詞を全て覚えて

しまった方?」唐突に質問した祥子。質問に対して暗記した生徒達は挙手した。「申し訳ないのですけど、頭に入った台詞全部わすれていただきます。男女の配役を全て入れ替えます。主役だけではなく全員が、二重のとりかえばやになっているのをやりたいの。」台本はそのままで男子が女子役女子が男子役を担当して、全ての配役がとりかえばやになっている舞台をやろうと

提案したのだった。有栖川と瞳子は違う性別の役を演じられ大満足。「祐麒さん大丈夫かしら?」意思確認をした祥子の質問。それに対して中途半端に反応した祐麒。「ロサ・キネンシス

一応祐巳様にも確認した方が。」意思確認をするよう求めた乃梨子。「大丈夫よ!祐巳なら出来るわ。」輝くばかりの笑顔で意志を確認せず、出来ると断言した祥子。「勿論やります!」祥子に

断言されすっかりその気になった祐巳。ガッツポーズで男役を引き受けた。(あーあまた祥子様に魅せられて、安受け合いしちゃいました祐巳ちゃん。これがトラブルの元にならなければいいのですけど。祥子様に言われちゃったらどうしようもないですかね。)



 男女入れ替わり仕切り直しをして、再び稽古が始まった。「志摩子男役なんだから、もっとキリっとして。昌光さん・朋光さんは女役なんだから、仁王立ちしないの。」早速厳しい注文をつけ始めた祥子。それでも薬師寺兄弟のごつい身体から想像も付かないお色気ぶりに、祐巳や由乃は

笑をこらえられなかった。「可南子ちゃんもう少し嬉しそうに言えないかしら?もう少し笑顔で。」

余り乗り気ではない可南子にも祥子の要求が飛んだ。一応笑顔を見せて、男らしく演じて見せたが本当に表情が晴れやかという訳ではなかった。「もう一年になるね。学園祭の夜って、祥子様とスールになった記念日でしょう?何かやるの祥子様にうーんとおねだりしたら?」紆余曲折があってロザリオの交換をした祐巳と祥子。練習が終わり由乃と志摩子から、祥子に記念のおねだりをしたらどうかと進言された。「素敵な記念日って何?何をしてもらったら、忘れられない1日になるんだろう。」おねだりするのも難しい祐巳。現状では記念日に何があったらいいのか見当も付かなかった。(祥子様におねだりって怖いなあ。でも1年間で2人の気持ちは、かなりシンクロしているのだから。祥子様もちゃんと考えていると思いますよ。スールとしての2人の気持ちを再確認するだけでいいのでは?)



 「私やりたくないです。劇には出たくありません、男子と顔を会わせるのも苦痛なのに男役だなんて。」薔薇の館に手伝いに来ていた可南子。一緒にカップを洗っていた祐巳に本心を告げた。

「手伝いで劇に引き入れたのは私なのに。私は可南子ちゃんに劇に出てもらいたい。今ここで辞めてしまったら、私の中にも悔いが残る気がするの。約束してくれたじゃない学園祭を手伝うって。」学園祭を手伝うと約束して引き入れた祐巳。しかしここで辞められたら、折角引き入れた自分に悔いが残ると感じ、何とか踏みとどまって欲しい願望を告げた。「約束だなんて・・・・」憧れの人と約束したが、可南子には男と一緒にいる苦痛がつらかった。せっかくの祥子とスールになって1周年なのに思い通りにならない現状。更に祐巳の悩みが増える事態が発生した。(男嫌いな可南子は、祐巳の言葉に従わなかった。確かに薬師寺兄弟はキモい。しかし男全員に嫌悪感を抱いている可南子にはそういう問題ではなかった。どうやって祐巳は引き戻す?)



 「えっ瞳子ちゃんが、演劇部の舞台を降板?」乃梨子からの情報で聞いたのは、瞳子が所属している演劇部の舞台を降板した事。「山百合会の劇に参加する事と関係がないとは言えないと思うんです。」降板の原因が、山百合会の劇と関係があると推理した乃梨子。そのまま祐巳と一緒に薔薇の館に向かうと、そこには令にお茶を出す瞳子の姿があった。「瞳子ちゃん今日は演劇部の方じゃなかった?」演劇部の練習日ではないかと尋ねた令。「あちらの方は、順調に行っているので、臨時にお休みを貰ったんです。」機嫌よく笑顔で返答した瞳子。「順調とは羨ましいわね。お茶を飲んだら私達も稽古よ。演劇部には、負けていられないわ。」何も知らない祥子が、様子を聞いて気合を入れなおした。「機嫌が良いのは、から元気かやけっぱちのどっちかだとおもうんだけど。でも瞳子ちゃんは、間違いなく才能はある女優なんだけど、とてつもなく嘘つきだ。」練習を見ながら瞳子は、才能ある女優であり嘘で誤魔化していると考えた祐巳。1年生が練習が終わり立ち去った後、祥子に事情を説明した。(釘宮理恵ちゃんの凛とした男ボイス格好よかったなあ。ツンデレばっかりだと思っていたけど、こういう役も出来れば幅広がりますよ。ただ瞳子は結構気難しいからなあ、きっとトラブルを起こしたのではと思いました。)



 「考える余地が在る?瞳子ちゃんにとって、大切なのはどちらだと思う?」話を聞いた上で、瞳子にとって大切なのは、演劇部か山百合会か答えは明確だと意見した祥子。「誰にも相談無しで演劇部の舞台を降板したんでしょ?だったら自分で考えて、落とし前を付けるのが筋ってもんじゃないですか。」瞳子が勝手に降板したのだから、自分の判断で決めるべきだと主張したのは

由乃。「私も両立が不可能ならば、瞳子ちゃんを演劇部にお返しした方が良いと思います。何といっても正規の部員なのですし。」1人で決断させるのは酷だと思った、祥子から意見を求められた志摩子。瞳子は籍のある演劇部の活動に集中させるべきだと答えた。「祐巳、瞳子ちゃんには

あなたからお言いなさい。山百合会の芝居を降りて、演劇部の芝居に戻るように。」まとまった

意見を祐巳が伝える事を命じた祥子。「分かりました!」それを了承すると、何も知らない瞳子が

向かう薔薇の館の扉の前で待ち構えた。



 「祐巳様何故通せんぼなんてしてるんでしょう?今日は部活はお休みです。」立ちはだかる祐巳を疑問に思いながらも当たり前の顔でドアノブに手を伸ばした。「演劇部の活動スケジュールよ。今日は体育館で練習する予定でしょう?」スケジュール表を見せて、瞳子が嘘を付いている

事を暴いた祐巳。これ以上休みが続けば、演劇部に戻れなくなると心配した。「私だけがお休みです。それでいいですか?何かつまんなくなっただけなんです。」つまらないから抜け出し、自分だけ休みになったと言い訳した瞳子。「嘘つきね。瞳子ちゃん演劇部がつまらなくなったなんて

嘘でしょ?一体何があったの」すぐに嘘だと見抜き、理由を聞きだそうとした祐巳。「レベルが低いんです。ちょっと噛んだぐらいで、ここぞとばかりに攻撃して来る。まあ1年生で大きな役を貰ったんでひがまれるのは仕方ないんです。私若草物語のエイミー役立ったんです。1人ねちねちしつこい先輩がいて、難癖を付けて来ました。それであなたがやればと言ってしまって。そのまま

稽古場を飛び出して、どうなったか分かりません。」才能ある瞳子はねたまれ、先輩から難癖つけられた。せっかく貰った主役だったが、先輩の態度にキレてそのまま投げ出してしまった。(瞳子は才能があるからねたまれる。それは平等ではないから仕方がない。どんな世界でもねたみやっかみというのはあります。しかし山百合会のメンバーは、瞳子を受け入れてくれる。だからそこに居場所を見つけたというのはよくわかります。)



 「瞳子ちゃん、ロサキネンシス達は演劇部に戻った方が良いって。私は来てくれて凄く感謝しているの。でも演劇部に支障をきたすのなら、やっぱり問題だと思う。」祥子達の意見を伝えた上で

感謝しながらも、大切なのは演劇部で戻った方が良いと意志を伝えた祐巳。「奇麗事なら聞きたくありません。私は祐巳様のそういう良い子ちゃんみたいな所を見ていると腹が立つんです。言葉を選ばずクビって言えば良いじゃないですか。」先輩に対しても決して引かず、祐巳の相手を傷つけないような言葉が、逆に瞳子の逆鱗に触れた。「それじゃ解決しないって分かった。今から演劇部に行こう。私付いて行ってあげるよ。それでエイミー役をやらせてもらうように頼んでみようよ。だって瞳子ちゃんを使わないなんて、リリアン演劇部にとって大きな損失だよ。まずは演劇部優先ね。とりかえばやの方は、家に来て練習したら。ちょうど祐麒もいるし。」ただ辞めさせるだけなら簡単。しかしそれでは根本的な解決にならない。そこで2人で頭を下げて、舞台に復帰出来るようにして、山百合会の劇にも参加可能にする為に力を貸すと提案した祐巳。余計なお世話とばかりに知らん顔の瞳子の手を握った。「また無防備な笑顔をして。手を離して下さい。喧嘩して親に仲直りする子供じゃあるまいし。お邪魔もしませんし、演劇部には自分1人で行きますから。」祐巳の笑顔を見て否定的になった瞳子。意地を張りその場を立ち去った。(やっぱりツンデレだわ。瞳子も祐巳の意図を分かっている。優しさもちゃんと理解している。しかしそれを素直に受け容れられない。だからスールみたいな関係なんだけど、きちんと形にならないんです。)



 「まったくあなたって娘は。でも多分あなたは、瞳子ちゃんの為に一番言い選択をしたのよ。」

瞳子が立ち去った後、祥子達が薔薇の館から出て来た。説得出来なかった事を謝罪した祐巳

だったが、祥子は瞳子の為の選択を認めた。他のメンバー達もその意見に同調して、祐巳に向かって頷き一応問題解決へ一歩前進した。そしていよいよ学園祭の準備が始まり、翌日がついに本番という事になった。学園祭には先代の薔薇様水野蓉子・鳥居江利子・佐藤聖の3人も久し振りに顔を見せる予定。祐巳は、まだ祥子との記念日に何をするか考えておらず、ラストの稽古中もその事を考えていた。(やっぱりマリみては面白いです。単純にお嬢様アニメじゃなくて、登場キャラクターの個性が引き立ち、性格もまちまちです。サブキャラも個性的だから、話がどうなるか読めない。そこがこのアニメの魅力だと考えます。)