悠二は鍛錬の成果で存在の力を使いこなせるようになって来た。そして次の段階である自在法の構築の段階に移った。最初は上手く行かなかったものの、何とか封絶を成功させた。その時銀色に輝く炎が悠二の周辺を覆った。「悠二その炎の色?」シャナが炎の色を指摘すると

初めてその色に気付いた悠二は、かつて「銀を追うな、追うだけ無駄だ。」という屍拾いラミーの

言葉を思い出した。銀はマージョリーが敵として追う因縁の徒であり、何故自分の炎の色が銀色であるのかという事は、悠二は無論シャナもわからなかった。ただ存在自体に特別変化が

無いが、アラストールは「決して弔詞の詠み手に知られてはならぬ。」と存在の力を使う事を

避け、マージョリーに知られない様に注意を促した。「トーチ・ミステス今度は銀か。」悠二は自分の存在についてまた考える様になってしまった。

 翌朝1人で登校する悠二は、途中で史菜のお世話係の真竹と近衛邸前で会うと、史菜が少し

具合が悪いという事を教えられた。ただ執事が後から学校まで史菜を送る事を真竹は聞いて

いたので2人は先に学校に登校した。(怪しいブレスレットをしている2人、史菜はヘカテーで

ある事をやっぱり隠していると思いました

 御崎高校では学園祭「清秋祭」が開催まで後20日と迫り、悠二やシャナ達のクラスでは

模擬店のクレープ屋と研究発表として「御崎市の歴史」を行う事をホームルームで話し合って

いると史菜の乗る巨大なリムジンが到着し、執事と共に教室に入って来た。「ご心配をお掛け

してすみませんでした。」謝る史菜に、速人が今清秋祭の話し合いをしている状況を説明すると

悠二達は、1年生が行う開会パレードでの仮装の配役のくじ引きをしていた。テーマはオズの

魔法使い・ロミオとジュリエット!そしてクラス代表として史菜も選ばれている事を、副委員長の

藤田晴美から教えられた。参加メンバーはいつものメンバーで、ロミオ役には悠二が選ばれて

いた。実は史菜のパレード参加は、真竹が独断で推薦した事であったが、史菜は2つ返事で

参加を承諾した。(悠二が参加してなかったら、絶対やらなかったと思います)

 残りの役は、ドロシー役と魔法使い役とジュリエット役でそれをシャナ・一美・史菜の3人の

抽選で決定する。ジュリエットはロミオの隣に立つ役であるので、シャナと一美はそれを意識

しながらくじを引いた!(さあ誰が悠二の相手役になるのか。こういう時史菜に決定するのが

お約束であるのが定石ですが)結果一美がジュリエット役に決まり、シャナと史菜はそれぞれ

ドロシー役・魔法使い役に決定した。「おめでとう一美!」クラスメイトから祝福される一美、女子

生徒達は3人が悠二を巡る争奪戦を展開している事を知っていた。勿論嬉しいという気持ちは

変わりがないのだが「それだけではもう駄目。」一美は悠二との関係がもっと深くなる必要が

あると思っていた。一方シャナは、ライバルがジュリエット役に選ばれても嫉妬心を燃やさない

様になった。それはシャナにとって、悠二との関係においてはより深くなりたいという気持ちが

の裏返しであった。(でもクラスメイトはゆかりちゃんじゃなくてシャナちゃんと呼ぶのか?)

 放課後悠二は仮装の生地の協力を千草に電話で相談すると、OKの返事が出てそれを一緒に掃除をしていた真竹に教えた。そこに一美がやって来て、準備で家に戻れない悠二の代わり

としてシャナと2人で取りに行く事を申し出た。(真竹ちゃんは、ずぼらに見えて結構鋭い)「悠ちゃんがロミオあんまり似合わないわね。」千草は笑いながら悠二の性格からロミオは似合わ

ないと考えた。シャナはジュリエットが死んだと勘違いして死んだロミオが、悠二と同じぐらい

間抜けだと思い逆にぴったりだと主張!しかし一美はロミオの後を追ってジュリエットが自殺

するエピソードを話した。(互いの考え方の違いが明確ですが、一美は意外と黒いかも)

 「好きになるって単純にその人に近づきたいって事でしょ。」千草が2人言うと、シャナと一美は

互いに悠二に近づきたい気持ちがあるのだが、それでも何か見えない壁がある事を認識して

いた。2人のもどかしい気持ちを聞いた千草は「もし好きになって近づきたければ、それは気持ちが教えてくれる。」とアドバイスした。(互いの気持ちをあわせる事が大切なんですよ)

 夕方になり坂井家から帰宅しようとしたシャナは、一緒に歩いている一美に「後ろから誰かが

付けている。」と教えた。それは朝から坂井家の近くで隠れていた男!正体を確かめる為2人は

急に走り出した。男は2人を追いかけて走り出すが、途中で見失う。隠れていた2人は逆に

男の正体を暴く為に後ろから付いて行くと、男は再び坂井家に戻ろうとした。すると悠二が学校から帰宅する途中男と鉢合わせになった所で、先回りしたシャナに強烈な蹴りを見舞うが寸前で交わす男を問いただした。「父さん何してるの?」悠二が言うと、男は自分を坂井貫太郎と

名乗った。(貫太郎さんは、おそらくは刑事か探偵でしょう。あのシャナの蹴りを避けたから)

 夜になり自宅に帰った貫太郎は、ちょっとした悪戯心で坂井家の様子を窺ったり、シャナ達を

付けまわしたりする人物で、千草はあきれた様子でお礼に夕飯をシャナと一美に振る舞う。坂井家では大皿に料理を盛り付け、自分で取って食べるのがルールでわいわいと話しながら食事を

するのである。「お2人ともとてもお若いのですね。」一美は貫太郎と千草がとても若く見えたが

その理由は2人が学生結婚をしたから。(年齢は不詳という事です。千草が怒るそうですから)

 食事が終わった後悠二は、後片付けの手伝いをしていた。その間シャナと一美は、貫太郎に

「本当に近くにいたい時は、気持ちはどうしたらいいか?」という恋愛相談をしていた。千草の

言った言葉であると知った貫太郎は感心していると、若くして結婚した頃のエピソードを話し

始めると、千草は不安定だった自分の気持ちをしっかりと支えてくれた事を教えた「手を伸ば

せば、ある程度は届くものだよ。」とアドバイスした。(手を伸ばさなければ、その想いは届きま

せんからつまり一緒にいたい気持ちを素直に態度で示す事が大切だと思います

 一方日本からフランスパリに渡ったヴィルヘルミナは、そこで会った調律師カムシンから

フィレス」と呼ばれる紅世の王が、零時迷子を探している情報を得た。フィレスという女性に

とって零時迷子は、恋人の形見でありそれを求めるのは当然で日本にやって来て悠二を狙う

のは時間の問題であった。果たしてフィレスと零時迷子の関係は?それは来週です!