恋しき人~天門の先~第二十九話 | シンイ~信義に夢中

シンイ~信義に夢中

ブログの説明を入力します。

 
命のある者は村で焼け残った建物に集められ怪我の手当てが始まった

不味いわね
これは、縫わないと…でも、手術道具は持ってきていないし 先生…どうしょう
刀で斬られた傷は思いの外深いものだった
気の毒だが助かる筈もない…村人も役人も声には出さずとも目が物語っていた

助けて…お願い
小さな女の子が目に涙をいっぱいため、ウンスの衣を引っ張った

その子の父親なんだ
子供を庇って背中を斬られた
村人の1人が気の毒そうに教えてくれた


それなら、尚更助けなきゃ
大丈夫よ あの先生とお姉さんで助けてあげる
ウンスは、小さな女の子を安心させるように優しく微笑むと、その頭を軽く撫でた

ウンスさん先ずは、止血をして寺まで運びましょう
ここでは、手術できる場所がありません

辺りの家は壊され、火をつけられた家もある
残された家もとても綺麗とは言えない


これでは湯も沸かせませぬ
幸い男手は沢山ありますからね
寺へ行きましょう
ミノは役人達を見渡すと頭を下げた

聞いておられましたよね
お手をお借りしたい


分かった だが、治せるのか

傷口を縫えば助かります

傷口を縫うだと?
着物でも縫うように話すのだな
疑い深い視線を送るチェ・ウにミノは真剣に頼んだ

このままでは、この者は死んでしまいます
助かるかもしれぬ命、見捨てないで下さい
頭を下げるミノにつられウンスも頭を下げた

そこに荷車がある それに乗せてはどうだ
チェ・ウの言葉に二人は頭を上げた

荷車には他の怪我人をお願いします
車輪の振動が傷口に響くと思うので、申し訳ないのですが人の手でお願いします
ウンスの言葉を受けチェ・ウは、早速部下を手配する


大丈夫だからね
怪我人の側に寄り添い励ましながら歩くウンスのその姿は、まさに天女そのものだった


ウンス殿、私は一足先に戻り住職に話して参ります
手術の用意もありますので
ミノは、ウンスの側で守りたい気持ちを抑え医師の役目を優先した
きっと母上もその方が喜ばれる
ミノは後の事をチェ・ウに頼むと獣道を一目散に走り出した


残されたウンスは、雨戸に寝かされ運ばれる男の姿に愛する者の姿を重ねる
私が絶対死なせない
必ず助けてみせる
そうしないとキ・チョルの氷を受け倒れたヨンも助からない気がした

大丈夫 きっと助かるわ
ウンスは、祈るように呟いた






今日は慣れない外回りで、疲れました~(>_<)
明日もかな…

ガラケーで、いいねが見られない私、代わりにブログ村をいいねの代わりに見ています
ブログ村、ポチっと押してもらえると嬉しいです
 
これ↓ 

にほんブログ村