怪しい少年少女博物館2階右手奥の妖怪のコーナーに展示をしている角川書店 荒俣宏の奇想秘物語 陰陽妖怪絵札 陽の巻の銅鈸子 ( どばっし ・・読めませんよね〜 ) のフィギュア。2002年頃のもので、海洋堂製
百鬼夜行絵巻に描かれた楽器の付喪神をフィギュア化したもので、原型制作は山口隆氏。頭にかぶっているように見えるのが、青銅製のシンバルの様な楽器の銅鈸子で、これが古くなって化けたと言う訳。天狗のような鼻をしています
顔を正面から見た所。手に持っているのは、お経の巻き物で、これを詠み歩くと言う設定です。フィギュア本体の高さは約5cm、幅3.5cm、奥行き4cm。書かれているのは梵字ですが、このサイズでは仕方がないけれど、ちょっと文字が大き過ぎで掛け軸を詠んでるみたいです
背中側をちょっとエッチに? 下側から見上げた所。細部も手抜きなく仕上がっています
側面から見た所。このシリーズはクリアーパーツを効果的に使っているのが一つの特徴なのですが、このフィギュアでは真っ赤な舌に使っています
真上から見下ろした所
ボトルキャップタイプのフィギュアで、底面には©KAIYODO 2002の刻印が入っています
上記のフィギュアを展示している辺りの様子。この写真のほぼ中央付近に展示をしています
こちらは、このフィギュアの直接の元になったと思われる国際日本文化研究センターが所蔵する百鬼夜行絵巻に描かれた銅拍子( どびょうし )、銅鈸(にゅうばち)
こちらは、室町時代の土佐光信作と言われる大徳寺真珠庵蔵の百鬼夜行絵巻に描かれたもの
銅鈸子って、どんな妖怪?
銅鈸子とは本来は青銅製の打楽器で、中央がお椀状に突起した銅盤2個を両手に持ってシンバルのように打ち合わせるものです。仏教儀式では鐃鈸 ( にゅうはち、にゅうばち ) と呼ばれます。また銅拍子 ( どびょうし ) 等色々な呼び名があります
銅鈸子は芝居の鳴り物にも使われますが、本来は寺社等で僧侶が法会を行う時等に使っていた楽器で、それが年を経て付喪神となったものです。粗末に使われた事への当てつけなのか? 百鬼夜行絵巻等では、大きな音を立てながら? 巻き物のお経を詠みあげて歩き回る姿で描かれています
この後で紹介する乳鉢坊 ( にゅうばちぼう ) は銅鈸子を参考に鳥山石燕が創作した妖怪と思われます
こちらは江戸時代の鳥山石燕が、百鬼徒然袋に描いた乳鉢坊 ( にゅうばちぼう ) 。瓢箪小僧 ( ひょうたんこぞう ) と一緒に描かれており、乳鉢と瓢箪が付喪神化したものと思われます
手前の、前にうなだれているように描かれているのが瓢箪小僧で、後ろにいるのが乳鉢坊です。添えられた文から推測すると、石燕は乳鉢坊をすり鉢の妖怪と言うよりも、音を出す銅盤の妖怪として描いているようです
石燕は乳鉢坊を、頭の両側を銅盤で挟むような姿では描いておらず、大きな一枚を頭に載せた姿で描いています。乳鉢坊については、二松学舎文学部教授の稲田篤信氏は摺がね ( すりがね ) と言う別の楽器の妖怪では?と推測しています
こちらは妖怪ウォッチに登場する銅拍子 ( どうびょうし )。天狗のような怪物じゃなくて可愛い女の子キャラになっています
怪しい少年少女博物館のエントランスや駐車場脇に咲いた野生の百合。昨年の8月ブログでも取り上げましたが、外来種のタカサゴユリとテッポウユリの交配種のシンテッポウユリと思われるものです。すっかり夏の風物詩となった感もありますが、見頃はそろそろ終わりかな・・・
9月に入りました.。沖縄では早くも台風9号の影響を受けいるようです。中心付近の最大瞬間風速が70mなんて、最近の台風は常軌を逸しています。被害が最小限となるようお祈りしております
昨年と比べると今夏の伊豆高原の屋内施設の来館者は約半分と言った所が多かったようです。コロナが早く退散し、晴れやかな気持ちの日常を取り戻せるよう願って止みません
次回もお化けや妖怪の話が続く予定です
次回の更新は9月22日頃の予定です