原文: RNG Did Not Win the Hearthstone World Championship

 

HWCの優勝者を決めた要因は本当にRNGだったのか?

 

Pavelの輝かしいRNGは人々を魅了したが、
数々のデータによれば期待値通りの結果だった

Pavelの勝利はまっとうなものだ

 

「Pavelはおしゃべりな本と一心同体だ」
「Pavelは文字通り神だ」
「Pavelはこのトーナメントに賭ける意思で現実を意のままにしている」
「私のハースストーンライフにおいてPavelを忘れることは決してない」

 

Hearthstone World Championship(以下、HWC)のアナウンサー達が、Pavelがラッキーだったと言うことを避けるために使った、婉曲表現のうちの数例です。

一見すると、彼はラッキーだったかもしれません。


ロシアの弱者(※1)は先週(※2)BlizzConで行われた、ハースストーンで最も大きな大会を瞬く間に勝ち上がりました。勝利の多くはアドバンテージを得ることが可能なランダムカードの効果による派手で、輝かしいプレイによるものでした。

 

とりわけ、オンラインのコミュニティはPavelが準々決勝で最愛なるAmnesiacを下した後、すぐに彼を批判しました。"Pavel"は「ラッキーな結果を得る」と同義の動詞として使われています。また、トーナメントで《おしゃべりな本/Babbling Book》からの並外れた結果を出した後"《おしゃべりな本/Babbling Book》"は"Paveling book"と呼ばれるようになりました。


皆の意見は一致しています。Pavelはとても運が良く、RNGで得られたアドバンテージのおかげでトーナメントを勝ち抜いてきたことは広く知られていることでしょう。しかし、本当に運が良かっただけなのでしょうか? 客観的で、信頼できる統計的な数字を見てみましょう。そして彼を優勝に導いたのが本当にRNGの上振れによる結果だったのか検証してみましょう。

 

(※1 underdog を直訳、予選を勝ち抜いてきた経緯かもしれません)
(※2 BlizzCon 2016の1週間後の記事)

 


計算方法について

 

話を始める前に、計算方法について簡単に説明します。この記事の統計データ(stats:スタッツ)はハースストーンの世界選手権で行われたPavelの全19試合をサンプルとしています。

 

「ランダムイベント」の定義:

カードがもたらす結果がランダム性による影響を受けるあらゆる行動

 

例えば...

  • 《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》をプレイすることはランダムイベントではありません
  • 《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》の断末魔の効果はランダムイベントとしてカウントされます。ただし、対象となるミニオンが1体しかいない場合はランダム性を含まないためランダムイベントとしてカウントしません。

ドローに関してはランダムイベントとして分析してません。各ターンのドローがラッキーか、アンラッキーかを客観的に評価するのは非常に困難なためです。ただし、以下のCase Studiesでは特に重要な場面でのドローについては直に取り扱っています。

 


生データ(※3)の内訳

 

統計データ全体を見てみましょう。

  • Pavelの全試合数は19試合
  • 2試合で、Pavelにランダムイベントはありませんでした。
  • 3試合で、対戦相手にランダムイベントはありませんでした。
  • 1試合で、双方のプレイヤーにランダムイベントはありませんでした。
  • Pavelの合計294のイベントのうち、ランダムイベントは52回でした(18.3%)
  • 対戦相手の合計315イベントのうち、ランダムイベントは53回でした(16.8%)

 

すぐに気づいたかと思いますが、Pavelのプレイスタイルやデッキがランダムイベントに異常に依存しているようには見えません。その点では対戦相手と本質的に同じです。

 

次にPavelと対戦した各プレイヤーがどれほどラッキー・アンラッキーであったかを大雑把に見てみましょう。不可能ではないにしろ、客観的に運の良さを特定のカテゴリーに分類するのはとても難しいです。主観的な評価が混ざってしまうことは避けられないので、下記の一連のデータを鵜呑みにはしないで下さい。ある程度の幅を持った目安として考えて下さい。

 

例えば、後に紹介するPavelの2つのイベントに関してはとても良い結果が出ましたが、下記の”Very Good Events”と一緒くたにするのは不公平だと思えるため記事の後半で個別に検討せざるを得ませんでした。すでに手札にリーサルダメージがあるのと、《炎の大地のポータル/Firelands Portal》から《リロイ・ジェンキンス/Leeroy Jenkins》が出てリーサルになったのと全く意味合いが違うのです。

 

(※3 Raw dateの訳 未加工の、得られたデータそのままの意)


ランダムイベントのカテゴリ分け(スプレッドシート) (※4)

 

※4 Very Bad, Bad, Average, Good, Very Good, Very Very God の6段階評価

例えば、《獣の相棒/Animal Companion》から《ハファー/Huffer》が出た場合は
VERY GOOD とカテゴリー分けしている。

 

 

 

Pavelの52回のランダムイベントの結果の内訳

⦁    9 Very Bad

⦁    6 Bad

⦁    10 Average

⦁    13 Good

⦁    12 Very Good

⦁    2 Very Very Good

合計 61.5%が 平均から外れる結果で
27回が良い結果、15回が悪い結果(+64.2%) ( ※ 27/(15+27)=0.6428... )

 


Amnesiacの15回のランダムイベントの結果 vs Pavel

⦁    0 Very bad
⦁    4 Bad
⦁    1 Average
⦁    4 Good
⦁    6 Very Good
⦁    0 Very Very Good

合計 93.3%が 平均から外れる結果で
10回が良い結果、4回が悪い結果(+71.4%)

 


JasonZhou's 12回のランダムイベントの結果 vs Pavel

⦁    0 Very Bad
⦁    1 Bad
⦁    7 Average
⦁    2 Good
⦁    2 Very Good
⦁    0 Very Very Good

合計 41.6%が 平均から外れる結果で
4回が良い結果、1回が悪い結果(+80.0%)

 


DrHippi's 19回のランダムイベントの結果 vs Pavel

⦁    1 Very bad
⦁    1 Bad
⦁    9 Average
⦁    4 Good
⦁    4 Very Good
⦁    0 Very Very Good

合計 52.7%が 平均から外れる結果で、
4回が良い結果、1回が悪い結果(+80.0%)

 


データの山から考慮すべき大きな点が2つあります。1つ目はPavelの対戦相手のうち「Very Very Good」に分類されたものは1回もありません。

 

2つ目はPavelのランダムイベントの結果の平均値は、全ての対戦相手よりも若干低いということです。Pavelはそれでもなお、悪い結果よりも良い結果を出していますが、これらのマッチアップの中でどの対戦相手よりも50/50に近いものです。

 

そして、Pavelはラッキーなイベントでの上限値が高く・アンラッキーなイベントでの下限値が低い結果となりました。(Very badな結果はPavelが9回に対し、対戦相手全員の結果を足し合わせても1回しかありません)

 

ここで運の分散、特に上振れの中の上振れが彼の勝利に大きく貢献したのだと結論付けるのは魅力的な選択肢に思えます。しかし、劇的なランダムイベントの数例を掘り下げて本当の可能性を検証していきましょう。

 


Case Study No.1
《マリゴス/Malygos》⇒《動物変身/Polymorph》(vs Amnesiac)
 (クリックで動画へ飛ぶ)

 

最もインパクトの大きい結果から検証を始めましょう。

 

Pavelの奇跡のドロー
《マリゴス/Malygos》を倒すために、完璧なタイミングで《おしゃべりな本/Babbling Book》から《動物変身/Polymorph》を引き当てます。そしてAmnesiacの《ソーリサン皇帝/Emperor Thaurissan》に対応すべく、次のターンに2枚目の《おしゃべりな本/Babbling Book》から《炎の大地のポータル/Firelands Portal》を引き当てました。
(動画内1:13:30~)

 


一連のプレイはアナウンサー達を熱狂させ、Pavelを批判する人々が話題に取り上げる最も簡単で分かりやすい例となりました。更に詳しい確率を見てみましょう。

 

  •  《マリゴス/Malygos》がプレイされた後の最初のターンで、15.3%のチャンスで《おしゃべりな本/Babbling Book》を引くチャンスがあります。
  • 最初の《おしゃべりな本/Babbling Book》を引いた後、8.3%の確率で次のターンにも《おしゃべりな本/Babbling Book》を引く可能性があります。
  •  2ターンにわたって、少なくとも1枚の《おしゃべりな本/Babbling Book》を引く確率は29.5%あります。
  •  2ターン連続で《おしゃべりな本/Babbling Book》を引く確率は1.2%しかありません。


《おしゃべりな本/Babbling Book》を2枚とも引いたことは、間違いなく幸運の連続でした。

《マリゴス/Malygos》への回答を手に入れるために、1枚の《おしゃべりな本/Babbling Book》を引いたことは全くあり得ないということも無いでしょう。しかし、両方を連続して引いたことは驚くべきことです。ですが、《おしゃべりな本/Babbling Book》を手に入れたことはこの試合を決定づける要素の半分に過ぎません。

 

《おしゃべりな本/Babbling Book》からは29種類のスペルが手に入ります(※5)
《動物変身/Polymorph》《動物変身・イノシシ/Polymorph: Boar》は《マリゴス/Malygos》を除去するのに明らかに優れたカードです。その他には《マリゴス/Malygos》を2ターン掛けて除去する手段も数種類あります。《禁じられし炎/Forbidden Flame》と《パイロブラスト/Pyroblast》ならば容易に可能です。《粉砕/Shatter》は《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》と組合せれば除去が可能かもしれません。《蒸発/Vaporize》や《カバル教団の魔道書/Cabalist's Tome》は確実ではありませんが、望みはあります。《呪文相殺/Counterspell》や《スペルベンダー/Spellbender》も《マリゴス/Malygos》の脅威を軽減させることは可能でしょうか。かなり大雑把な前提ですが、上記7つの代替案のうち、5つはPavelにとって十分に許容できるカードだと仮定しましょう。

 

(※5 当時のスタンダード環境場合)

 

  •  最初の《おしゃべりな本/Babbling Book》から《動物変身/Polymorph》/《動物変身・イノシシ/Polymorph: Boar》を手に入れる確率は6.9% (※ 2/29=0.0689)
  • どちらか一方のおしゃべりな本から《動物変身/Polymorph》/《動物変身・イノシシ/Polymorph: Boar》を引く確率は13.3% (※余事象を使えばよい。少なくとも1枚引ける確率は 1-(27/29)*(27/29)=0.1331…)
  • 最初の《おしゃべりな本/Babbling Book》から《マリゴス/Malygos》への回答として使用に耐えうるカードを引く確率は24.1%
  • (※《動物変身・イノシシ/Polymorph: Boar》+《動物変身/Polymorph》+上記7つの代替案のうち5つ 7/29 = 0.2413…)
  • どちらか一方の《おしゃべりな本/Babbling Book》から使用に耐えうるカードを引く確率は42.4%

(※部分の確率は訳者で補完しています)

 

かなり大雑把な前提条件とは言え、Pavelのオッズ(※6)は50/50にさえ及びません。明らかにランダムイベントのオッズを上回り、ボードの脅威に対する完璧な回答を1度ならず、2度得ることに成功しました。

 

(※6 odds:勝率・確率)

 

ここで問題になるのは、この結果が本当にラッキーだったかということです。疑問に答えるために、一連のランダムイベントが発生したゲームの状態を確認しなければなりません。

 

Pavelはminion-heavy Mage (※ミニオンが非常に多いTempo Mage)を使用していました。

Amnesiacに除去を強要するために、ゲーム序盤・中盤で大半のミニオンをボードに送り込んでいます。この戦略により、PavelはAmnesiacのデッキには《マリゴス/Malygos》の恩恵を受けるダメージスペルは既に3枚しか無いことは分かっていたことでしょう。《ワタリガラスの偶像/Raven Idol》は使いきっており、《自然の怒り/Wrath》・《なぎ払い/Swipe》・《生きている根/Living Roots》が1枚ずつ残っているのみです。Pavelは《マリゴス/Malygos》がプレイされると予想されるかなり前のターンからAmnesiacのデッキから脅威を取り除いていました。そのため、《マリゴス/Malygos》がもう1ターン長く盤面に居座り続けた場合でも、Pavelが絶対に負けていたかというと疑問の余地があります。

 


Case-Study No.2
《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》
⇒《昏倒/Sap》(vs Amnesiac)


《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》がプレイされた直後にドローされた《昏倒/Sap》はPavelの対戦相手のAmnesiacをひどくイライラさせたもう1つの出来事でしょう。(動画内1:25:30~)

 

一見したところでは、ミラクルドローに見えますが、PavelのRogueデッキは対戦相手の脅威に回答するカードを探すためのドロー・サイクルに長けています。確率を検証してみましょう。

 

  • 20枚のカードが、《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》がプレイされた直後のターン残っています。
  • このターンで3枚のカードをドローしました。
  • 《昏倒/Sap》をこのターン中にドローする確率は28.4%です。
  •  最後のドローに焦点を当てると、《昏倒/Sap》を引ける確率は11.1%です。(※20枚-1枚(通常ドロー)-2枚(《ガジェッツァンの競売人/Gadgetzan Auctioneer》の効果によるドロー。最後の1枚は18枚から1枚ひくので 2/19 = 0.1111…)

最初は、再びかなりラッキーだったように見えます。彼は再び、オッズを十分に上回った、そう見えるのではないでしょうか? ですが、次のデータを考慮すれば違うということが分かります。

 

ターン終了時までに、Pavelはデッキの半分以上のカードをドローすることができます
(マリガンは3枚、ゲーム中には13枚ドローしています)。デッキに2枚ある《昏倒/Sap》をこの時点までに引く確率は79%あります。実際には《シルヴァナス・ウィンドランナー/Sylvanas Windrunner》がプレイされるまでに《昏倒/Sap》を持っている確率は非常に高いのものです。

実際、《昏倒/Sap》が無い状況というのはかなり不利な状況(21%)に置かれていたと言えるのではないでしょうか。既に引いているべきだったと言っても大袈裟は無いかもしれません。

もちろん、この一連の考え方は他の要素の影響を受けやすいものです。Pavelの過去の選択・対戦相手の選択などなど。それでもゲーム全体を見た場合、このゲームが特にラッキーだったったというのは難しいでしょう。序盤のアンラッキーを埋め合わせ、バランスが取れたのだと考える方が適切ではないでしょうか?

 


Case Study No.3
ランダムイベントが無いマッチアップ(vs JasonZhou)

 

RNG嫌いの人たちは、いつも笑顔のプロJasonZhouとの試合を間違いなくチェックするべきです。PavelのMalygos Druid vs JasonZhouのDragon Warriorではゲーム全体を通してランダムイベントは1つもありませんでした。


またPavelがRNG無しで勝利した唯一のゲームです。この記事での分析においては重要な要素を含んでいませんが、興味深い余談ではあります。

 

 

Case Study No. 4
《クトゥーン/C'Thun》が勝利をもたらす! (vs. JasonZhou) 

 

Pavel vs JasonZhouの最後のマッチアップである6試合目、JasonZhouはPavelのクトゥーンWarriorを追いつめています。次のターンは11点以上のバーストダメージがあります。(※ 《リロイ・ジェンキンス/Leeroy Jenkins》+《冷血/Cold Blood》+  Hero Power)
この盤面に対してPavelは《クトゥーン/C'Thun》を放ちます(動画内 1:15:00~)

 

次のターンを凌ぐためには、14/14の《クトゥーン/C'Thun》によるボード全体のクリアが必要となります。何が起きたか見ていきましょう。

 

《クトゥーン/C'Thun》は11点をミニオンへ、3点をフェイスに与えました。その結果3体のミニオン全て(ヘルス4,4,3)を除去しました。

 

一見したところでは、ラッキーに見えますが、より詳しく検証してみましょう。《クトゥーン/C'Thun》の効果のターゲットは4つ存在し、各々が3~4点のダメージを受けました。この結果は非常に平均的な結果であることは想像できるかと思います。確率上、十分に起こりうる結果です。全て理に適っています。

 

実際、3体のミニオンのうち2体はかなり早い段階で倒されたため、後のスプリットダメージがミニオンにあたる確率が低下しています(最終的に上手くいったことは言うまでもありません)。3/4の《バーンズ/Barnes》と4/4の《ガジェッツァンの競売人/Gadgetzan Auctioneer》を倒した後に、スプリットダメージはあと4点残っていました。このアンラッキーな状況により、3/3の《アレクストラーザの勇者/Alexstrasza's Champion》に残り4点のスプリットダメージのうち1点は与える必要が生じています。(2/3の《邪悪の誘い手/Beckoner of Evil》でトレードが可能となるため)

 

整理しておきましょう。《クトゥーン/C'Thun》をプレイした結果、必要としてた結果よりもラッキーな結果となり、完璧にミニオンを倒しました。(25%の結果)(※ 4/2^4 =0.25)
素晴らしい結果ですが、この数字はPavelの勝敗に関係ありません。

 

 JasonZhouが勝利するためには3/3の《アレクストラーザの勇者/Alexstrasza's Champion》が4点のスプリットダメージから1点のダメージも受けない必要があります(6.3%)(※ 1-(½)^4=0.0625)

 


結論

 

一般的な結論として、Pavelは全てのゲームを通じてオッズを上回りました。彼のランダムイベントの結果は利益が損失を上回るものです。しかし、対戦相手も皆同じであることは事実です。プロが選ぶランダムイベントを起こすカードは、何よりもまず素晴らしいカードだということを知っておく必要があるでしょう。

 

プロはこれらのカードが起こすランダムイベントが悪い結果よりも良い結果をもたらす可能性が高いために採用しているのです。もしそうでなければデッキには採用しないでしょう。
そのため、プロの素晴らしいRNGを見ると、その1つ1つのシーンは「ラッキー」に見えるでしょう。ですが、理由があるのです。純粋なコインフリップ(※50/50ではない)では無いのですから。1の目より6の目が出やすい、イカサマダイスとして機能しているのです。そのような理由で、プロはこれらのカードが好きなのです。

 

多くの分析結果から、実際にはPavelの全体のランダムイベントによる結果は対戦相手よりも悪かったのです。《おしゃべりな本/Babbling Book》の上振れの影には、《乱闘/Brawl》が1/1のミニオン達を倒して、9/9の挑発を持った《ガーディアン・メディヴ/Mediv, the Guardian》を残してしまうという結果もありました。Pavelと他の対戦相手たちとの最も大きな違いと思われるのは、とても輝かしい・劇的な瞬間で最大の幸運を引き寄せた点でしょう。数少ない奇跡のランダムイベントは鍵となるターンにやってきたのです。彼の上振れの幅はより大きかったのです。

 

しかし、これらの奇跡的な結果は実際には不必要だった瞬間に来る傾向がありました。ほとんどのケースでは、ラッキーな結果が得られずとも勝利が約束されていたか、おそらくは勝てるだろうといった場合でした。

 

例えば、JasonZhouとの4試合目、《炎の大地のポータル/Firelands Portal》から《リロイ・ジェンキンス/Leeroy Jenkins》が出てPavelはゲームに勝利しましたが、検証に頭を悩ます必要はありませんでした。Pavelは次のターンでのリーサルダメージを既にハンドに持っており、対戦相手には止める手段が無かったからです。この事実は熱狂的な観客たちの思考には存在する余地は無かったのでしょう。信じられないぐらい興奮に満ちた瞬間でしたが、全く不必要なものだったのです。

 

DrHippiとの4試合目、Pavelの《クトゥーン/C'Thun》による勝利も同様です。ダメージがどこに与えられたとしてもPavelの勝利は確定的でした。ボードクリアは群衆を興奮させる結果でしたが、DrHippiはすでにデッキに残っているカードがなく、プレイすることのできない《バロン・ゲドン/Baron Geddon》のため負けが確定していました。Pavelは有利を築くために、前のターンから何度も慎重に考え、対戦相手の脅威を1つ1つ取り除いていました。《クトゥーン/C'Thun》はただのおまけに過ぎなかったのです。

 


なぜ彼は勝てたのか?

Pavelのインタビューやユニークなデッキを見ると、彼がランダム効果があるカードを特に好んでいるようには見えません。むしろ、反対かもしれません。1つのデッキを除いてはランダムイベントは非常に少ないデッキでした。Druidのデッキでは2ゲームを通じてランダムイベントは1回もありませんでした。Warriorデッキでもランダムイベントは全体の11.5%に過ぎません。

 

Mageのデッキには多くのランダムイベントカードが採用されており、36.5%のランダムイベントがありました。《フレイムウェイカー/Flamewaker》、《魔力の矢/Arcane Missiles》、《炎の大地のポータル/Firelands Portal》などです。最善のMageのデッキを作りたければ単純にランダムイベントを受け入れなければなりません。他のプロ達のMageデッキも同様でした。

 

彼のMageデッキと、他の残りのデッキがかなり対照的な構成だったのは彼の最大の強さと言えるでしょう。また彼がトーナメントで勝てた真の理由は非常に柔軟であったからです。トーナメントの間中、デッキから何をドローしても、対戦相手が何をプレイしても、Pavelは状況を分析し受け入れたのです。だから上手くいったのです。

 

Pavelが恩恵を受けた、素晴らしいラッキーなランダムイベントの数例に目を向けるのは簡単です。しかし15回の「Bad」と「Very bad」のランダムイベントについてもバランスよく考慮すべきではないでしょうか? Pavelが被ったランダムイベントの総数は、対戦相手の総数(15-7)と比べて2倍近く多いのです。それでもなおトーナメントを勝ち抜いたのです。

 

何よりも、Pavelはこのトーナメントで困難を乗り越えてきたことを証明したのです。彼は効果が保証されているカードが好きですが、それなしでも勝つことができたのです。彼の並外れた、状況に適応する能力と不確定なリスクを見極める能力により、トーナメントの苦難を乗り越え、勝利へとつながったのです。

 

RNGがHWCで勝利したのではありません。
Pavelが勝利したのです。

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ドラゴンプリースト雑感

テーマ:

あけおめ。絢瀬です。

今年も英語記事翻訳をまったりとやっていこうと

思いますので何卒よろしくお願いします(*'ω'*)

 

≪始めに≫

今回の記事ですが、ガゼッツァン導入後のドラゴンプリーストのガイドが

見当たらなかったので簡易的な指針を示します。

ランク10~初レジェを目指す人たちを対象としている点にご留意ください。

(私の実力はレジェ500位程度が最高なのでイマイチな点も

多いかと思います。鵜吞みせず参考程度として頂ければ。)

 

ランク12から記録を残しており、116-79(勝率約60%)でレジェに到達しました。

要した時間は22.5h、一試合あたり平均は6.9minでした。

この間クエスト消化に用いた一部デッキを除いてはほぼ100%ドラプリを使用しました。

 

 

 

(このレシピは12月末にシャーマンがやたらめったら《ドゥームハンマー/Doomhammer》を

装備してくるので《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》を2枚積にしていました。

かなり尖ってるので一枚は《ブック・ワーム/Book Wyrm》やら《狂気ポーション/Potion of Madness》にするなど変更したほうが無難かなと思います。)

 

 

ドラプリのレシピはAOEに《ドラゴンファイア・ポーション/Dragonfire Potion》を使うか、

《ホーリーノヴァ/Holy Nova》を使うかで差が出ますが、個人的にはポーションを推します。

 

ノヴァに比べてポーションは使用するタイミングが簡単に思えるからです。ポーションはどうしようもない盤面をひっくり返す、有利な盤面を(ドラゴンがボードにいる状態で)固定するというシンプルな用途で利用することができます。ノヴァも強い局面はもちろんあるのですが、

味方2点回復+2点AOEはインパクトに欠ける部分も多く、慣れていな人には扱いが難しいかもしれません。

 

 

意外と1点足りないことも多かったり...

 

 

≪なぜドラゴンプリーストなのか?≫

プレイングが簡単

ランク5~初レジェ到達を目指す人にとってプレイングが簡単というのは

大きなメリットだと思います。1,2,3,4...とマナコスト順に出すだけで勝てることも多々あります。

 

アグロシャーマンと違ってフェイスorトレードのタフな選択を迫られる場面も少ないです。

基本的なトレードを行い、ボードを雪だるま状に成長させるのが勝筋です。

 

(私自身、ハースストーンを初めて2年近く経つのですが、プリーストは初めてラダーで回しました。そんなプリースト未経験者でもレジェに行けるぐらいには簡単なのが魅力的です。)

 

 

・Tier1の他のデッキと比べて比較的安価

 

 

・Tier1のデッキ群と十分戦える相性を有している

 

TempostormのMETA SNAPSHOTより引用(2017/1/2更新)

 

 

また、Tempostormの記事によれば相性差は下記のようになっています。

 

1.Aggro Shaman 60%:40%で有利

2.Pirate Worrior 40%:60%で不利

3.Mid-Range Shaman 65%:35%で有利

4.Reno Mage  60%:40%で有利

5.Renolock 40%:60%で不利

6.Miracle Rogue 65%:35%で不利

 

個人的に疑問符が付く箇所もありますが、

現在流行りのシャーマン・メイジに対して有利に戦えるのは大きいと思います。

 

≪マリガン全般≫

思っている以上にドラゴンが無くて事故ってしまうケースは少ないです。

それでも非ドラゴンのミニオン・スペルをキープするときは注意しましょう。

 

《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》は先手1T目に効果が発動できれば

恩恵は大きいです。後手はそれなりといった印象です。手札に他にドラゴンが

無い場合はドラゴンシナジー発動のために手札で温めることも多いです。

 

《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》は4マナながら低マナ域の

ドラゴンシナジーを発揮しつつ、4ターン目には他のドラゴンを引き込めている場合も

多いので優秀なキープ基準となるカードの1つ。


《ノースシャイアの聖職者/Northshire Cleric》は1マナではありますが、ドラゴンでは無いため事故が怖く、単独でキープするには気が進まないのが現状です。海賊ウォーリアーに対して是が非でも序盤の1/3が欲しい場合に選択肢になり得ます。ただし、《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》の効果が発動でき、守れる場合には優秀なコンボキープとなります。

 

≪各マッチアップ≫

《アグロシャーマン/Aggro Shaman》
私の勝率は58%(28-20)でした。若干有利(55-60%)といった印象です。

デッキがブン回った側が勝ちますが、出遅れた場合こちらにはAOEがあります。

 

相手が序盤で躓けば硬いですが、そう容易くはいかないでしょう。

終盤、ずっと使用されない手札がある場合はバーストダメージに注意。

 

何だかんだで10点ぐらいはすぐに出ます...

 

挑発持ちミニオンを置くのが良いのか、顔面をヒールするのが良いか常に考えましょう。

 

・マリガン

《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》

《密言・痛/Shadow Word: Pain》

《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》

《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》

《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》

 

 

・マリガンサンプル その1

 

《密言・痛/Shadow Word: Pain》

《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》 をキープ

 

 

 

・マリガンサンプル その2

 

《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》 をキープ

先手はマリガンが難しいですが、強力な《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》を残しつつ

低マナ域を引き込みに行きたいところ。

 

 

 

・マリガンサンプル その3

 

全てキープ。

シャーマン相手ならば序盤の動きが約束されていて、ドラゴンシナジーも発揮できる下記のような組み合わせなら《ブック・ワーム/Book Wyrm》もキープして良いのではないでしょうか。

 

 

・マリガンサンプル その4

 

《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》

《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》 をキープ

序盤の動きは最低限確保しているので、《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》など

追加のドラゴンを狙いにいきたいところです。ドラゴンが追加で引ければ1T目に《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》を出せます。

 

・勝ちパターン

 

①優秀な1マナミニオン《トンネル・トログ/Tunnel Trogg》、《ちんけなバッカニーア/Small-time Buccaneer》を《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》や《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》で牽制して序盤のボードを制圧できた時。特に《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》は2/4と恵まれたスタッツで序盤の小競り合いで非常に優秀。

 

②2T目の《トーテム・ゴーレム/Totem Golem》を《密言・痛/Shadow Word: Pain》で除去できた

時。大きなテンポアドバンテージを得ることができます。

 

逆にシャーマン側はドラプリ側のキープ枚数が多い時は注意すべきです。

後手1T目コイントーテムゴーレムをしてくるシャーマンが少なからずいたのが、

驚きで、《密言・痛/Shadow Word: Pain》一発で必敗クラスのテンポ差が生じてしまいます。

 

③4T目の《炎まとう無貌のもの/Flamewreathed Faceless》を《密言・死/Shadow Word: Death》

で除去できた時。オーバーロード含めて都合3マナのテンポアドバンテージを得られます。初手でキープするのは無理があるので都合よく引けることを祈りましょう。

 

④ボードが不利な状態でも《ドラゴンファイア・ポーション/Dragonfire Potion》があれば

盤面をクリアすることは可能です。ヘルス管理にだけはくれぐれもご注意を。

 

・負けパターン

①《炎の舌のトーテム/Flametongue Totem》が除去できず残り続けたとき。かなり危険なミニオンで序盤に出てきて対処法が無い場合、大暴れされてしまいます。

 

②1T目《ちんけなバッカニーア/Small-time Buccaneer》、2T目《翡翠の爪/Jade Claws》などにより序盤のボードを完全に制圧されたとき。

 

 

《ミッドシャーマン/Midrange Shaman》

アグロシャーマンより楽です。

高ヘルスミニオンは《メイルシュトロームのポータル/Maelstrom Portal》や

《ライトニングストーム/Lightning Storm》に対して耐性があります。

また《ドラゴンファイア・ポーション/Dragonfire Potion》はこちらのボードを

維持しつつ、相手の場を一層します。

 

 

《海賊ウォーリアー/Pirates Warrior》

《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》や《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》で何とかなるほど甘い相手ではありません。こちらが序盤で少しでももたつくと、一気に押し切られることも多いです。《アルガスの守護者/Defender of Argus》を採用している場合でもボードにもミニオンがいなければ当然挑発がつけられないので注意。ミニオンの配置場所にも注意する必要があります。

 

・マリガン

《狂気ポーション/Potion of Madness》

《チビ・トワイライトドラゴン/Twilight Whelp》

《密言・痛/Shadow Word: Pain》

《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》

《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》

《トワイライトの守護者/Twilight Guardian》

《カバールのカギ爪のプリースト/Kabal Talonpriest》

 

最優先は《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》の効果が発動できる手札でしょう。

《カバールのカギ爪のプリースト/Kabal Talonpriest》はバニラ3/3/4として展開する機会もかなり多いです。頻度は低いですが、《ワームレストのエージェント/Wyrmrest Agent》を対象にできた時のバリューは非常に大きいです。

 

ヘルス管理とこちらのキルターンに注意しましょう。

キルターンが変わらないのに《必殺の一撃/Mortal Strike》の発動条件をクリアさせないようにして下さい。手札でいつまでも使用されないカードがある場合なおさらです。

 

 

海賊ウォーリアーを相手にしていて《泡を吹く狂戦士/Frothing Berserker》の

扱い方が適切でないプレイヤーを数多く見てきました。

 

プリーストを相手にする場合、《泡を吹く狂戦士/Frothing Berserker》のATKは4で止められるならば止めます。プリースト側はATK4を上手に処理できません。ATKを5以上にして、ハンドで腐っている《密言・死/Shadow Word: Death》を使用させる必要は無いはずです。無駄にATKを5以上にしてしまったがために負けてしまうのはもったいないです。

 

《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》で武器を割るタイミングですが、温存する余裕も無いはずなので、《烈火の戦斧/Fiery War Axe》の耐久度が1でも狙って良いと思います。

 

また《アップグレード!/Upgrade!》や、《ブラッドセイルの狂信者/Bloodsail Cultist》により耐久度が2以上ある《烈火の戦斧/Fiery War Axe》や《アルカナイト・リーパー/Arcanite Reaper》などは最も分かりやすい対象です。

 

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前回の解答編です。

 

 

考えられる選択肢は以下の通り。

 

Play #1

《狩人の狙い/Hunter's Mark》+Hero Power

 

相手のデッキには《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》が2枚採用されているので、《フレイムウェイカー/Flamewaker》に《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用するのは最善の選択では無いでしょう。しかし、1マナで3点ダメージは未だ手堅いです。また後のターンに《アージェントの従騎士/Argent Squire》をボードから失った場合に、《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用してもボードをクリアできない可能性があります。ヒーローパワーによって余ったマナを使用すると同時に、ダメージを与えていくことが可能です。


Pros ≪良い点≫

・《フレイムウェイカー/Flamewaker》をキレイに処理できます。
・マナを使い切ることができます。
・フェイスハンターにおいてヒーローパワーをプレイするターンを取り入れるのは重要です。
・コインを節約できる。次のターン以降役に立つかもしれません。

 

Cons ≪悪い点≫

・ゲームを長引かせているだけで、テンポアドバンテージを得られていません。
 ボードには1/1のミニオンが残るだけです。
・後に《狩人の狙い/Hunter's Mark》をより有効に使用できるかもしれません。
・《狩人の狙い/Hunter's Mark》は《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》と
 良いシナジーがあり、既に2枚が手札に揃っています。

 


Play #2

《狩人の狙い/Hunter's Mark》+

《コイン/The Coin》+《アージェントの騎兵/Argent Horserider》

 

先ほどのプレイと似ていますが、攻撃的な選択肢です。

コインと引き換えに盤面にさらなるテンポをもたらします。どちらのプレイも2点のダメージを与えますが、Play #2では2/1のミニオンがボードに残ります。

 

Pros ≪良い点≫

・Play#1と比較すると、いずれにせよ次のターンで《アージェントの騎兵/Argent Horserider》をプレイしたいでしょう。Play#2では次のターンでは他のカードを使用するためのマナに融通が効きます。
・この選択肢はテンポ偏重のプレイです。メイジはボードを無視して、《アージェントの騎兵/Argent Horserider》から少なくともさらに2点のダメージを受けるのか、1ターンを無駄にしてボードクリアをするのか選択を迫られます。

 

Cons ≪悪い点≫

・可能性は低いですが、2枚目の《フレイムウェイカー/Flamewaker》+低マナスペルで咎められる恐れがあります。
・《アージェントの騎兵/Argent Horserider》はメイジの3/2ミニオンを倒すのに有用です。この選択肢では聖なる盾のバリューをすぐに得ることができず、《魔力の矢/Arcane Missiles》などで咎められるかもしれません。
・《狩人の狙い/Hunter's Mark》は《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》と
 良いシナジーがあり、既に2枚が手札に揃っています。

 


Play #3

《速射の一矢/Quick Shot》

 

《狩人の狙い/Hunter's Mark》は3点以上のダメージを与えるポテンシャルを持っていますが、《速射の一矢/Quick Shot》は常に3点ダメージです。先々のターンでカードをサイクルできる可能性もありますが、今の手札を見るとその可能性は低いように見えます。(《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》と《殺しの命令/Kill Command》が手札でしばらくの間だぶついているでしょう)


Pros ≪良い点≫

・《フレイムウェイカー/Flamewaker》を非常に綺麗に処理できます。
・相手が《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》をプレイした場合、
 《狩人の狙い/Hunter's Mark》から非常に大きいバリューを得られます。


Cons ≪悪い点≫

・《速射の一矢/Quick Shot》をサイクルすることはできません。また2ターン目を丸々 消費してしまうために流れが途切れてしまうかもしれません。
・ボードを発展させることができません。1/1のミニオン1体がボードにいるだけという状況は相手のヘルスが高い状態では好ましくありません。また相手を倒すまでに多くのミニオンに対処しなければならないでしょう。
・マナ効率が良くありません。コインを使用してヒーローパワーも使用可能ですが、完璧からはほど遠いです。
・《速射の一矢/Quick Shot》はゲーム終盤においてフェイスダメージを稼ぐのに使用できる

 


Play #4

《殺しの命令/Kill Command》

 

《フレイムウェイカー/Flamewaker》を《殺しの命令/Kill Command》で処理することはここでは最適解には見えないかもしれません。結局、《殺しの命令/Kill Command》は5点のフェイスダメージのポテンシャルがあります。しかし、《速射の一矢/Quick Shot》よりはおそらく良いプレイでしょう。マナを余すことなく使うことができます。また獣を召喚する手段は、現状《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》のみです。メイジの手札に除去スペルが大量にあった場合、《殺しの命令/Kill Command》からの5点ダメージは見込めそうにありません。

 

Pros ≪良い点≫

・マナ効率が良い(マナを余さず使い切れる)
・手札で2番目にだぶついているカードを使うことができます。
 (次に《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》が続きます。
 《狩人の狙い/Hunter's Mark》があるのでいくらかはマシです)
・《速射の一矢/Quick Shot》のサイクルの可能性を残すことで、
 《殺しの命令/Kill Command》からの5点ダメージのポテンシャルを
 上回るバリューを得られるかもしれません。

 

Cons ≪悪い点≫

・ボードを発展させることができません。1/1のミニオン1体がボードにいるだけという状況は相手のヘルスが高い状態では好ましくありません。また相手を倒すまでに多くのミニオンに対処しなければならないでしょう。

・《殺しの命令/Kill Command》は5点ダメージのポテンシャルがあり、
 ダメージが無駄になる可能性があります。
・ボードに獣を残すことができれば、《殺しの命令/Kill Command》
 は後により良い除去となる可能性があります。

 

 

Result≪結果≫

RageはPlay#2《狩人の狙い/Hunter's Mark》+《コイン/The Coin》+《アージェントの騎兵/Argent Horserider》のプレイを取りました。最終的にはゲームにとても楽に勝利しました。その後、《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用するのにより適したミニオンは登場しませんでした。


まずは私が好きではない選択肢から評価を始めましょう。Play#3は最も嫌いなプレイです。この場面では《速射の一矢/Quick Shot》は使いたくありません。マナ効率が良くないし、コインを効果的に使用することができません。最も柔軟性のある除去を失い、カードドローのポテンシャルも無駄になります(最後の1つはおそらく望み薄ですが、それでもわずかな可能性は残されています)。

 

むしろ、《殺しの命令/Kill Command》を使用するPlay#4を好んで選ぶでしょう。
もちろん、最善の選択肢ではないのですが、理由がいくつかあります。最も手札で融通が効かない除去である点。そして大抵はフェイスダメージとして使われる点です。しかし、最初にミニオンである程度ダメージを稼げない場合、フェイスダメージとして利用できる機会は来そうもありません。そのため、この場面では除去として使うことは間違いでは無いでしょう。このプレイではマナを使い切ることが出来て、コインを温存することができます。もし、相手が3/2のミニオン(《魔法使いの弟子/Sorcerer's Apprentice》や《カルトのソーサラー/Cult Sorcerer》)あるいは《マナ・ワーム/Mana Wyrm》をプレイしてきた場合、《アージェントの騎兵/Argent Horserider》+《速射の一矢/Quick Shot》を使用することができます。《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》を出してきた場合は、《狩人の狙い/Hunter's Mark》+《アージェントの騎兵/Argent Horserider》をプレイし、コインをさらに温存できます。2枚目の《フレイムウェイカー/Flamewaker》には《速射の一矢/Quick Shot》+《アージェントの騎兵/Argent Horserider》で処理が可能です。《殺しの命令/Kill Command》は《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》を見るならばベストなプレイですが、ここでは次善手だと思います。

 

《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用するプレイの方が好きです。特に、《猟犬を放て!/Unleash the Hounds》が手札にある時は《狩人の狙い/Hunter's Mark》をもっと高ヘルスのミニオンに対して使用するべきだという声もあると思いますが、この場面で《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用すると良い理由が2つあります。1つは、メイジが《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》をドローしている確証は無いからです。基本的に、4ターン目だけが《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》プレイするのに最も優れたターンです。それ以降では遅すぎることが良くあります。加えて、テンポメイジには高ヘルスのミニオンは少ないからです。(《フレイムウェイカー/Flamewaker》や《アジュア・ドレイク/Azure Drake》のヘルス4が1つの基準) もちろん、《大魔術師アントニダス/Archmage Antonidas》を採用しているリストもありますが、上記2種類のカードがプレイされるまでには大抵ゲームが終わっているはずです。もう1つの理由に、《アージェントの従騎士/Argent Squire》がボードに、聖なる盾が残っている状態で残っているからです。おそらくこのヘルス1のミニオンから最大限のバリューを引き出すことができるでしょう。後のターンではこの恩恵を受けられないかもしれません。


《殺しの命令/Kill Command》を使う選択肢とかなり微妙ではあるものの、Rageはこのシーンで最も良いプレイをしたと思います。Play#1 《狩人の狙い/Hunter's Mark》+ヒーローパワーは遅すぎます。好きではありません。《狩人の狙い/Hunter's Mark》のようなテンポを得られる除去は、その後にボードを発展させたいはずです。《狩人の狙い/Hunter's Mark》を序盤に使うのは上記理由によります。フェイスハンターのようにヒーローパワーを使用したくなることがあるかもしれません。時々、ミニオンをプレイするよりも良いプレイとなることもありますが、この場面では違うでしょう。ダメージを無駄にはしたくないはずです。《アージェントの騎兵/Argent Horserider》をプレイすれば、ヒーローパワーが与える2点と同じダメージを与えることができます。《アージェントの騎兵/Argent Horserider》をプレイしない場合のアドバンテージはコインが節約できるのみです。しかし、フェイスハンターはコインを本当に温存したいデッキではありません。さらに、このハンドならば次のターン絶対にコインが必要というわけでも無いでしょう。他の利点としては、相手の完璧な《フレイムウェイカー/Flamewaker》+《魔力の矢/Arcane Missiles》or《魔力の炸裂/Arcane Blast》により両方のミニオンが倒されることをケアできる点でしょう。けれども、(《フレイムウェイカー/Flamewaker》は1枚使われているので)そんなことは起こりそうもありません。

 

それでもなお、このターンに《アージェントの騎兵/Argent Horserider》をプレイすることによって、次のターンにより柔軟な動きができるでしょう。もし相手が除去したいミニオンを展開してきた場合、除去できます。相手がカードを引いてきた場合、他のミニオンを引いたり、シークレットをプレイできるかもしれません。最悪のケースでもヒーローパワーを絡めてさらに5点のダメージを追加できます。まさに《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》をプレイされたときにしか、《狩人の狙い/Hunter's Mark》を使用したことを咎められません。したがって、この場面ではPlay#2が最も勝率の高いプレイと言えそうです。他のプレイの優劣をつけるならば次のような順となります。 

 

Play#2 > Play#4 > Play#1 > Play#3 
 
Ayaseコメント:

奇をてらったプレイングではないので、直感的にPlay #2を選んだ人も多いのではないでしょうか。ヘビーテンポプレイをするべき好例と言えそうです。

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原文 http://hearthstoneplayers.com/depth-turn-analysis-will-hunt/

 

 

このマッチアップはシークレットフェイスハンター対テンポメイジとなっています。

両者のデッキレシピは分かりませんが、ハンターのデッキリストはRageのシークレットハンターのデッキを元にしたリストを掲載しておきます(1枚か2枚はデッキリストに差異があるかもしれません)

 

テンポメイジ側のリストですが正確なリストは分かりません。参考までにCydoniaのテンポメイジのリストを載せました。Rageはこの対戦相手と2連続でのマッチングとなっており、《ウォーター・エレメンタル/Water Elemental》が2枚採用されていました。この情報も活用して正しいプレイングについて考えていきましょう。

 

ゲーム最序盤で、これまでにプレイされたカードは左側のリストのままです。

 

 メイジ  t1 pass
ハンター t1 《アージェントの従騎士/Argent Squire》

 

 メイジ  t2 《魔法使いの弟子/Sorcerer's Apprentice》
ハンター t2 《速射の一矢/Quick Shot》⇒《魔法使いの弟子/Sorcerer's Apprentice》

 

 メイジ  t3 《フレイムウェイカー/Flamewaker》

 

この状況を分析するにあたって、何点か考慮すべき点があります。ここで《フレイムウェイカー/Flamewaker》を処理する必要がどの程度あるかということです。他のケースでは《フレイムウェイカー/Flamewaker》を無視するプレイも考えられますが、ここで《フレイムウェイカー/Flamewaker》を倒さないという選択肢は無いでしょう。対処の方法に複数のパターンが考えられますし、放置するのは非常にリスクが高く、見返りも少ないからです。よって、ここでは処理することを前提とします。どの種のプレイが最も良いのか、マナ効率・数ターン先のカードの価値・ゲームプランを考慮にいれて考えてみましょう。

 原文:http://hearthstoneplayers.com/grinder-mage-guide-ticket-beat-shaman-meta/

 

グラインダーメイジ(メイジのコントロールデッキの1つ)の発案者であるStrife Croの今シーズンのレシピを見てみましょう。

 

 

レノメイジとの違いはAOEの量と、ゲームを長引かせることができるカードの枚数になります。(レノデッキには構築上制限がかかります)

Strife Croは対戦相手の傾向からデッキ構築に変化をつけています。例えば、シャーマンを選択するプレイヤーが多いことからテックカードとして武器を破壊するカードを採用しています。(《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》)

しかし、メタが変わり武器を使用しないクラスが台頭した場合、リストから外れることでしょう。このデッキには7枚のミニオン除去と、4枚のAOEが採用されています(《終末予言者/Doomsayer》+《フロストノヴァ/Frost Nova》コンボを含む)このデッキのゴールはカードバリューで相手を上回り、ゲーム終盤で勝利することです。主な回復手段はシークレットと《アレクストラーザ/Alexstrasza》です。


Card Choices and Explanaiton/カードの選択と説明
(フロストボルトなどの一部カードの説明は省略しました)

 

《おしゃべりな本/Babbling Book》
バリュー主体のこのデッキは、可能な限りカードアドバンテージを得ることができるものを選択したいです。《おしゃべりな本/Babbling Book》はゲーム序盤のスタートに最適です。ヒーローパワーや、スペルを用いて小さいミニオンとトレードすることが可能です。生成されるカードがデッキの価値を減ずるということは全くありません。《粉砕/Shatter》といった使いづらいカードでも特定の状況下ではバリューを引き出すことが可能です。(《フロストボルト/Frostbolt》との併用等)


《メディヴの従者/Medivh's Valet》
《アイスブロック/Ice Block》とのシナジーが非常に良好です。

 

《フロストノヴァ/Frost Nova》
《終末予言者/Doomsayer》と組みわせることにより非常に強力なボードコントロールの手段となります。《終末予言者/Doomsayer》が引けなかった場合は時間稼ぎとして利用します。またAOEのバリューを引き出すために相手に必要以上にミニオンを展開させることもできます。

 

《アイスバリア/Ice Barrier》
メインの回復手段で、マナが余ったときに8点のライフゲインが可能です。
ライフゲインによって除去の価値を高めたり、ゲーム中盤・終盤の強力なカードへアクセスするための時間を稼ぐことができます。

 

《アイスブロック/Ice Block》
最も強力なシークレットの1つで、このカードのおかげで除去を引くためのドローに専念することができます。《アイスバリア/Ice Barrier》よりも《アイスブロック/Ice Block》の方が《メディヴの従者/Medivh's Valet》としても良好です。

 

《カバル教団の魔道書/Cabalist's Tome》
構築では遅すぎると評されることもありますが、単純に強いカードに思えます。《イセリアルの召術師/Ethereal Conjurer》との違いは3枚のスペルを得られる代わりに6/3のスタッツを犠牲にするといったところでしょうか。厄介な状況を打開するカードを得られたリ、ゲーム終盤では《大魔術師アントニダス/Archmage Antonidas》のエンジンになることもあります。このカードが遅く、テンポを失うカードであることは否定できないので1枚のみの採用としました。

 

《大魔術師アントニダス/Archmage Antonidas》
主な勝筋の1つです。アントニダスをプレイする前に《ソーリサン皇帝/Emperor Thaurissan》でスペルをコストダウンしていれば簡単にゲームを終わらせることができるでしょう。ボードとヘルスが優位な状況であれば、《アレクストラーザ/Alexstrasza》を相手に使うことも可能です。

 

《炎の大地のポータル/Firelands Portal》
除去を行い、ボードに5マナのミニオンを追加できるのは大きなバリューとなります。ゲーム終盤で登場する《サンダー・ブラフの勇士/Thunder Bluff Valiant》と《ファイア・エレメンタル/Fire Elemental》を上手く処理することができます。


《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》
ゲーム序盤に登場する武器が非常に多いので、武器を除去することに関しては《ハリソン・ジョーンズ/Harrison Jones》よりも正しい選択肢でしょう《ハリソン・ジョーンズ/Harrison Jones》では《精霊の爪/Spirit Claws》や《イーグルホーン・ボウ/Eaglehorn Bow》などに対応するには遅すぎます。また手札が溜まることが多いデッキなので、このカードならばオーバードローを気にせずに使うことができます。

 

《ブラッドメイジ・サルノス/Bloodmage Thalnos》
カードが必要な時には単にサイクルをすることも可能です。

 

《エリーズ・スターシーカー/Elise Starseeker》
《黄金のサル/Golden Monkey》をプレイすれば、強行突破が可能です。手札で腐っているカードをレジェンドに変えましょう。

 

《ソーリサン皇帝/Emperor Thaurissan》
《大魔術師アントニダス/Archmage Antonidas》で《ファイアーボール/Fireball》を生成する前段階として使用できます。このデッキは手札の枚数が5枚以上あることが良くあるので、大きなバリューを得ることができます。


《アレクストラーザ/Alexstrasza》
Strife Croが何時もグラインダーメイジのデッキに入れているカードで攻撃的にも、防御的にも使うことができます。《大魔術師アントニダス/Archmage Antonidas》のフォローとしても優れていて、ヒール手段を持たない相手に対しては2ターンかけてリーサルをセットアップすることができます。


Mulligans/マリガン
除去とドローをキープします。
基本的なマリガンは以下の通り。

 

優先度が高いもの
《終末予言者/Doomsayer》
《フロストボルト/Frostbolt》
《おしゃべりな本/Babbling Book》
《魔力の炸裂/Arcane Blast》

 

優先度が中程度のもの
《アイスバリア/Ice Barrier》
《アイスブロック/Ice Block》
《メディヴの従者/Medivh's Valet》(マナカーブが良く、《アイスブロック/Ice Block》が既にある時)
《魔力なる知性/Arcane Intellect》(軽い除去が既に手札にある時)

 

特定のマッチアップでキープするもの
《酸性沼ウーズ/Acidic Swamp Ooze》(武器を使用するヒーローに対して)
《フロストノヴァ/Frost Nova》+《終末予言者/Doomsayer》(ウォーロックに対して)

 

 

Matchups/マッチアップ

ミッドレンジシャーマン
現在のメタの20%以上を占めています。筆者は13-4の戦績で、かなり良いスコアを記録しています。アグロシャーマンはナーフが来てから完全に姿を消してしまいました。

 

ハンター
シークレットハンターの場合は非常にやっかいなマッチアップとなります。《帽子から猫/Cat Trick》や《秘密の番人/Secretkeeper》はこのデッキのカードに対する直接的なカウンターとなりえます。

 

ウォーリアー
コントロールウォーリアーが相手ならば、不利なマッチアップです。長期戦ではこのデッキにはドローが多く、対戦相手のカードパワーは単純にこちらより高いのです。海賊ウォーリアーも一定数存在しています。どのマッチアップでも容易に勝利することは困難でしょう。

 

ウォーロック
有利なマッチアップです。5ターン目の《フロストノヴァ/Frost Nova》+《終末予言者/Doomsayer》はゲームの勝筋となるでしょう。

 

メイジ
フリーズメイジが相手の場合、非常に厄介なマッチアップとなります。相手はこちらよりもドローが進むので、ファティーグまで持ち込むのが主な勝筋となります。テンポメイジが相手の場合はゲーム序盤の除去がカギとなります。1~3ターン目の展開を捌くことができれば勝利は容易でしょう。


デッキリスト変更するならば

《おしゃべりな本/Babbling Book》×1 ⇒《動物変身/Polymorph》×1
マリゴスドルイドの《マリゴス/Malygos》
ミッドレンジハンターの《サバンナ・ハイメイン/Savannah Highmane》に良く刺さります。