「九龍城」といっておわかりになる方はかなりの香港通でしょう、きっと。
阿片戦争後築城された九龍寨城。
太平洋戦争中日本軍によって城壁は取り壊されたものの、戦後、跡地にバラックが建ち並び、さらには無許可の10数階建て鉄筋コンクリートの高層ビル群と化して増殖してゆきます。
その数300棟以上。
ビルとビルとの隙間にもビルを建てるとゆう超高密度にしてシュールな集合体。
最盛期には50,000人が住んでいたといわれる九龍城。
写真を見れば、「魔窟」と呼ばれ、一度入ったら二度と出られないと噂された九龍城の凄まじさをご理解いただけることでしょう。
それは、ま、ネットで検索していただくとして。
1994年、香港政庁によって完全に解体撤去され、いまや伝説となっている九龍城。
それがなんと日本にもありました。
テレビ、新聞などでご覧になった方もおありでしょう。
九段下ビル。
前を通るたびこのビルはいったいなんだろとおもっていたオンボロビル。
1927年に竣工した3階建ての古~~いビルは取り壊されることに。
で、探検にいってきました。
コンクリむき出しの暗い階段。
踊り場にあるトイレ。
この型のトイレなんてはじめて見る方もいらっしゃるんぢゃないでしょうか。
頭上の木箱が水を貯めるタンクです。
どーやって水を流すか。
木箱から垂れ下がっている鎖をひっぱるんですね。
エイッ。
2メートルほどの落差を利用して下り落ちる水。
瞬時にして流れるウンコ。
爽快ですね。
やっぱトイレ(とゆうより便所だな)はこーでなくっちゃ。
部屋の壁も天井もところどころ剥げ落ち亀裂が入っています。
そして、バルコニーには・・・柵がありません。
こわいよぉ。
そんな九段下ビルで、有志集まり「さよなら九段下ビル」と題してギャラリー展を開催しています。
みなさま、お時間ありましたら覘いてみてはいかがでしょうか。
失われゆくものの美を体感できるとおもいますよ。