私がもっとも恐れる病気。
それは、ガンでもなく、心筋梗塞でもなく、脳卒中です。
ガンにしても心筋梗塞にしても死に至る病ではあるけれど、発症してただちに半身不随になることはないでしょう。
が、脳卒中にはそれがある。
だから、恐れる。
古代、中国戦国時代の縦横家であり、連衡策で秦を戦国七雄の最強国とした張儀(ちょうぎ)は若いころ、盗みの嫌疑をかけられ鞭打たれました。
釈放されて家に帰った張儀をなじる妻に彼は問います。
「わしの舌を見てくれ。まだ、あるかどうか」
妻が笑って「ありますよ」と答えると、
「それなら安心だ」と言ったとか。
司馬遷の「史記」にあるこのエピソードは、シビれてしまう、私の好きな話のひとつです。
舌先三寸で国を動かした張儀ほどではなくとも、人とのたのしい会話(議論、ディベート、口論、口説、告白、懺悔などなどをふくむ)を至上のタノシミとかんがえている私としては、半身不随となって会話に支障をきたすことだけは、なんとしても避けたい。
で、検査を受けちゃいましたよ。
「頭部ならびに頚部のMRIおよび血管撮影」。
結果は・・・異常は認められない。
ホッとしましたですよ。
これで、きょうから、安心してお酒が呑める。
むこう10年間はダイジョーブだろ。