先日、ゆとりちよだが斡旋してくださった歌舞伎鑑賞教室公演「義経千本桜」の「渡海屋の場」と「大物浦の場」を観てきました。「大物浦の場」では、平家の総大将・新中納言知盛を演じた尾上松緑が身に巻きつけた巨大な碇(いかり)を海に沈めて入水するシーンなど、見どころの多い芝居で堪能しました。解説をしてくれたのが尾上松也(おのえまつや)。この役者、私は知りませんでしたが、解説は懇切丁寧、意を尽くして歌舞伎の面白さを語ってくれましたから、前列に陣取った中学生(?)たちにも理解できたでしょう。姿・口跡よく、次代を担う歌舞伎の若手として注目しようかとおもっておりましたら、「ゆとりちよだ」77号が到着しましたよ。さぁて、今月号にはどんなたのしい情報が掲載されているんでありましょうか。




まず、ご紹介するのは、六本木サントリー美術館で開催される「あこがれのヴェネチアン・グラスー時を超え、海を越えて」展です。中世イタリアの地中海交易の拠点都市として栄えたヴェネチア(ヴェニス)。その交易品のなかに、高度な技術で世界に名を知らしめしたヴェネチアン・グラスがあったのであります。無色透明な「クリスタッロ」と呼ばれるクリスタルグラスの開発に成功したヴェネチアのガラス職人。かれらの創る繊細で優美なガラス工芸はヨーロッパのみならず遠く日本にまで影響を及ぼしました。展覧会のチラシを見ても、その技術力の高さはわかりますね。船形水差の造形の美しさ。絹のレースをそのままワイングラスにしたようなレースグラス・ゴブレット。いずれ劣らぬ逸品揃いです。秋風が吹いたら東京ミッドタウンへ遊びにゆきましょうか。




いまもなお語り継がれるシャンソン歌手エディット・ピアフ。代表曲「愛の賛歌」、「バラ色の人生」は、その題名を知らなくても、誰もが一度は聴いたことがあるでしょう。すでに伝説の人となっているエディット・ピアフの波乱の生涯を、日本を代表する女優といっていい、大竹しのぶが演じます。1975年製作映画「青春の門」で初々しくも鮮烈なスクリーンデビューを果たした大竹しのぶ。その後の彼女の活躍ぶりはみなさまご存知の通り。その彼女が、イギリスの劇作家バム・ジェムス(知りませんでした)の戯曲「ピアフ」で、ピアフの人生と歌に挑戦します。演出は、ベケット「ゴドーを待ちながら」や井上ひさし戯曲の演出家として知られる栗山民也です。「生きた。歌った。愛した」ピアフを大竹しのぶがどのように演じるのでしょう。これは、もう、この秋イチバンのおススメですね。有楽町シアタークリエで上演されますよ。




懐かしい歌が帰ってきます。「イムジン河」、「この広い野原いっぱい」、「あの時君は若かった」、「誰もいない海」、「どうにかなるさ」・・・題名を聞いいただけで胸を締め付けられる方が大勢いらっしゃることでしょう。新宿西口地下広場でのフォーク集会。反戦デモに参加、機動隊に殴られ、催涙ガスで蹴散らされ、逃げまどった日々。彼女との出会いと別れ(私は体験してませんが)。百人百様の思い出が蘇ってくるでしょう。「フォークビレッジコンサート」。渋谷渋谷公会堂で開催されますよ。トワ・エ・モア、ムッシュかまやつ、本田路津子、フォーセインツなどなど、年輪を積んで歳相応になったかれらが青春の思い出を歌ってくれます。涼しくなったら若い時代を回顧しに渋谷へ繰り出しますか。でも、「インター」を歌うことは、決してないだろうな。




そのほかにも、結成60年記念ツアーとしてイ・ムジチ合奏団がやってきますよ。イチバンの呼び物、ヴィヴァルディの「四季」はモチロン演奏されます。六本木東京オペラシティコンサートホールで美しい旋律に酔いましょうか。有楽町帝国劇場ではミュージカル「ニューヨークに行きたい」が上演されます。浅丘ルリ子・村井国夫の両ベテラン俳優が演じるは老人ホームから駆け落ちする(!)老人。それぞれの娘と息子には元宝塚のトップ女優・瀬奈じゅんと劇団☆新感線出身の橋本さとし。さて、豪華客船でどんなドタバタが繰り広げられるのでしょうか。それは・・・観てのおタノシミ。同じ帝国劇場では、帝国劇場100周年を記念して谷崎純一郎原作、菊田一夫脚本による「細雪」が上演されます。大阪・船場の老舗木綿問屋に生まれた美しい4人姉妹の物語。高橋惠子、賀来千香子、水野真紀、中越典子が演じます。衣装代でン億とかが話題になるこの芝居。ま、豪華な衣装を観にゆくのも悪くないかもしれませんね。



 

今月もたのしい情報満載の「ゆとりちよだ」77号。アキバのみなさまには・・・神田のジョニー・デップとよばれる私がおもちしました。おタノシミに。