お彼岸ですね。私にとって「赤」の原体験とも言うべきは、子どもの頃に見たヒガンバナ(曼珠沙華)です。あの赤い色が気持ちが悪かったことです。あの赤いのが地面から、すっと立ち上がっているのが何とも言えず不気味で、気持ちが悪いと言ったら、父が白秋の『曼珠沙華(ひがんばな)』の歌を教えてくれました。それで、すっかり不気味さが定着しました(笑)。父も赤を嫌います。それは、子どものとき戦争があって、軍事教練で殴られたからです。教官が陸軍帽をかぶっていたからだそうです。Googleで「旧日本軍陸軍帽」を検索窓にいれて画像検索してください。ぐるりが赤色です。
うんと暑い南の島は別でしょうが、かつての日本の農村にはあんなに赤いものは滅多になかったものです。だから、見慣れていませんでした。私には刺激が強すぎたんですね。
ひ が ん ばな
曼珠沙華 北原白秋(作詞)、山田耕筰(作曲)
Gonshan, Gonshan 何処へゆく
ひがんばな
赤い お墓の曼珠沙華 曼珠沙華
けふも手折りに来たわいな
Gonshan, Gonshan 何本か
地には七本 血のやうに 血のやうに
丁度 あの児の年の数
Gonshan, Gonshan 気をつけな
ひとつ摘んでも 日は真昼 日は真昼
ひとつあとからまたひらく
な し
Gonshan, Gonshan 何故泣くろ
い つ
何時まで取っても 曼珠沙華 曼珠沙華
恐や 赤しや まだ七つ