■書評■ 「結果を出す人」の仕事のすすめ方
何のためにビジネス書を読むのか…ということを考えた時に、趣味(娯楽)で読むと回答する方は少ないと思う(僕自身はそういう側面もあるけれど・汗)。
やはり、普通は限られた時間を割いて読んだビジネス書から、ビジネス(仕事)に関するヒントや、人生における訓示を得たいと思って読むものだろう。
つまり、「ビジネス書から何かを得て、それを自分自身に活かしたい」と思っているはず。
では、実際のところ、どれほど活かせているだろう?
こう聞かれ、あるいは自分自身で問いかけて、明確に自分の活用法をとつとつと喋ることのできる人は素晴らしい人だけれど、残念ながら、目を伏せ、心の問いかけに耳を塞いでしまいたい気持ちになる人が圧倒的に多いだろう(自分のことは棚にあげておかないと、こんなことは書けない)。
しかし「結果を出す人」は違う。
本書で、「結果を出す人」こと著者の美崎さんは、本のプロ(書評ブロガーまでプロに含まれているのは些か違和感があるけれど)から推薦された良書200冊を実際に読み、それぞれの本から一つひとつアクションを起こすという実際の使用法を見せてくれている。
(実際のところ、自分の仕事や人生に活かそうと思って、自分で選び出した書籍でアクションを起こすよりも何段かハードルが高いと思うのだが、そこは流石だ。)
僕も本書で取り上げられている200冊のうち、56冊は実際に読んだことのある本だった。(2010年3月18日時点)
しかし、アクションを起こせていない本が大半であり、中にはまるで内容を説明できない本まである始末…
まず僕は、美崎さんがまとめてくださった「アクションリストをつくる5つのルール」を遵守することから始めよう。
美崎さんがどんな200冊を読み、そこからどんなアクションを導き出したのか、という具体的な内容については本書を読んでいただくとして、ここでは、僕がお薦めしたい読み方を3つ紹介したい。
(1)自分と比較する
これは、僕もそうだけど、そこそこ自分でもビジネス書を読んでいる!と思っている方にお薦めの読み方。
こう読むことで、いかに自分はアクションを導き出せていないかということが浮き彫りになり、これではいかん!と発奮すること間違いなし。
いや、別に…という方は、ビジネス書を読む目的が「仕事や人生に活かす」というものとは完全に違っている人(趣味、研究の為など)だろうから、そういう方は別あけど。
その際に心に留めておきたいポイントがこれ。
この読み方をしていると、同じ本を読んでも美崎さんと自分との間で、捉えたポイントや実際に活かした内容が違うということも見えてくる。
そして、それは自分の求める「結果」につながっているのであれば、それでいいんだということを押さえておきたい。
(2)良質なブックガイドとして読む
美崎さんは、本書は「本の批評本や書評、読書ガイドではありません(p.4)」と明言している。
しかし、ノート術や勉強会などで美崎さん個人のファンとして本書に興味はあるけれど、ビジネス書はあまり読まないんだよね…という方にとっては、「こんなに仕事に活かせる知恵に溢れているのなら…」という気持ちにさせてくれる本だと思う。
また、その際に美崎さんがどのようなアクションに結び付けたかということは選書の一つの基準になるはずだ。
しかも、先に書いたとおり、本書で紹介されている200冊はもともと本のプロと呼ばれる方々からの推薦が元にあり、闇雲に書店で本を選ぶよりも良質な本に出合える確率ははるかに高いのだから。
(サクラのいない、登録に事前審査が必要で、信頼ある機関が開催しているお見合いパーティのイメージが浮かぶ。)
(3)素直にアクションプランのつくり方を学ぶ
(1)や(2)と重なる部分もあるけれど、ビジネス書の活かし方を学ぶというのが最もオーソドックスな読み方。
ただ、今まで読んできて活かせなかったものが、そう簡単にアクションに結びつく読み方をしようと言われたところで難しいという人もいるだろう。
そんな人には、是非本書で紹介されている200冊の中から何冊か選んで読んでみてもらいたい。
アクションを導き出すことが難しければ、美崎さんの導き出し方が参考になる。
本書を参考にしながら、何冊かアクションを起こす練習をすれば(実際にアクションを起こせば)、本書だけでなく、読んだ本の情報もきちんと活用された、立派な「結果を出す人」の読み方になっているはずだ。
いずれにせよ、「結果を出す人」になりたければ、すぐにやることが必須であると同時に、一番の近道だと美崎さんは言っている。
その言葉を胸に刻み、「書評とは別に自分の手帳にアクションプランを書く」ことを、本書から盗む自分のアクションにしたい。
美崎さんからはこんな言葉も戴いた。
あきらめずに結果につなげていこう!
追伸:
本書に合わせた新しい名刺もいただいたけれど、これからお会いする方へのサプライズ的に使用されるのかもしれないので掲載は自粛。
美崎さんのアイデア、遊び心に脱帽の新名刺は、勉強会やセミナーなどで美崎さんにお会いしたときを是非お楽しみに。
■ 関連リンク
公式サイト「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 美崎栄一郎
■ 基礎データ
著者: 美崎栄一郎
出版社: アスコム 2010年3月
ページ数: 239頁
紹介文:
スーパーサラリーマンが良書200冊から成果につなげた仕事術!
大手化粧品メーカーの現役サラリーマンとして数々のヒット商品を世に送り出す一方、処女作『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』がベストセラーとなり、一躍メディアからも大注目される著者。
本書では、書評ブロガー、有名著者、カリスマ書店員、編集者など本のプロ達が推薦する約200冊の内容を、著者自ら実践し、成果につなげた仕事術を初公開! 本好きの人も、そうでない人も、今日からスグ使える仕事の具体アクションが満載です!
■ 他の方の書評記事
マインドマップ的読書感想文:
【200冊のエッセンス!】『「結果を出す人」の仕事のすすめ方 』美崎栄一郎
僕の問題は誰かが解決している:
読書(どくしょ)ではなく読使用(どくしよう) 【「結果を出す人」の仕事のすすめ方】 美崎栄一郎
ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~:
【読書日記】愚直に実行することが、結果を出すコツ-「『結果を出す人』の仕事の進め方」
ビジネス本でバージョンアップ2.0!:
「結果を出す人」の仕事のすすめ方‐ビジネスに効く200冊からイイとこどり! 美崎栄一郎
一流への道:
とにかくアクションを起こせ!【書評】美崎栄一郎(著)『「結果を出す人」の仕事のすすめ方』(アスコム)
活かす読書:
「結果を出す人」の仕事のすすめ方
やはり、普通は限られた時間を割いて読んだビジネス書から、ビジネス(仕事)に関するヒントや、人生における訓示を得たいと思って読むものだろう。
つまり、「ビジネス書から何かを得て、それを自分自身に活かしたい」と思っているはず。
では、実際のところ、どれほど活かせているだろう?
こう聞かれ、あるいは自分自身で問いかけて、明確に自分の活用法をとつとつと喋ることのできる人は素晴らしい人だけれど、残念ながら、目を伏せ、心の問いかけに耳を塞いでしまいたい気持ちになる人が圧倒的に多いだろう(自分のことは棚にあげておかないと、こんなことは書けない)。
しかし「結果を出す人」は違う。
本書で、「結果を出す人」こと著者の美崎さんは、本のプロ(書評ブロガーまでプロに含まれているのは些か違和感があるけれど)から推薦された良書200冊を実際に読み、それぞれの本から一つひとつアクションを起こすという実際の使用法を見せてくれている。
(実際のところ、自分の仕事や人生に活かそうと思って、自分で選び出した書籍でアクションを起こすよりも何段かハードルが高いと思うのだが、そこは流石だ。)
僕も本書で取り上げられている200冊のうち、56冊は実際に読んだことのある本だった。(2010年3月18日時点)
しかし、アクションを起こせていない本が大半であり、中にはまるで内容を説明できない本まである始末…
まず僕は、美崎さんがまとめてくださった「アクションリストをつくる5つのルール」を遵守することから始めよう。
美崎さんがどんな200冊を読み、そこからどんなアクションを導き出したのか、という具体的な内容については本書を読んでいただくとして、ここでは、僕がお薦めしたい読み方を3つ紹介したい。
(1)自分と比較する
これは、僕もそうだけど、そこそこ自分でもビジネス書を読んでいる!と思っている方にお薦めの読み方。
こう読むことで、いかに自分はアクションを導き出せていないかということが浮き彫りになり、これではいかん!と発奮すること間違いなし。
いや、別に…という方は、ビジネス書を読む目的が「仕事や人生に活かす」というものとは完全に違っている人(趣味、研究の為など)だろうから、そういう方は別あけど。
その際に心に留めておきたいポイントがこれ。
この読み方をしていると、同じ本を読んでも美崎さんと自分との間で、捉えたポイントや実際に活かした内容が違うということも見えてくる。
そして、それは自分の求める「結果」につながっているのであれば、それでいいんだということを押さえておきたい。
(2)良質なブックガイドとして読む
美崎さんは、本書は「本の批評本や書評、読書ガイドではありません(p.4)」と明言している。
しかし、ノート術や勉強会などで美崎さん個人のファンとして本書に興味はあるけれど、ビジネス書はあまり読まないんだよね…という方にとっては、「こんなに仕事に活かせる知恵に溢れているのなら…」という気持ちにさせてくれる本だと思う。
また、その際に美崎さんがどのようなアクションに結び付けたかということは選書の一つの基準になるはずだ。
しかも、先に書いたとおり、本書で紹介されている200冊はもともと本のプロと呼ばれる方々からの推薦が元にあり、闇雲に書店で本を選ぶよりも良質な本に出合える確率ははるかに高いのだから。
(サクラのいない、登録に事前審査が必要で、信頼ある機関が開催しているお見合いパーティのイメージが浮かぶ。)
(3)素直にアクションプランのつくり方を学ぶ
(1)や(2)と重なる部分もあるけれど、ビジネス書の活かし方を学ぶというのが最もオーソドックスな読み方。
ただ、今まで読んできて活かせなかったものが、そう簡単にアクションに結びつく読み方をしようと言われたところで難しいという人もいるだろう。
そんな人には、是非本書で紹介されている200冊の中から何冊か選んで読んでみてもらいたい。
アクションを導き出すことが難しければ、美崎さんの導き出し方が参考になる。
本書を参考にしながら、何冊かアクションを起こす練習をすれば(実際にアクションを起こせば)、本書だけでなく、読んだ本の情報もきちんと活用された、立派な「結果を出す人」の読み方になっているはずだ。
いずれにせよ、「結果を出す人」になりたければ、すぐにやることが必須であると同時に、一番の近道だと美崎さんは言っている。
その言葉を胸に刻み、「書評とは別に自分の手帳にアクションプランを書く」ことを、本書から盗む自分のアクションにしたい。
美崎さんからはこんな言葉も戴いた。
あきらめずに結果につなげていこう!
追伸:
本書に合わせた新しい名刺もいただいたけれど、これからお会いする方へのサプライズ的に使用されるのかもしれないので掲載は自粛。
美崎さんのアイデア、遊び心に脱帽の新名刺は、勉強会やセミナーなどで美崎さんにお会いしたときを是非お楽しみに。
■ 関連リンク
公式サイト「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 美崎栄一郎
■ 基礎データ
著者: 美崎栄一郎
出版社: アスコム 2010年3月
ページ数: 239頁
紹介文:
スーパーサラリーマンが良書200冊から成果につなげた仕事術!
大手化粧品メーカーの現役サラリーマンとして数々のヒット商品を世に送り出す一方、処女作『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』がベストセラーとなり、一躍メディアからも大注目される著者。
本書では、書評ブロガー、有名著者、カリスマ書店員、編集者など本のプロ達が推薦する約200冊の内容を、著者自ら実践し、成果につなげた仕事術を初公開! 本好きの人も、そうでない人も、今日からスグ使える仕事の具体アクションが満載です!
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