[記事] 時間を圧縮した本の読み方 | 知磨き倶楽部 ~ビジネス書で「知」のトレーニングを!~

[記事] 時間を圧縮した本の読み方

元外務省主任分析官である佐藤優氏による読書法の紹介。


佐藤さんは大体月に120冊~130冊程度の本を読んでいるという。

しかし、どれもこれも熟読し、端から端まで目を通しているかというとそうではない。

ご本人流の「速読」を織り交ぜての読書である。



佐藤さんがこれだけの本を読めるのは、外交官時代に培った情報の選別術を読書にも応用しているからだという。

どういうことかと言うと、


情報を担当する外交官の机の上には、毎朝、公電が20cm位(400字詰め原稿用紙で1500枚程度の情報量)が積まれていて、それらを2~3時間で処理しないと仕事にならない


という状態が3年も続けば、これだけの量を、ざっと目を通すもの、読まないで済ませるもの、熟読するものに30分程度で仕分けることができるようになるそうだ。

こうして仕分けられた情報のうち、重要なもののみ丁寧に読めば足りることになる。



これを読書に応用すると、熟読しなければならない専門書の類は、多くても月に3~4冊程度しかこなせないと言う。

重要なのは、こうして熟読しなければならない本を絞り込み、それら以外については速読することになる。

ただし、本に書かれている内容についての基礎知識がなければ速読はできない。

逆に、基礎知識が身についているならば、既知の内容に関する部分は読み飛ばし、未知の内容を丁寧に読む

佐藤さんのいう「速読」は、分からないものをスピードに乗って飛ばすことではなく、新たに知る事項にフォーカスした読み方をすることを言うようだ。



そのほか、専門分野を持つ人々が集まって行うブックレビュー(書評)も、短期間に知識の水準を底上げすることができるとして奨励している。

※その様子等については本誌を当たっていただきたい。


なお、注意点として、このような会合は、最初にレビューする冊数を決めておいて、すべて消化したところで会合自体を終了させることが大切だという。

なぜなら、恒常的な勉強会となると、組織維持にエネルギーを割かれるからだという。

※この点、勉強会主催者の方には反論もあろうが、佐藤さんの考え方として紹介させていただく。



読書法や速読法などの書籍を何冊も読んでいる人にはさほど目新しい方法論でもないように思えるが、佐藤さんの知識のインプットおよびアプトプット量は凄いと思う。

こうした実績の裏づけのある方の方法論として、参考に値すると思っており、既知の内容を何度も時間をかけて読まないよう、時間を圧縮した読書を行っていきたい。



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