煎茶の道のそのかたわらに | あわじのメモノート

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日々のつれづれをぼちぼちと

ここのところ勤め先にて
茶合に加工される煤竹の磨きをしています

煤竹とは昔ながらの日本家屋で使われていた竹部材
煮炊きの煙に何十年……ともすれば百有余年といぶされたものであります
現代の住宅からはまず生み出されない貴重な品です
竹が纏っていた煤を丁寧に洗いこそぎ落すと
飴色にて渋い風合いがあらわれます

長さ15センチ弱にして直径も5センチほどでしょうか
師匠が切り分けて茶合の大きさにした竹の内側を磨くのです

第一工程
丈夫で厚手のヤスリを木型にあてて万力で固定し
煤竹の内側をざっと磨きます

第二工程
耐水ペーパー320番でさらに磨きます

第三工程
耐水ペーパー800~1000番を用いて内側については仕上げ磨きをします
(今後の研究で磨き方には変更もあり得ます)

竹ごとに内側の状態も異なりますので
同じような回数や力具合で磨いてもツルツルの面とならないことがあります
それもまた面白いところです

本日(2014年6月18日)は第三工程まで終えた竹を師匠に確認してもらいました
次回勤務では縁に320番の耐水ペーパーをあてて
仕上げに800番の耐水ペーパーをあてます

こうした磨きの工程を経た煤竹に
師匠が細くも力強い線の彫り込みを入れます

次世代を担う若者が手に取ってくれるデザインの物も造りたいと
師匠は考えているようです

蛇足ながら私が彫り込めるようになったあかつきには
電車や創作物のキャラクターをぜひ仕上げたいと思います
まあまずは師匠が茶合を納めている煎茶の師範・門弟の方々に
認めていただける一品を作れるようになるのが先かと思いますが……
今は折々のお茶席で用いられる一品に私の心も込められるというだけで嬉しいものです