花を贈る人、贈られる人-死んでからより生きているうちに・・- | 宇田 明の『もう少しだけ言います』

宇田 明の『もう少しだけ言います』

宇田 明が『ウダウダ言います』、『まだまだ言います』に引き続き、花産業のお役に立つ情報を『もう少しだけ』発信します。

美的センスを持ちあわせていないと自覚をしています。
そのため、今回は小さな声でのつぶやき。

先日のブログ、
お祝い、記念の花は、
還暦の「60本のバラ」のあとも、
引きつづいて祝いがあることを紹介しました。

「還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿」

No.32 2016年8月7日「物日に押しつぶされる花産業」
http://ameblo.jp/awaji-u/entry-12187731302.html

これらの祝いは古くからの習慣で数え年。
つまり、満年齢より1歳若い。
そうすると、自分が古希であることに気がつきました。
家族はだれも気がついていませんが・・

そんなときに、
先日の日本花き生産協会スプレーマム部会の研修会で、
マムをつかったビクトリーブーケや
会場を装飾していただいた飯野正永さんのFB。
古希のお祝いでつくられた花束。
紫を基調。
人気が高いそうです。



画像 神奈川県秦野市 フローリストせきど
   飯野正永氏作成
   古希のお祝い花束

先のブログで、
長寿社会、
還暦のハッピーローズだけではもったいない。
そのあとも・・と書きました。

そしてシンボルカラー
  古希(70歳)シンボルカラー 紫
  喜寿(77歳) 紫
  傘寿(80歳) 金茶
  米寿(88歳) 金茶
  卒寿(90歳) 金茶
  白寿(99歳) 白
  百寿(100歳) 白


画像 港区麻布10番 フラワーショップ「エム・ミュゼ」さん

確かに、古希のシンボルカラーは「紫」。
しかし、自分に当てはめてみると、
ん~
ぜんぜん違う。

古希のお祝いの花を贈るのは、息子や娘たち。
花屋さんのお客さまは、
注文した息子や娘たち。

花屋さんのおすすめで、
シンボルカラーの紫や白、金茶基調の花束を注文。

若い人自身も紫や白などシックな色合いを好むそうです。
贈る側、売る側はセオリー通りでハッピー。

しかし、贈られる側はなんかちがう。
自分は若いと思っているのに、そんな地味な色・・

最近のお葬式、
赤やピンクがあり、もっと派手で華やか。

画像 日比谷花壇のお葬式

死んでからでなく、
生きているうちに、
華やいだ色の花がほしい。

都会のデザイナーが軽蔑する「ピンクのバラにカスミソウ」
「いいね!」


画像 玄人が軽蔑し、素人のお客が喜ぶ「バラにカスミ」の花束
   
時代はかわる。
というよりも、古希世代は時代を変えてきた。
「セオリー」をことごとく覆してきた。
「造反有理」



画像 「造反有理」(謀反にこそ道理がある)

古希、喜寿・・のシンボルカラー、
それはそれ。

敬老の日の花束、
地味な爺さん婆さんに地味な花束、
似合わない。
シックな花束は元気な若者にこそ似合う。

同じ世代の同志 フジイカズコ氏のコメント
「地味な色よりショッキングピンク入った華やかな中にも奥行きのある大人コーディネート花束頂くと気分までアップ、若返ります。
仕事ではグリーンと白などシンプル空間コーディネート好きですが。
デパートで年配者の階に地味な色で装飾していると元気なくなり、
その場から離れます。
年配者の意見も聞いてくださいませ?」


古希、喜寿、敬老の日は花を贈られる側の爺さん婆さん。
それ以外では、花を買っているのはこの世代。
若者世代ではない。



図 1世帯当たりの1年間に購入する切り花の金額(2014年)
  29歳以下2,923円、60歳代13,479円、70歳代13,294円

VANにアイビールック
ベンチャーズにビーチボーイズ
元祖長髪世代

その団塊の世代が、
とうに還暦を過ぎ、
古希を迎える。


画像 教祖 石津謙介のVAN


画像 1960年代の若者の憧れアイビースタイル
   いまでは日常

花屋さんは、
サザエさんのお父さん、波平を思いうかべて花束をつくってはならない。
しかも波平さんは54歳
いまどきこんな54歳はいないだろう。


画像 磯野波平54歳

いまどきの爺さん婆さんは、
タケシであり、ヒラリー・クリントン
トランプは去年が古希

予備軍には矢沢永吉



画像 古希を迎えたいまどきの爺さん婆さん


画像 トランプは去年が古希


画像 若者よ、この爺さんに勝てるか

この爺さん婆さんたちの気質、好みを見誤っているから、
消費が低迷したまま。

年寄りはこんな色との先入観。
それでは財布のひもをゆるめない。

マーケティング、経済、経営の評論家、学者・・
シニアの心情がわかっていない。
だから、日本経済がよくならない。

息子たちよ、娘たちよ!
祝いには、じじくさい色の花束はやめてくれ。
生きているうちに、
上品で華やかな色合いの花束を贈ってくれ。

花屋さんには、
「いまのお年寄りはお若いので、昔とちがって派手な色目で・・」と言ってほしい。



今回は年寄りの「ぼやき」でした。
「責任者でてこい!!」

「宇田明の『まだまだ言います』」(No.37 2016. 9.18)

以前のブログは
なにわ花いちばHP(http://ameblo.jp/udaakira)でご覧頂けます