新春の定番「どうなる? 今年の○○」 | 宇田 明の『もう少しだけ言います』

宇田 明の『もう少しだけ言います』

宇田 明が『ウダウダ言います』、『まだまだ言います』に引き続き、花産業のお役に立つ情報を『もう少しだけ』発信します。

地方でも文化的な生活。
役場、商工会、信用金庫などが主催する講演会。
けっこう多い。

テレビで見たことがある学者、論説委員、コメンテーター、
スポーツ選手、タレント、お笑い芸人などがやって来る。
もちろん無料。



新春の定番は「今年の景気占い」
お題は
「どうなる?今年の日本経済」

つっこみ
「それがわかってどないするん」

株をもたず、ドルも買わない庶民
日経平均株価が2万5千円になろうが
1万5千円に下がろうが
1ドル130円でも90円でも
毎日、コツコツ働くだけ

とはいえ、どうなるか興味はある
新聞、テレビ、週刊誌
予想は花盛り
プロのエコノミストでも予想はばらばら
当たるも八卦・・

わたしも今年の花産業を占ってしんぜよう
よりどころは総務省家計調査

図1(クリックすると大きくなります)
二人以上の世帯
赤丸
1年間の切り花購入額(左目盛り)

青丸
消費支出(右目盛り)
いわゆる生活費


図1 二人以上世帯の1年間の切り花購入額と消費支出額(生活費)
   総務省家計調査

これまで何度も目にしたグラフと形は同じ
90年代のバブル期までは右肩上がり
90年代末からは右肩下がり

二人以上世帯の切り花購入額(年間)
ピークは1993年の12,912円
2014年は9,707円

わかること
切り花購入額は消費支出(生活費)と同じ山型グラフ


図2 切り花購入額と消費支出額(生活費)との相関

それを確かめたのが図2
両者には高い相関
消費支出が増えると切り花購入額も増える
双子の兄弟

つまり、
消費支出(生活費)が増えると切り花購入額も増え
消費支出(生活費)が減ると切り花購入額も減る
消費支出(生活費)は収入に連動(相関)(データ略)

収入が減る→消費支出が減る→切り花購入額が減る

ということは
収入が増える→消費支出が増える→切り花購入額が増える

つまり
景気がよくなれば切り花購入額も増え、花産業はハッピー

そんなことはあたりまえ
誰でもわかっている

それが案外、あたりまえではないのです

例えば、「米」
景気に連動しない
景気に関係なく減りつづけ

収入が増え、消費支出が増えても、米の購入額は増えない

1985年には年間購入額7万5千円
2014年には2万5千円
30年で1/3にまで減った
消費量(食べる量)が減り、単価も下がった

日本は弥生時代から米中心の国
米中心の農政はむずかしい
アベノミクスの恩恵をうけない
TPPでいっそう補助金をもらうだけか
自民党農林部会長小泉進次郎も頭が痛いでしょう

例えば、「生鮮野菜」
キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ブロッコリーなど
収入が減ろうが増えようが購入額はほぼ一定(データ略)
景気に連動しない生活必需品

さて景気に連動する切り花
もう一度図1をごらんください

切り花購入額と消費支出
2012年からやや持ちなおし、上向き
アベノミクスの効果(と思いたい)

本題に戻る
2016年の花産業はどうなる?

米のように
景気がよくなっても減りつづける品目は多い

苦しいながら花には希望がある
明るさがある
景気がよくなれば消費が増えるのだから

2016年
アベノミクスの効果で景気が好転(するハズ)
景気がよくなると花の消費は増える

みなさまからのつっこみ
花産業
景気頼みだけで何もしなくていいのか!
そんな後ろ向きだから衰退したのだ!!



画像 景気頼みは「えべっさん」
   商売繁盛で笹もってこい!!!
  

おっしゃるとおり

そのあたりは次回


「宇田明の『まだまだ言います』」(No.2 2016.1.10)

これまでのブログは
なにわ花いちばHP(http://ameblo.jp/udaakira)でご覧頂けます