前回 の続きです。








   真実に忠実であることは

   今まで語ってきた通り、大切なこと。


   そして、必要に応じて真実を語ること、

   場合によっては真実をすべて胸に秘めることのバランスが必要。


   誠実であると同時に、今を楽しく生きることも出来る必要がある。






   そして、感情に対しても、バランスを取ることが求められている。



   例えば、「怒り」とは、我々が生き延びるのに必要な感情。

   その最中に居るときは、かなりしんどかったり、不快な感じもするが

   これがあるから、侵入者を追い返したり、やっつけたりでき、

   そして、我々が前に進む原動力ともなり得る。


   この怒りの感情がなかったら、

   我々は絶えず侵食され、ついには滅ぼされることになるだろう。


   一方で、それをそのまま表すのが適切でない状況も、当然ありうる。


   あるいは、そのまま表した方がいい場合、

   落ち着いて穏やかに表した方がいい場合など 

   状況により、様々なやり方があり、

   時と場合によって、

   怒りを表す能力、怒りを表さない能力の両方が必要なのである。

   

   


   怒りという感情一つにしても、

   充分適切に、余裕を持って扱うには、

   きめの細かい柔軟な応答システムが必要となる。




   その柔軟な応答システムを得るために、

   それを可能にする精神的健康を得るためには

   ぶつかり合うニーズ、目標、義務、責任、方向性等の間の、

   微妙なバランスを常に柔軟に取り直すという、

   途方もない能力が必要となる。



   

   バランシングというこの自制の本質は「諦めること」である。

   「何かを手離すこと」と言い換えられるかもしれない。






まだ続きます。