1/700 阿賀野(WL)その1 | 模型工房 Autarkie

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艦船模型を中心にスケール模型を製作していきます。

前回の予告どおり今回から阿賀野と青葉の製作日記もご紹介していきます。

今回は阿賀野の船体と武装の製作です。
キットはタミヤの1/700、発売から40年以上経つ超ベテランキットです。

非常に格好いいパッケージ画

キット艦首

左舷中央。

非常にハッキリとしたモールドが船体側面に入っています。
一体成型で作られている船体の側面にこれだけしっかりとモールドを入れるとか、40年以上前の金型技術とは思えませんw


大淀と並べてみました(大淀の上部構造は仮置きです)。

大淀が大きいのは知っていましたが、阿賀野も十分大きいですw
こうやって見ると煙突から前の構造が非常に似ているのが分かりますね。

さて、今回の製作ですが、エッチングセットを使っての製作となります。
1/700阿賀野のディテールアップアイテムはじつは結構希少だったりします。
海魂製エッチングセット。

ジョーワールド製エッチング各種。

ジョーワールド製飛行機作業甲板セット。

ジョーワールド製飛行機作業甲板セット(中身)。

私が持っているのはこの4種類です。
ジョーワールドのエッチングは現在絶版で入手困難です。
また、同社の飛行機作業甲板セットはまだ入手可能かと思いますが非常に高価で使うのを躊躇ってしまいます…

というわけで、今回は海魂製エッチングセットを中心にディテールアップをしていこうと思います。

さて、海魂製エッチングセットですが、「阿賀野型用エッチングセット」となっていますが、正直言ってこれできっちりディテールアップできるのは阿賀野だけとなります。

大きな問題は飛行機作業甲板、艦橋遮風装置です。

まず、飛行機作業甲板はジョーワールドのセットを見ていただくと分かるとおり、4隻それぞれ形状が異なります。
このエッチングの形状ですと阿賀野か少し加工して能代の甲板を製作するのが精一杯でしょう。
次に艦橋の遮風装置、阿賀野の艦橋には大型の遮風装置がありましたが、阿賀野以外の3隻は小型の遮風装置に改められています。
そしてこのエッチングセットには小型の遮風装置のエッチングは入っていません…

というわけで、このセットで製作できるのは阿賀野だけ!
っと言いたいところですが、まだ少し問題がありました。
このエッチングセットにはカタパルト(射出機)も付いているのですが、これが阿賀野の搭載していたものとは違います
形状から判断するにこのセットには呉式二号五型という当時の海軍の一般的なカタパルトがセットされています
*このセットのカタパルトは一式二号一一型でした!申し訳ないです!
しかし阿賀野は一式二号一一型という通常よりも大型のカタパルトを装備していました。
このカタパルトは伊勢型戦艦に搭載されていた物と同じで、呉式よりだいぶ長かったそうです。
*阿賀野以外の3艦は通常の二号五型で大丈夫です

というわけで、このセットでは阿賀野のディテールアップもしっかりとは出来ません!(汗)
購入を検討されている方は気をつけてください。


さて、前置きが長くなりましたが、製作を開始します。
上にこの海魂のセットの問題点を述べていますが、要は問題が分かっていれば対処が可能という事ですw


まず、エッチング甲板を貼り付けるために不要な部分を削り取ります。


画像左は煙突部分で通常は削り取る必要はありません。
今回は煙突をディテールアップする都合上削っておいた方がいいと判断しました。
カタパルト基部の両脇の大型通排気装置?

くり抜いて後でエッチングメッシュを貼ります。


煙突部分は穴が開くのでプラペーパーで隠します。

このエッチングセットの目玉はなんと言ってもこのエッチング甲板でしょう。
結構ぴったり合いました。

艦首。
フェアリーダーと菊花紋章設置板はこのセットには含まれませんので自作する必要があります。

とりあえず、いつものようにボラードや通風筒、レジンパーツなどでディテールアップしました。

艦首側面。

鋼板継ぎ目は掘り込みで再現、エッチングの主錨を設置しましたがイマイチかな…
あとで修正すると思います。

舷外電路はセットのものだとしょぼかったのでレインボーの折込タイプを使用しました。


この舷外電路は作るのメンドイ…

15.2cm連装砲3基、8cm連装高角砲2基

エッチングセットの内容でディテールアップ。

砲身が思ったより良く出来てました。
側距儀はプラ板でディテールアップします(写真撮り忘れ次回UPします)。

15.2cm砲、金剛型戦艦等に搭載された15.2cm単装砲を連装砲に改造して作られた砲です。
カタログスペックは高性能だったのですが、実際は問題が多くあったようです。

8cm連装高角砲。

大淀にも搭載された長10cm砲を小型に改良した新型砲。
こちらも高性能砲として作られていますが、矢矧がレイテ沖海戦後に長10cm砲への換装を要望したとの事ですので、期待通りの性能は発揮できなかったようです。

こちらは前回の大淀の長10cm砲とほぼ同じディテールアップです。


エッチング甲板各部にハッチを設置、それと通風筒設置位置らしきモールドが入っていますので穴あけ作業をしておきます。

というわけで、阿賀野の現状でした。
このディテールアップセットは結構問題が多そうですが、とりあえずキッチリ仕上げてみます。
今のところ思ったよりちゃんとしてますので大丈夫かな?

さて、次回は「青葉」の製作をご紹介します。
こちらも大淀、阿賀野と同時進行ですので船体の加工~武装の製作くらいまでのご紹介になると思います。

よろしくお願いします!