残り5km。
もうすぐたどり着けるはず。
いろいろなものと競争しながら走ったため、
休憩をなしの、登板を続けていたおれの体は、
かなり硬直し、
股関節がプルプルと限界に達していた。
そして、ゴール直前と思われる最中、
思わぬ渋滞にはまってしまった。
黒塗りの街宣車が道を封鎖し、
軍人がキビキビと動き回っていたのだ。
『クーデターでもあったのか』
一瞬、悪い予感が脳裏を駆け巡る。
人混みを、まるで鯉の滝登りのように、
スクーターテクニックでかわしていった先には、
江戸時代の大名行列のようなものがされていた。
となりのおじさんに何事なんだと問いただすと、
ただの結婚式とのこと。
結婚だろうがなんだろうが、
そんなの関係ねーと、
最終ステージをぶっちぎっていた。