『つぼみチャン!』

 

 

思わずそう名づてしまった。

 

 

いままさに少女から大人の女性へ変わるかのような、

 

 

セミの幼虫が、脱皮したての真っ白なさまを、

 

この世に初めてさらしたときのような純白。

 

 

顔面はタナカを塗りたくっていたが、

 

 

その泥をも超越するような美貌の女の子が、

 

 

おれをみてにっこり手招きしている。

 

 

彼女がもっていたもう一つの手には

 

 

ミャンマー男性が腰に巻いている布を持っていた。

 

 

健全な男なら、彼女から押し売りされれば、何枚も買ってしまうであろう。。。

 

 

そんな彼女から、ミャンマー伝統衣装を勧められたが、

 

 

返し刀のように、思い出に一緒に写真を撮ろうと提案してしまっていた。

 

 

そして、

 

 

撮った写真をみてびっくり、

 

 

お土産やさんなのに、まったくスレていない粉雪のような彼女の横に写っていた男は、

 

 

 

ただのスケベおやじだった。。。

 

 

 

うすうす感じてはいたが、ここまでスケベおやじ度の純度が高かったのか。

 

 

 

 

上がっていたテンションは急激に落ち込んで、

 

 

 

 

何も買わずにマーケットを後にした。