勝又悠監督×平波亘監督トークショーレポート! | 勝又悠監督作品「オードリー」/「See You」公式ブログ
こんばんは!
昨夜の台風からか、都内は今日蒸し暑かったですね~(゚_゚i)
梅雨を通り越して早く夏になってほしい感じがします!
そして、こんな季節にの変わり目には『五月は少女を裏切らない』がぴったりです。
平日の『See You』の併映作品となっておりますので、
ぜひご覧ください★

さて、本日ご来場くださった皆様、ありがとうございました!
本日は『See You』後に、平波亘監督をお招きして、勝又監督とのトークショーを行いました!

平波監督は、以前にこのブログでも紹介しておりました、
勝又監督の『制服哲学』が初めて上映された、映画太郎という映画祭の主催をされています。

また、昨年『オードリー』が東京国際映画祭チェアマン特別奨励賞を受賞した
田辺・弁慶映画祭では、平波監督は『青すぎたギルティー』が映検審査員賞を受賞されているなど、交流の深い監督のお一人です!


今回はお二人に【自主映画の未来】というテーマでたっぷりと語っていただきました♪
それではトークショースタートです★
↓↓↓


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—まず始めに自己紹介をお願いします。

平波監督:本日トークゲストで呼ばれました平波です。監督とかやってます。よろしくお願いします。
勝又監督:監督の勝又です。今日の作品は平波さんじゃなくて僕の作品なので、よろしくお願いします(笑)。

—平波監督、今回「See You」をご覧になって感想はいかがですか?

平波監督:そうですね…僕は以前にも「オードリー」や「はい!もしもし、大塚薬局ですが」や他の勝又作品を見させていただいて、今回「See You」を観させていただいたのですが、だんだん勝又監督は直球になってきているなっていうのをすごい思うんですよ。あの園部さんの演じるキャラクターが時々勝又監督に見えたりするときとか(笑)。
勝又監督:あんなに気持ち悪くないですよ(笑)
平波監督:だってあの海に飛び込むとことか、叫ぶところとかはね、まさに、まんま「制服哲学」じゃないですか!でも本当にこれだけの尺、110分くらいあるんでしたっけ、これ?
勝又監督:そうですね。
平波監督:これだけの尺の作品を作られたのは初めてじゃないですか?
勝又監督:そうですね、世にちゃんと上映したり公開した長編はこれが初めてですね、はい。
平波監督:すごい、ちゃんとしてるなぁと思って。
勝又監督:いやいや、全然ちゃんとしてないですよ。
平波監督:全然飽きないし、すごい良かった。
勝又監督:眠くならなかったですか?
平波監督:全然眠くならなかったです。
勝又監督:ありがとうございます。
平波監督:何だろうな、やっぱ勝又監督の画作りとか、時々はっとさせられるような画を挟んでくるので、眠くなんないですよね(笑)。
勝又監督:ありがとうございます。

—平波監督には「See You」の後に併映された「五月は少女を裏切らない」も観ていただきましたが、そちらはいかがでしたか?

平波監督:やっぱり勝又監督っていうのは、短編は短編でダイレクトに来るっていうのがあるので、すごい面白かったです。スピンオフって言われてますけど、すみません勉強不足っていうか。感が悪いもので…どの辺がスピンオフなのかちょっとわからなかったです。
勝又監督:要は「五月は少女を裏切らない」の女の子も「See You」の女の子も一緒で、制服を着る事によって存在を示すことができるというか。(「五月~」の)あの主演の子は藤波心ちゃんと言うんですけど、制服を着てなかったら、どこにでもいるような普通のかわいい女の子なんですよね。そんな女の子が制服を着る事により、いろんな要素が生まれるというか。一個一個体のパーツがちゃんとパーツになっていると思うんですよ。
平波監督:けどやっぱ最近、僕が最近特に顕著だと思っているのが、何か、最近…、「最近」ばっか言ってすみません。
勝又監督:(笑)
平波監督:最近けっこう(勝又監督が)長回しを多様するようになってきてると思って。それって役者を追いつめてそこから出て来る感情を、とかを狙ってるのかなと思って。それは「五月は少女を裏切らない」の最後もすごいよかったなって。
勝又監督:そうですね。何て言うんですかね…、最近特に追い込みますね。あと、メスを入れられなくなってきたんですよね、最近。
平波監督:ああ。
勝又監督:役者の芝居に対してチョキンて簡単にできなくなっちゃたんですよ。それは多分「オードリー」とかだと全然そんなことないんですよ。もうチョキチョキ切ってるんですけど。そうですね、「See You」からは切れなくなっちゃったんですよ。それは何でかって言うと、あの中にある雰囲気を殺したくないというか…。「オードリー」に関しては自分が作り上げている空間と言う自覚があったんです。でも「See You」はそれに+何かあるような気がして。
平波監督;うんうん。
勝又監督:あの二人が醸し出すものをそのまま真空パックしたいって言うか。
平波監督:「See You」くらいから勝又監督の物語の語り方っていうのが、そっち方向へシフトして行ってるなぁっていうのは、最近の作品を観ているとすごい感じることなので。それがいい事なのか悪い事なのかは良く分からないですけど、僕は好きです。昔の作品てけっこうカットをバスバスやって、見やすかったりするじゃないですか?いい意味ポップというか。でも、より原始的な方へ向かっているのかなと。
勝又監督:そうですね。それって作風の変化もあると思います。「オードリー」も「See You」も、根底にあるものは一緒なんですけれど、やっている事が違うので。
平波監督:(「See You」は)外からの視点が強くないですか?
勝又監督:はい。よく言われます。画面の外の描写っていうか。果たして俺はこのままこっちへ行っていいのかっていうのもあるんですよね、やっぱり。
平波監督:ちょっとやばくなってきていますもんね(笑)。
勝又監督:そうですね(笑)。「オードリー」くらいにしておけば丁度いいと言うか。一番女の子にモテるラインですよね、あれが。
平波監督:そうですよね。
勝又監督:これ以上やってしまうと、もう戻れないので、とやかく言っても(笑)。
平波監督:(笑)。でもどっちも出来るっていうのが僕は勝又監督の武器だと思ってるんですよね。だから今回みたいな、「オードリー」「See You」同時上映とか、すごい振り幅が見えていいんじゃないとか思うんですけど。
勝又監督:でも今は出来ないですよね。「オードリー」を今やれって言われたら出来ないと思うんですよ。やりたいです、すごいやりたいんですけど、どうしても出来ないと思います。
平波監督:どうしても、生理がそっちへ行かないっていう…?
勝又監督:本当にそうです。

—平波監督は女子高生を全く描かない監督とお聞きしまして、それに対して女子高生ばかり描いているいる勝又監督。このお二人が本日トークをしているということで、お互いにそれぞれ映画作りに対する姿勢や作風についてはどのように思っていますか?

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勝又監督:僕は平波さんの作品て男気だと思うんですよね。けっこう言われないですか?すごい男くさい。
平波監督:男がたくさん集まっているのが好きですね(笑)。
勝又監督:数作しか観る機会が今ままでなかったのですが、僕には絶対これは真似出来ないなっていうのを簡単にやっている印象がすごいあるんですよね。
平波監督:何ですかね…別にそんなに男が好きなわけではないですけど(笑)。
勝又監督:何か、ロックンロールな感じがするんでよね。根底に音楽があるような。ミュージックビデオとかそういう作りではなくて。多分この人のルーツには映画っていうより、音楽が強いんじゃないかなって言うような印象があるんですよね。
平波監督:それは初めて言われた…ことでもないような…どうだろうか?けどやっぱり、おっしゃった事も分かるんですよね、自分では。脚本の作り方も自分の好きなアーティストのアルバムとかを参考にしたりすることもあるので。そうですね…そうか…。
勝又監督:いいと思うんですよ。一本筋が通っているような。
平波監督:ありがとうございます(笑)。
勝又監督:どういたしまして(笑)。

—平波監督は勝又監督をどのようにお思いですか?

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平波監督:基本的にやっぱり、女子高生とか抜きにして、話の作り方とかも全然僕には真似出来ないって言うか。いい意味で僕は絶対やらないスタイルの監督なので、僕は楽しいんですよ、(作品を)観ているのが。たとえば、自分と物語の作り方とかが、似てるっていうとちょっとおかしいんですが…そういう監督には僕は嫉妬を覚えたりするときもあるんですが。勝又監督の作品はエンターテイメントを観ている感じで楽しめちゃう感じがあるんですよ。僕、最初に観たのはTAMA NEW WAVEで「はい!もしもし、大塚薬局ですが」を観に行って。何ですかね…勝又さんも独学で始めたておっしゃっていましたけど、その独学の強みって言うか。それで本当に自分の生理的に気持ちいいカット割りとかしてて、それがけっこう…(勝又監督に)すごい悪いことばですが、すごいポジティブに言っていいですか?J-POP的と言うか。僕、よく聴くんで、くるタイミングがちゃんと(合って)。すごい何が言いたいかって言うと…
勝又監督:ああ、J-POPなんですね。
平波監督:いや、僕は全然そこを否定しないし、こういう自主映画をやっていてそういう人が出て来るっていうのは、普通の一般の商業映画しか観ない人の入り口としても有り難いし、そんな監督が「五月は少女を裏切らない」とかそういう玄人向けなの撮っちゃうていうその振り幅が、僕は好きだなぁと思って観てますいつも。Say a Little Prayerとか使うあたりがね。
勝又監督:あの「オードリー」のエンディングテーマの?
平波監督:あれで僕はSay a Little Prayerを再発見しました。あれからよくyou tubeで聴いてます。
勝又監督:ありがとうございます。

—ありがとうございます。
では、今回のトークショーのテーマが【自主映画の未来】なのでその辺りのお話を。
インディペンデントで映画を作る事のメリット・デメリットがあると思いますが、お二人の監督が映画を撮る上でのメリット・デメリットを教えていただければと思います。

平波監督:最初はただやりたいからやっていただけで、メリット・デメリットも関係なくやっていたんですが。まぁ歳も歳ですからね。そろそろね、色々考えて作っていかなきゃいかんなぁと思っているんですよ。単純な話、メリットは自分の本当に表現したい事が出来るっていう事です。月並みな言葉ですが、それに尽きますかね。デメリットは…(勝又監督に向かって)何かある?
勝又監督:デメリットだらけだと思います。
平波監督:そうなんですよ、デメリットだらけで何をデメリットと言っていいか…
勝又監督:そうですね。どれをデメリットに挙げていいかわからないくらいデメリットだらけなんですよね。
平波監督:難しいな…それは(映画を)作る上でのデメリットですか?

—そうですね、作る中でこれが一番デメリットだなって感じてしまうことなどがありましたら。

平波監督:まぁ単純に予算が無いとかそういう事になってきちゃいますよね。それ以外は本当、好きでやってるんで、あんまりデメリットを覚えたことはないですね。(映画を)観せていく上でやっぱりその公開規模だったりキャスティングだったり、それだけでお客さんが興味を持ってくれないっていうのはすごい悲しいことだと思うので、それをどうしたら作品の魅力を見せたり、お客さんが来てくれるかっていうのを常々考えていますけれども。特に僕はデメリットはないです、逆に。弊害みたいのはありますけど。

—勝又監督はいかがですか?

勝又監督:やっぱりメリットは「誰にも口出しされない」で、デメリットは「誰からも口出してもらえない」という事です。それは放ったらかしっていう事なので。放任されて全部自分でケツ持たなきゃだし。
平波監督:ああ、そう言えばよかった!(笑)
勝又監督:ははは(笑)。だから今回のテーマが【自主映画の未来】じゃないですか、僕は自主映画に未来なんか無いと思いますね。あってたまるか、と。自分の映画の事を「自主映画」って言ってる時点で(未来は)無いと思うんですよ。
平波監督:まぁおっしゃる通りです。そうですね、僕もそう思います。

—何だか暗い未来の話になりそうなので、少し明るい未来の話をしましょう。
もし、借りにお二人が一億円で好きな作品を撮れるというようになりましたら、どのような作品を撮りますか?

勝又監督:一億円ですか?何個が野望はあるのですが、僕は「こち亀」がすごい好きなので、「こち亀」をもう一度実写化しますね。出川哲朗さんを両津にしてやりますね。あとは、「オードリー」をリメイクします、自分で。さっき「オードリー」はもう出来ないって言ったんですけど(笑)。「オードリー」を一億円のバジェットでやりますね。

—ぜひ観てみたいです。平波監督はいかがですか?

平波監督:そうですね、けどセコい話になりますが、本当に自主映画ばっかり撮っていたので、まずはちゃんとキャスト・スタッフに見返りと言うか、ギャラを支払えるような体制を撮りつつ、自分のやりたい事を。自主映画をやる時に、シナリオを構築していく上で「これ無理だな」って省いていく部分が多々あるんですけれど、一回やっぱりそういうのが全くない真っさらな状態で書いてみたかったりしますね。一本、人の作品なんですが商業映画の脚本を書いたことがあって。これなら3000万とかで出来るんじゃないかって甘く見てて、そしたら「2億かかる」って言われて(笑)。けっこう一億ってあっという間だなっていうのが僕は印象が強いんですよね。

—ありがとうございます。演出してみたい俳優さんや女優さんはいますか?

勝又監督&平波監督:(かなり考えて)難しいですね…先に聞いておけばよかったですね…
勝又監督:女の子だったら、AKB48の高橋みなみをキャスティングしたいです。男は難しいですね…男はやっぱり出川哲朗がいいです。高田純次とか、ああいう適当な人がいいですね。
平波監督:本当は企画が決まってから考えたいところですが、その人ありきで企画っていうのはあんまり考えたことがないですが…僕はAKBならあっちゃんです(笑)。でも、僕は今ちょうど山下敦弘監督についているんですけれど、「苦役列車」ていう映画で前田敦子の評判がすごいいいんですね。だから僕も山下さんみたいにアイドルをちゃんと演出できる人になりたいなとは思ってます。男は難しいですね…単純に好きな俳優は誰って話になってきちゃいますよね。誰でもいいならブラッド・ピットとかがいいですね。

—最後に、お二人の今後の作品作りに賭ける想いを教えてください。

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平波監督:ありがたいことに低予算の企画をちょこちょこ頂いておりまして、その中でも自分のやりたい事をやっていきたいなと思っております。あと、【自主映画の未来】っていう今回触れられなかった話なんですけど、最近「オードリー」「See You」しかり、ユーロスペースでやっている「先生を流産させる会」、ちょっと前にやっていた「へんげ」「どんづまり便器」など自主映画が公開される機会が増えているので、僕はいい機会だと思っていますが、逆に日本映画が制作される本数が減ったということだと思うので、僕らが次のステージを目指さなくてはいけないなと思います。でも個人の監督の力って僕は弱いと思ってて、そういう意味でひとつの恐竜として見せたいと思っていまして、僕は「映画太郎」という企画をやっております。来月もありますので、是非起こしください。チラシはまだ出来ていません、すみません(笑)。みんなで盛り上げていきたいなと思っております。それはスタッフやキャストにギャラを払えていなかったというのがあるので、自分が商業で撮らせていただく場合は今ままで一緒にやってきた人達を引っ張っていきたいなと思います。
勝又監督:僕はずっと制服を撮り続けていますので、今さら作風を変えるというのは全く考えてなくて、60、70、80になっても制服を撮り続けて行こうと思います。
平波監督:でももし商業でおっさんを撮ってくれって言われたらどうする?
勝又監督:その中で納得出来る部分があれば撮りますね。その中で制服を使っちゃいけないと言われても。
平波監督:まぁそうですよね(笑)。最後に一個だけいいですか。さっきも話に出ました、映画太郎というインディーズ映画を集めたイベントをやっております。来月の映画太郎vol.2というイベントがシネマート六本木さんで開催されます。今回は30人くらい監督を呼んで、ほとんどバトルロワイアルみたいな状態になりますので、ぜひみなさんも来ていろいろ感じてもらえたらなと思います。そして、まだ公式では言ってないんですが勝又監督も新作を…
勝又監督:「制服哲学2」という作品を撮ります。
平波監督:はい、なのでぜひよろしくお願いします!
勝又監督:よろしくお願いします!


というとで、本日のトークショーは終了!
連日のトークで、勝又監督が、誰に何を言われようと制服を撮り続けるという強い意志が感じられます!!
また、平波監督の言葉からは、一緒に映画を作っている仲間を本当じ大事に思っているキモチが伝わってきました(´∀`)
勝又監督、平波監督、お疲れ様でした!
そして、本日も遅い時間に最後までご観賞くださったみなさま、本当にありがとうございます!!!
『See You』は最終日までまだまだゲストを招いての豪華なイベントがありますので、
ぜひよろしくお願い致します!

そして、来月に開催される映画太郎も気になりますね!
勝又監督の新作短編が上映されるという事で、こちらも要チェックです☆

映画太郎オフィシャルブログ

今週の土日には、『See You』とともに『制服哲学』が併映されます!
来月の映画太郎の前にぜひこちら予習を♪

それでは、本日もご来場お待ちしております!
『オードリー』を新宿K'sCinemaで観れるのは今日を入れてあと2日!!
『See You』と2本続けて観ると1本1000円でご鑑賞できます!
ぜひこの機会にご来場ください(*゜▽゜ノノ゛☆



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勝又悠監督作品『オードリー』『See You
2012年6月9日(土)より、
新宿K’sCinema/小田原コロナシネマワールドにて劇場公開決定!
その後、全国順次公開予定!

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映画「オードリー」公式サイト
映画「See You」公式サイト
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