1975年5月7日から12日まで、エリザベス女王＆フィリップ殿下夫妻が約100年にわたる日英友好史上で英国君主初の日本公式訪問をされました。国賓として天皇、皇后両陛下との御会見、宮中晩餐会等の各種公式行事、京都、三重観光等を訪問されました。
1973年に天王陛下が英国訪問をされたお返しだそうです。
７日夜、天皇陛下主催の晩餐会に出席し
Queen Elizabeth II and Duke of Edinburgh Visit Japan
８日にはＮＨＫを訪問、大河ドラマ「元禄太平記」の収録を見学した
May 08, 1975 - Royal Visit to Japan/ Queen Elizabeth and the Duke of Edinburgh chat with Japanese actors and actresses at NHK TV
９日には東京都心でパレードをして都民の歓迎にこたえました。この日は鉄道の労働組合による春闘決戦ストライキが行われており、10日の夫妻の京都行きが、新幹線から空路に変更され、歴史的な訪問を終えると出発の前に夫妻は12日の帰路で（古都・京都から東京国際空港へ移動する際）乗車しました。
英国女王の来日で日本は爆発的な「クィーン・ブーム」が起こり、米日中約78万人の国民が盛大 な歓迎を行い、なかでも5月9日都内で行われたオープンカーによるパレードには、交通スト中にもかかわらず約11万人が集まり、日英両国国旗を打ち振って女王を歓迎。
ストライキなどの影響で1974年の11月にフォード大統領の旅行の際の精巧なセキュリティの友好的で、平和なものではありませんでしたが、警察は華やかな空気を損なうことのないよう配意しながら、来日中延べ約7万2,000人の警察官を配置して、ソフトな警護を実施し、女王一行の身辺の安全を期したそう。
京都御所や伊勢神宮を訪問
殿下がお茶を...
5月11日、伊勢神宮に参拝した後、世界初の真珠養殖で知られるミキモト真珠島を訪問。
The Queen’s Visit to Mikimoto Pearl Island 1975
1893年（明治26年）に御木本幸吉と妻うめにより世界初の人の力によって洗練された真珠養殖に成功した土地で、御木本幸吉により購入されここは、『ミキモト真珠島』として一般大衆に開かれました。島は日本のポピュラーな観光目的地であり、多くの訪問者を世界中から受け入れていました。
女王様は真珠の加工場を興味深く見学されたほか、地元の海女40人によるアワビ採りの実演も熱心にご覧になりました。気がつけば滞在時間の予定を40分もオーバーする訪問となり、そのさわやかなロイヤルスマイルを人々の心に残していったのでした。
1975年5月11日、三重県鳥羽市の真珠島の御木本真珠でネックレスの加工作業を見学するエリザベス女王とフィリップ殿下
帰路は名古屋駅から新幹線にご乗車されました。女王陛下は新幹線への関心が高く、予定を変更しご乗車される新幹線の入線をホームで眺められたほどだったとか。
女王陛下の172個のお荷物を積み込むのに時間がかかり、当日は大雨で徐行区間があった影響もあり、名古屋到着ですでに３分の遅れ。遅れは進み、浜名湖通過で４分遅れに。三島通過で１分取り戻すのが精いっぱいでした。
残り120.7キロで3分を取り戻すのは不可能と国鉄関係者にあきらめムードが漂いましたが、女王様の「日本の新幹線は時計より正確だと聞いています」とのお言葉に、担当の運転士だけは諦めず「女王陛下のお言葉を違えぬ為に」と制御がかかる速度２１０キロを超えないギリギリの２０９キロで運転を維持。しかも、富士山付近では名峰をご覧いただくために速度を下げました。
『品川（信号所）、定時に通過!!』との声に、沈んでいた指令室も東京駅も驚愕と大歓喜に沸き返り、不可能と思われた東京駅の13時56分定刻着を実現。
到着後、フィリップ殿下は「快適な旅行でした」と述べられ、女王陛下も笑顔でうなづかれ、新幹線には大変満足して帰国の途に就かれています。女王様は安全、「スピードもさる ことながら正確なダイヤに興味があったようです」と関係者が語っています。
最終日カップルは、壮大な迎賓館（ベルサイユの宮殿のスタイルでデザインされた国家の来客用）で訪問を記念するためにオーク苗木を植え別れの握手を天皇陛下と皇后とかわしました。
女王が無事離陸されると飛行機は安全上の配慮から200フィートの高度に達するまでランプをつける制限がされ、ランプが無事つくとユニオンジャックと日の丸の旗、そして「"Sayonara, Her Majesty the Queen."（さようなら、女王陛下）」の文字が飾られたそうです。
Prince Philip and Queen Elizabeth wave as they board the plane for the trip home from Tokyo in May, 1975.
エリザベス女王 来日 | NHK名作選- NHK語学番組→【外部リンク・動画
】
チャールズ皇太子ダイアナ妃 来日→【外部リンク・動画 】
エディンバラ公フィリップ殿下は世界自然保護基金（ＷＷＦ）の関係で1984年10月14日から3日間（31年前）鹿児島県 奄美大島を訪れ自然環境の視察などを行い「かけがえのない素晴らしい自然が残っている。生息地の保護こそすべきである」などと語ったそう。
（殿下は、1981–1996世界最大規模の自然環境保護団体である国際的NGO（ＷＷＦ）の名誉総裁を務めています。）
2015年12月、写真家の浜田太さん（62）がアマミノクロウサギの生態の映像が収められたＤＶＤなどと同封した手紙を殿下に送ったところ、代筆のお礼状が届いたのだとか。浜田さんは1986年にアマミノクロウサギの生態研究を開始し、1996年には子育ての撮影に成功。手紙には当時同行していたプライベート・セクレタリーのSir Brian McGrathが代筆し、「フィリップ殿下は奄美訪問をよく覚えております。暗闇で見たアマミノクロウサギを思い出します。今後の健闘を期待する」と綴られており、島で受けたおもてなし、寄贈に対する感謝もはっきりと当時の思いなどが記されていたとか。。
浜田さんは2003年奄美琉球の世界自然遺産候補地のリストアップについて、「フィリップ殿下の視察が大きな影響を及ぼし、登録に向けた第一歩だった。奄美に住む人間として、誇りと希望を与えてくれた」。と殿下に感謝を伝えようと、10月30日に写真集や絵本、07、10年にテレビで放映されたクロウサギの関連番組をまとめたＤＶＤなども合せて送ったそう。返答は11月15日に浜田さんの手元に届いたとか。
浜田さんはお礼状について、「山の中で一人こもると惨めな気持ちになることもあった。大きな励みになった。こういった活動は孤独との戦い。今後の心のよりどころになる」など感謝の気持ちを語りました。
Sir Brian McGrathは1982年から1995年フィリップ殿下に仕え2016年6月に90歳で死去。
エジンバラ公フィリップ殿下（エリザベス女王の夫君）はロンドン市内でのパーティで八牧浩行さんが日本人とわかると声をかけてくれ、「日本は素晴らしい国。イギリスにない管理システム、技術を持っている。かつての日英同盟の精神で協力していきたい」と穏やかな口調で話したのだとか。