オードリーの母親はオランダ貴族出身で休みはオランダで過ごしていました。一方アンネは1933年、ドイツの迫害から逃れるため一家でオランダへの移住を決意します。そして1939年、2人が10歳の時に第2次世界大戦が勃発。男爵の称号を持つオードリーの母は彼女を連れて中立国であるオランダ、アルンヘムに連れ帰ります。
そして1942年、2人が13歳のとき、オードリーの祖父の領地と財産がナチスに没収され、オードリーの2人の兄はレジスタンスと強制労働に参加。このときオードリーは母とアルンヘムの駅で、家畜を運ぶ貨車にドイツ兵たちがユダヤ人たちを男女別に分けて乗せているところを目撃しました。この時、アンネはまだ隠れ家で日記を書き綴っています。
オードリーは地下活動、レジスタンスを支援する母エラの言いつけで連絡係をしたり、バレエで資金集めをし、栄養失調でバレエができなくなるまでになります。
1944年、14歳のときアルンヘムが戦場となり、オードリーは街を歩いているとき、いきなりトラックに乗せられドイツ軍司令部へ連行されそうになりますがなんとか逃亡し地下に逃げ込み、持っていたチューリップの球根やチーズで1ヶ月を耐え抜き黄疸になりながら母親のもとへ帰ります。
一方アンネは、この年の8月に隠れ家の住人全員と共にアムステルダム警察署へ連行され、9月家畜運搬車でアウシュビッツへと移送されます。10月、アンネとマルゴットはドイツのベルゲン＝ベルゼン強制収容所に送られる。 半年ほどの前の2月23日の日記で「この日光、この雲のない青空があり、生きてこれをながめることのできる限り、わたしは不幸ではない」と語っていたアンネは1945年亡くなりました。
1945年5月4日のオードリーの誕生日にオランダは開放されます。
オードリーはユニセフの前身である国連救済復興機関からの救援物資のチョコレートを口にし、泣き、その時の思い出が後の彼女のユニセフの活動に繋がったともいわれています。
1953年、オードリー24歳のとき「ローマの休日」が公開されます。同年、デザイナーのジバンシーとの出会いがあり、「麗しのサブリナ」で共演したウィリアム・ホーデンと恋に落ちますが、子供を望んでいたオードリーでしたが、彼が子供が出来ない身体と聞き別れを決めます。また、この年に夫となるメル・ファーラーに出会い、舞台「オンディーヌ」での競演が決まります。
1954年、オードリーは「ローマの休日」でアカデミー最優秀女優賞を、そして3日後、舞台「オンディーヌ」でトニー賞をダブル受賞します。しかし、ストレスと過労で、そして対立する母とメルの間に挟まれ食事を受け付けなくなり、マスコミから逃れるためスイスで療養をし、その後母の反対を押し切りメル・ファーラーと結婚をします。
1957年、28歳の時 映画『アンネの日記』の出演依頼が来ますが、あまりにつらすぎてアンネ役は演じられない、「私はアンネと似過ぎている」として辞退しています。時は流れ1990年、オードリーは61歳の時、多くの子どもたちに慰めを与え、ユニセフの活動の役に立つためと『アンネ・フランクの日記』のチャリティコンサートでアンネの日記を朗読し、収益金をユニセフを通じて恵まれない子供たちに寄付しました。