事件当日のこと Ⅹ(完結) | 〜ぷらすなちゅらる〜

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何かを失うと言う事で、得ていくものもあるということを私は知ってる。。はずだったのですが、いまちょっと心が折れてます。

家族団らん、最後の夜

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お坊さんに

お経を読んでもらい

洋くんのお友達が

全て帰られたのは

深夜となりました。







最後やけん

二人にしてあげよう。



と、お姉さんが

いってくれたので

洋君の布団の隣に

布団をくっつけて

寝ることにしました。






布団に入っても

中々眠ることができません。




時々、洋君に

話しかけてみますが

やはり返事はありません。




その代わり、

「おかあさん…」






こども達が

部屋にやってきました。

ふたりも

眠れなかったのでしょう…







こっちへおいで、

もう明日には

お葬式の場所へ

連れていくから

一緒に眠れなくなるよ。





と、呼ぶと

二人を洋君の両端に

寝かせました。




二人は お父さんの手や腕

体をさすって

お父さん…

お父さん…

起きて…

と、泣き続けました。








冷たかった体が

温もるほど

そばに居ました。




お父さんが

あったかくなってきた!

生きてるみたい!



手を握ると

握り返してくれた気がする



と、話ながら

とうとう一睡もせず

夜を越しました。