このお手紙は、まさに彼そのものです。
R・Yへ
今日は
RやYの小さかった頃や、
生まれた時の事などを
書いて下さいとありましたが 、
そういう事は
改めて言い直す必要も
無いくらい
今まで何度も
話をしてきましたね。
当然のごとく
自分の子供が
かわいくない親は
ふつういないと想うんだけど.
今の時代 、
親兄弟で殺し合うような
悲しい事件が
テレビや新聞でも
沢山報じられています。
悲しい限りです。
今でも時々
厳しくしつけをする事に
自分で疑問に想うときも
多々あるけど。
お父さんは
子供に好かれる為に
” 良い父親を演じよう。 ”
と、想ったことは一度もありません。
ご機嫌を伺って
生活するより
ただ厳しくて
怖い存在で充分です。
他人に迷惑をかけることは
悪いことだけど
そうゆうことを何回も失敗しないと
人間は成長しません。
注意されるのは
その人に見込みがあって
期待されている事の
裏返しなのです。
親のありがたみを
理解して貰いたくも無いし
まして十歳たらずの
我が子に
悟ってほしくもありません。
いつかおまえが成長して
自分が子供の父親に
なるころわかる時が
くるでしょう。
と、言うわけで、
これからも
ビシビシ厳しく
鍛えていくのでよろしく!!
お父さんより病室にて 11/4
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以上が、私のお話の中で
出てきた手紙の全文です。
道徳の授業で使う予定で、
これを準備していて
” 子供には内緒 ”
と言う設定だったので
封をして学校に渡してあり、
内容はまったく
私も知りませんでした。
先生は、
このお手紙を
亡くなった当時、
すでに読んでいました。
なので、
主人の訃報を知ったときは
その場に崩れ落ちて
保健室に運ばれ、
代理の先生が
授業を勤めていたそうです。
” せめて今日一日だけ、
子供たちに普通の生活をさせてあげてほしい ”
まだ、彼が亡くなったことを
知らない我が子たちに
まだまだ、彼に、
あわせてあげげられない
状況で
せめて少しでも、
長く穏やかな時間を・・・
そう思ったので
一番最初に学校へ
電話してお願いしました。
担任の先生は
このお手紙を読んでいたため
強いショックで、
1時間以上立てなかったと
他の先生に聞きました。
そして、お通夜の時に
その担任の先生が
これにお父さんの気持ちが、
いっぱい詰まってるから
しっかり読みなさい
と、泣きながら子供たちに
手渡してくれました。
出棺の時、扉を閉める前
お別れの手紙として
読ませていただきました。
私は今もこの手紙を
常に持ち歩きながら
生活しています。
彼の気持ち全部が
この手紙に
” ぎゅっ ”
と詰まっています。
大切なものは目に見えない。
星の王子さまで書いてあったけど。
目に見えない大切なモノを
わかりやすく、こうして
目に見える言葉として
残してくれました。
彼は、いつも 私の。
彼は、いつも 家族の。
すぐそばにいます。
愛をありがとう。
命は奪われても
想いは決して、
奪えないんだね
その想いは
ずっと永遠なんだね