少し前に、広島県立総合精神保健福祉センターさんが隔月に開催されている
「広島わかいあいのつどい 忘れな草」でお話とワークをさせていただきました。

最初にご依頼をいただいたとき、自死によりご家族を亡くされた方たちに、
身体からのアプローチで心を癒す内容をとのご要望がありました。

そのとき、ご自身も自死により娘さんを亡くされている「小さな一歩ネットワークひろしま」の
代表の米山さんから、改めてお話をお聞きしました。

私は米山さんが設立された「こころのともしび」で、毎週月曜日に気功整体をしています。
その紹介記事はこちらです右矢印「小さな一歩・こころのともしび」

米山さんは娘さんを亡くされたとき、
なぜこんなに悲しいのに自分の体は元気なのか?自分が健康なことがつらかった
と、話してくださいました。

そしてご遺族の多くは、
ご自分が楽になることをなかなか許せないでいるというお話も聞きました。

でも最初は、何を話してどのような内容のワークをすればいいのか悩みました。
それは、私が家族を失った悲しみよりも、家族がいる苦しみを味わってきたからです。

私の祖父、父、二度目の父はアルコール依存症で、
私は絶えず男性の怒鳴り声を聞きながら育ちました。
そして、父を殺せば家族で幸せに暮らせると本気で思っていました。

そんな私が、ご家族を亡くされた方たちの悲しみをどう癒せるのだろうと思ったからです。


でも二度目の打ち合わせのとき、
その担当職員の方に優しく力強く言っていただいた言葉で心が決まりました。

職員の方は、私にこう言われました。
「私たちは気功整体師としてあなたをお呼びしているのです。
だから気功整体師としてのお話をしてくださればいいのです。」

改めてテーマを読み返しました。「~これからを生きていく自分のために~」
そのとき、思いました。
ご遺族の方たちの過去は悲しみが深すぎて、どんなに想像しようともできるものではない。
でも、ご遺族の方たちの未来には寄り添わせていただくことができる。
だから、そのためにワークの内容を考えようと思いました。

私は15年気功を学んできましたが、
これまで学んだ内容で今回のテーマに合うものを探し、抜き出しました。

どなたが参加されるのか、当日その時間になるまでわかりません。

だからどなたでもできるように、大きく動くのではなく、
小さな動きの体操や整体で心が軽くなる内容を考えました。
また、家でも続けて行っていただけるようテキストも作りました。


ワークの題名は『からだの力を借りてこころを軽くしましょう』にしました。
内容は下記の通りです。

1. 眼輪筋を鍛えて、脳の働きを上げよう
 ◇視覚以外の五感を刺激して気持ちを安心させよう!
2.眼球を動かして、自分を責める思いを消していこう
3.頭のもやもやを腹に落として頭を空にする体操
4.深~い呼吸ができるようになろう
5.考えが良い方に傾くように血液を流そう

どれも無理なく毎日できるものばかりにしました。

後日、広島県立総合精神保健福祉センターの所長さんから
参加された方々にご好評いただけたとうれしいお手紙をいただきました。

何より大変貴重な機会をいただいたことに心から感謝しました。

そして今回、ご遺族の方々の深い悲しみに触れさせていただき、
今を生きにくいと思っておられる方たちのために、
私にできることを精一杯していかなくてはと、心から思いました。

またこれから始めようと思っていることを改めて記事にしたいと思います虹

Photo by Kuniko Fukuma