今年の8月6日の午後、平和公園に行きました。
原爆慰霊碑前には、祈りを捧げようとする多くの人々で長蛇の列ができていました。

しばらく公園内を歩きまわりました。
その日も、よく晴れた暑い日でした。

空を見上げていたとき、ふと思いました。

あの日きのこ雲に覆われたとき、
青空は、
どんな気持ちだったんだろう、何を思ったんだろう……と。

だから、あの日の空に聞いてみました。

その答えを聞き、私は……
平和への祈りを込めて詩を書きました。



「8月6日 あの日の空に聞いてみた」

ヒロシマに原爆が落とされて71年
8月6日 平和公園を歩いてみた

暑かった
空が 青かった

ふと 聞いてみたくなった
だから……
あの日の空に 聞いてみた

ねぇ……
きのこ雲で真っ暗にされたとき どう思うたん?
もう 元に戻れんと思わんかった?


青空が一言だけ返してくれた
受け入れました……と

しばらく 言葉が出なかった

私たち人間が犯した過ちを
空は 黙って受け入れてくれていた
空だけじゃない……
川も 大地も 太陽も すべてが受け入れてくれていた

私たち人間は
いわれのないひどい仕打ちを受けたら
受けとめきれず 嘆き 悲しみ 怒り 苦しむ
でも……
空も 川も 大地も 太陽もすべて
黙って 静かに 受け入れてくれていた


人間の傲慢さ 愚かさを たまらなく恥ずかしく思った

空は きのこ雲に覆われ 放射能だらけにされたとき
何を 思ったのだろう

川は 水を求めて飛び込んだ無数の遺体で埋め尽くされたとき
どんな気持ちがしたのだろう

大地は 一面焼け野原にされ 75年も草木が生えないと宣告されたとき
どんな思いがしたのだろう

太陽は B29から投下され 大量殺人兵器と化したもうひとつの太陽を
どんな気持ちで見たのだろう


私たちは これまでに
取り返しのつかない過ちを 何度犯したことだろう

でも その過ちを 人間が何度繰り返そうと
空や 川や 大地や 太陽……
地球は ずっと 受け入れ続けてくれた

私たち人間は
地球の恩恵を受けて生きる一生物に過ぎない
それなのに
地球を支配していると思い上がっている

勘違いもいいところだ……


もう一度 真っ青な空を見上げる

空は それでも私たちに 優しくしてくれた
川は それでも私たちを 慰めてくれた
大地は それでも私たちを 支えてくれた
太陽は それでも私たちを 励ましてくれた

すべてに許され 今の私たちがある
すべてに愛され 今の私たちがある
すべてが……
私たちの今を 未来を 信じてくれている 平和を望んでくれている


だから……
私たちも 地球の未来のために 平和のために
勇気を出して 生きていこう

自分の思いを はっきりとまわりに伝えよう
いやなものはいやと言える 勇気を持とう

自分のまわりに起こったいやなこと いやな人を
許さなくてもいい 時間がかかってもいい
勇気を出して 忘れてあげよう

自分をいじめるのは もう やめよう
自分の嫌いなところを 包んであげよう 許してあげよう

人をいじめるのは もう やめよう
人の長所を 見つめてあげよう 生かしてあげよう
人の短所を 補ってあげよう 許してあげよう


私たちには心がある
自分を愛する心がある 人を愛する心がある
優しさを持っている 思いやりを持っている
慰め合うことができる 助け合うことができる 励まし合うことができる

私たちの未来には 平和が 手を広げて待っている

あなたたちなら 大丈夫
きっと 平和をつくれるよ

ずっと前から……
空が ささやいてくれていた
川が 微笑んでくれていた
大地が抱きしめてくれていた
太陽が見守ってくれていた
地球が愛してくれていた

だから……
いつか必ず 私たちは
戦争のない 平和な世の中をつくることができる

71年目の8月6日
祈りを込めて 心から思った




広島原爆をテーマにした漫画「はだしのゲン」の作者、故・中沢啓治さんが
生前に書き残された一遍の詩が曲になりました。
優しすぎて泣きました。愛を感じて泣きました。
みなさん、どうぞ聴いてください。

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この夏、歌うべき「詩」がある。
「はだしのゲン」作者が遺した詩を広島・原爆ドーム前で大合唱したい