シチリア州立美術館
特別な目的も持たずに訪れたパレルモですが、 は1ヶ所だけ絶対に見たい
場所が有りました。
「シチリア州立美術館」 ここに展示されている アントネロ・ダ・メッシーナの
「受胎告知のマリア」 の絵
多くの有名画家の受胎告知の絵は、ダビンチにしてもフラ・アンジェリコにしても
大天使ガブリエルから神の子を身ごもったと告知を受ける マリア様の様子が
描かれていますが、ここの 「受胎告知のマリア」の絵はシンプルにマリア様のみ
青いベールに包まれた清麗なマリア様の顔を鑑賞するのが楽しみでした。
絵画に余り興味の無い Yさんも付き合ってくれて一緒に美術館へ
じっくりと絵や展示品を鑑賞したあと、15世紀頃に貴族の館の壁に描かれていた、
この美術館のもう一つの目玉の フレスコ画 「死の凱旋」を目の前にして階段に
座り込んで自然に、イスラム教とキリスト教、仏教の死生観の違いを話すことに・・・
Yさん も も日本で生まれて日本で教育を受け、特別強く信仰している宗教も
無く育って、偶々機会に恵まれて異国で仕事をするたびに、その国の人達の宗教観
に触れて、戸惑ったり驚いたり、呆れたりした出来事を他に見学者の居ない静かな
空間で絵を見つめながら感じるままに語り合った時間は、こんな風に美術館で過ご
すのもいいものだなぁ~と思える一時でした。
15世紀に建てられた宮殿が美術館になっています。
キリストにお乳を含ませるマリア様
まだ初々しい雰囲気が・・・
アラブやノルマンの交流地点だったシチリアらしい工芸品も
15世紀のフレスコ画 「死の凱旋」 作者不明
*どくろが馬で街を駆け抜けるのは当時流行した黒死病(ペスト)を表しているそうです。
アントネロ・ダ・メッシーナ 「受胎告知のマリア」
この画像はネットからお借りしましたが、実際のベールの色は
もっと深みのある青でとても素敵な絵でした。