白内障、緑内障
こんにちは。橋本です。
ステロイド薬を大量、長期に投与をすると、白内障や緑内障を生じることがあります。
症状が進行してからでは、場合によっては失明などにいたることも考えられるので、ステロイド薬の長期投与中は、定期的な眼科検診が必要です。
どうしてステロイドで緑内障なるの?
ステロイド薬を大量、長期に投与すると、眼球の中を満たす液、眼内液の圧力(眼圧:がんあつ)が上がりやすくなります。
この眼圧が高くなると、緑内障を進行させやすくなることが知られているんですね。
そのため、ステロイド薬の服用などをする時は、緑内障に注意しないといけないわけです。
眼球の中を満たす眼内液(がんないえき)は、リンパ液のようなもので、房水(ぼうすい)とよばれています。
この房水の生産量と排出量のバランスが崩れると、眼圧に変化がおこるのですが。
ステロイド薬を投与すると、房水の排出がおさえられるため、眼圧が上げがる傾向にいきやすいと考えられています。
緑内障は、症状の進行に気づきにくい
緑内障の初期症状は、光のにじみが見えたり、頭痛がしたりすることもありますが、まれだともいわれています。
そして、病状が進行していくと、徐々に視野が狭くなってしまうのですが、自分ではなかなか気づくことができません。
なぜかというと、反対の目が見えてない部分の情報を補ってしまうので、視野が狭くなっていると感じづらいんですね。
片目をつぶると、自分の鼻の頭が視界を邪魔するのに、両目を開けると、鼻が視界の邪魔をしなくなるのと同じ原理です。
このように緑内障は、いざなってしまっても気づきにくいため、症状に気づいたときには、もうすでに病状がかなり進行しているケースもあります。
緑内障は、場合によっては、失明することもある病気です。
そのため、ステロイド薬の長期投与中は、定期的な眼科検診が必要です。
検査で眼圧の上昇があれば、専用の目薬などで眼圧を下げることができます。
そうすれば、ステロイド薬が原因で失明することはありません。
白内障はどんな病気?
白内障は、眼の水晶体(すいしょうたい:黒目のこと)が濁るために、視力が落ちる病気です。
視界が白く濁って、よく「すりガラス越し」に見たような視界になると表現されています。
この白内障も緑内障と同様、場合によっては、失明にいたることもあります。
では、「なんでステロイド薬の投与で白内障になることがあるのか?」ですが。
そのメカニズムについては、いろんな説があるものの、まだはっきりとはわかっていません。
ただ、加齢による老人性の白内障に比べて、ステロイドによる白内障には、ある特徴があります。
ステロイド投与による白内障の特徴
老人性の白内障は、水晶体の外側から濁ってくることが多いです。
それに対して、ステロイドによる白内障は、水晶体の中央部から濁ってくるといわれています。
そして、子どもは大人に比べて水晶体が弱いため、白内障になると進行が早いともいわれています。
白内障は緑内障と違って、今のところ、はっきりと効果のある薬がありません。
治療にはリスクをともなう手術が必要になります。
その意味でもやはり、白内障になった場合の早期発見が大切で、そのためには、定期的な眼科検診が必要になります。
眼が見づらくなったり、視界に黒いものや虫が飛んでいるように見えたりするような症状がある場合は、早めの眼科での受診も必要です。