弁護士からは伯父が無くなり
生前に書いていた私への遺言状があるので
「東京銀座の弁護士事務所に来るように」とだけの書留だった。
伯父は独り身で変わり者と言われている
親戚付き合いも殆どしないが
何故か？
甥の私には優しく可愛がってくれた
昨年の夏、中津で会ったのが最後になる
冷めた珈琲をいっきに飲み込む
胃酸が喉元に届く
ストレスがいっきに体と脳を襲う
死因は？
葬儀は？
何故に私に遺言なのか？
答えの無い質問が繰り返す
携帯を取り銀座の弁護士に電話をする
弁護士は不在
事務員が事務的に対応する
都合がつき次第、事務所に行くと約束して
我に戻る
あ！
普通の感覚がよみがえる
私は株のデイトレーダーを目指している
昨日はバイトのワインバーが成人式で忙しく
起きるのが遅かった。
午前の相場は荒れている
アメリカの先行き不透明感が相場を下げていた。
ああ！
人生とは損するものだ！
時給1,000円のバイトで今日は10万円以上損した。
これも勉強だと自分に渋々云い聞かせる。
少し西空が晴れてきた。