まだ三田オープンカレッジの余波が治まりません。
読解作品例の中で、僕が一番知っていた、
いや、おそらく一番メジャーな現代詩人であろうマーサ・ナカムラさん。
このブログでも書いたように、その作品の入った詩集『雨をよぶ灯台』を持っていたし、
チラ見はしていたんだけど、なぜか本格的に読解できなくて、鞄の中に何ヶ月も入れっぱなしだった。
今回、マーサさん、作品を読み込んでみて、気づいた最大の発見は、
普通の詩のように改行されてるけど、文体は散文なんだということ。
俗に、詩と小説の違いについて、「散文は歩行、韻文は舞踏ダンス」の喩えがよく言われる。
マーサさんの詩の文体は散文なのに、ダンスしているような、リズムが感じられる。
けれど、通常の詩的な飛躍は少なくて、
改行詩に見えるのに、「限りなく散文」に近い。
そして、時々挟まれる、まるで上質なホラー小説のような単語、
非日常的な異化を生み出すイメージの描写。
それらが散文的な日常文章と混在して、独特なハーモニーを奏でているみたいだ。
だから、リズムを感じ取れるのかな。
また、
その無感情な散文は、まるで俳句や短歌の素っ気ない描写を繰り返しているようにも感じられた。
いわゆる《写生文体》に近い感覚がある気がする。
これを感じ取れるのは、俳句・短歌を勉強した成果かな。
ともかく、ほんと、良かった。
これで、マーサさんを吸収できるかな?
僕なりの、ファンタジーな、詩的な散文や、散文的な詩がなんとか書けそうだ。
そして、詩の文体だけでなく、
小説の文体にも影響がありそうな予感がするのは、
穿ち過ぎかな。
この話題、まだ続きます。