続 若松英輔著『詩を書くってどんなこと?』 | 読書と、現代詩・小説創作、物語と猫を愛する人たちへ送る部屋

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小説や詩の創作、猫また大学通信を書いています。Twitterは、atlan(筆名:竹之内稔)@atlan83837218 放送大学在学中。「第8回新しい詩の声」優秀賞を受賞。
 京都芸術大学の通信洋画&文芸コース卒業/慶應義塾大学通信卒業/東洋大通信卒業/放送大大学院の修士全科生修了。

昨日に引き続き、若松英輔さんの『詩を書くってどんなこと?』の本の話です。

また、今日のこの記事のテーマは「目覚め」です。

若松さんは、詩情(ポエジー)は誰の心にも眠っていて、
人は苦しいとき、何かに祈りたくなるとき、実は詩情が発現している、と説きます。
真心を込めて書いた、手紙は、自然と詩になる、という、ドイツ文学者のノヴァーリスの言葉を引用してみせます。

卓見だと思うし、僕自身を振り返ってみても、
そうだと思います。

そんな中でも、いちばん成る程と思ったのが、
「すぐれた詩は、読み手に「書け」と促します」
ということば。
その上で、山本健吉の詩の歴史に言及した言葉へ繋げます。

「何者かに目覚めさせられて詩を書いてきた詩人たちが、後世の誰かを目覚めさせ、それを伝えていくのです」

山本健吉は、いわゆる口語自由詩だけでなく、和歌や俳句、すべてを含めて、
「詩」と呼び、詞華集を作りなさい、と説きます。

これを至言、というのでしょうね。
肝に銘じて、この道によりいっそう精進しようと僕も思いました。

大袈裟に言えば、
この言葉に逢うために、2年と3ヶ月前に僕は詩が書けるようになったのか、
と、天の配剤、シンクロニシティを感じました。