根拠がなんも書いてない設計図。【リノベーションする時・・3】

 

 

すっかり話が変わってしまった・・
何だかリノベーションの説明になってしまった。

 


ここで話を戻しましょう。

そう・・
以前にリノベーションの仕事があったのです。

何とはここではおいときますが・・
鉄筋コンクリートのビルを「用途変更」と「大規模の模様替え」をして格好いい違う用途の建物にリニューアルするのです。

 

 

元の建物が建ったのは私がこの仕事に就いた頃、数十年前・・
ただ新耐震基準は満たしている建物ですので構造体は問題ありません。
あとはお金の問題だけです。

元の設計は今はもうなき某大手設計事務所、工事は某大手ゼネコン。
きっちりした設計と施工の素性の良い建物です。

素性が良いっちゅうのも何なのですが・・?

お施主さんは商売をなさっている会社ですので確認申請書とか竣工図なんかもきっちり保管されています。

 


そう・・
ようするに、ちょっと古いだけでちゃんとしたビルなのです。
だからこそリニューアルすればあと何十年も使うことが出来る。
我々から見ると実にちゃんとしたビルです。

で、リニューアルしよう!
ということになったわけです。

 

 

そこで、まず現地建物の調査と竣工図の確認です。
申請が不要なただの改装なら何の問題もありませんが、確認申請が必要となると話が違います。

全ての昔の法律と今の法律とを照らし合わせて・・
その中の何が必要で何はこのままでいいのか確認しなければなりません。

現況図つまり元の建物の図面を描いてそれをもって各お役所と打ち合わせです。
確認審査機関・消防署・市の建築課・・
で、こういう風なら出来ると設計案を描きます。

その内容でお客さんと打ち合わせ・・
でこうしましょうかとある程度決まってくる。
そうすると何が必要かがわかってきます。

 

 

そんなこんなで何が必要かがわかってくると・・
それに対応する図面が必要になります。
法律をクリアしていることを示した図面・・

 

 

なので・・
今度は昔の確認申請書の図面を確認します。
そこにどんな法律はこうしています・・
ちゅうことが書いてあるからです。

 


が・・

書いてないじゃん????
なんも・・

 

え・・?

 


なんで?

 

 

書いてない!
なので必死に探します。

が・・
ない・・

 

 


結果は書いてあるのです。
全部。

この法律はこれこれでOKですと。

が・・
その過程がない。
なぜOKなのかの根拠が書いてありません。
確認申請書にも図面にもどこにも記載がないのです。

 

 

設計は今はなきとはいえ大手設計事務所・・
施工は某大手ゼネコン・・
そんなことあるのか?

 

 


Atelier繁建築設計事務所HP
http://ateliershigeru.com
よもやま建築日記~家づくりの現場から~
http://ameblo.jp/ateliershigeru/