タイ・・!・・その2。
エメラルド寺院、正式名称ワット・プラケオは圧巻です。
ちょっとカルチャーショックをうけるほど。
建築としてはヨーロッパのドーマやバロックなどの影響を受けた建築で、アユタヤの流れを引くバンコク美術様式という独自の寺院建築です。
特徴としてはとにかく装飾が多く、仏像などがそのまま建築と一体化されたまさに信仰のための建築で、当時の王宮などの建築がイギリスの影響などをもろに受けているのとはちょっと違う、タイ独自の建築文化を育んでいる建物です。
ただなんと言っても・・圧倒的なその・・・
キンキンギラギラ夕日に光る・・キンキンギラギラピカピカよっと。
金・銀・パール・・プレゼント!ってか?
どこもかしこも金バリです。
趣味が悪いと言えばそう・・なので私も初めはあまり興味なかったのですが・・
あまりのその徹底ぶりに圧倒されてしまいました。
あれは、ある意味建築を志す者なら一度は見ておいた方がよいかもしれません。
一体全体いくらかかってんだろう?たぶん天文学的な数字でしょう。
タイは貧しい国です・・いや失礼・・だった、昔の話ですが。
その貧しい人々が集まってこれを建てたその意味ってことを考えるとその思いの凄さに圧倒されてしまいます。
これはもう貧富の差なんて言葉ではすまされない物があります。
ワット・ポーにも行きました。
有名な大寝釈迦仏があるところ、タイ式マッサージの総本山です。
やっぱりどこもかしこもキンキンギラギラ・・
大寝釈迦仏・・凄い、よく見ると身体の表の金バリ以外が・・なんと総螺鈿。
いくらだ・・いったい・・何でもお金で考える嫌な日本人・・
なんて言うか、特別な技術や能力の人が造るためにお金がかかるとか時間がかかるとかいうレベルの問題ではないんです。
ようするに、その物の元の単価自体が天文学的な数字・・。
しかし、熱い!とにかく熱い!死にそうに熱い!
部屋の中の日陰にいても窒息しそうに熱い!
早く涼しいところに行きたい。
エメラルド寺院やワットポーなんかを廻って今度はおいしいもんを食べに行こう!女房殿はルビーが見たい!・・てんで、どこ行っても怪しい店ばかりなので、高くてもいいから安心できる店にしよう・・ってことで日系の百貨店に行くことにしました。
目指すは「バンコクそごう」。
さすがに遠いのでせっかくだからガイドがやめとけって言ってたトゥクトゥクに乗ることにします。
止まってるトゥクトゥクの運転手の顔を見てはよさげな奴を探し値交渉ですが、とにかくどいつもこいつもムチャクチャぼってきます。
日本円から見れば安い物なので、別にいいのですがいくらなんでも相場の10倍とか20倍とか平気で言ってきますから、さすがにちょっと考えちゃいます。
そこで、相場の倍くらいの所でようやく手をうってとあるトゥクトゥクに乗り込みました。
こいつが・・・
いきなり片側4車線くらいのワンワン車の走ってる道路の中央分離帯で止まって振り返って何か言うんですよ・・
タイ語なんてさっぱりわからん?けどどうもどこかに寄ってもいいかって言ってるらしい。
結局みやげもん屋かい?
でも、このままほっといたら追突されて死にそうなのでしょうがないから・・わかったわかったって・・
で、何かの店の駐車場に入るといきなり門がガシャーンと閉められ・・
拳銃ぶらさげて自動小銃なんか持ったおっとろしそうなおっさん二人が出てきて中にどうぞって・・
無理矢理建物に入れられまたまた鉄のドアがガシャーンとしまりロックされ・・
拉致されてしまった。
マジで・・さすがに恐怖。
中には同じように拉致された各国の観光客がいっぱ・・。
日本語話す店員?・・拉致犯の一人がやって来て、なんか買うとトゥクトゥクの運転手がガソリンを満タンにしてもらえますから、彼らのために買って下さい・・って。
はあ?
だから宝石買いましょう・・・って。
なんか買わないと鍵はあきませーん・・お金無いならボールペンでもどうですか?って。
それは昨日1本50円くらいでお土産に買ったぞうさんのついたボールペン・・1本2000円?
まじで拉致です。
そのへんには拳銃ぶら下げた店員がいっぱいいます。
小心者の私は殺されたくないので・・しょうがないなんか買うか?
でも、うちの女房殿は強い・・というか無鉄砲というか・・
「絶対買わない!」
ああ・とうとう俺の人生もここで終わるのか?
と・・そのとき・・いっぱい買わされた白人の団体がドアから出て行く・・
その人達にくっついて・・さもいっしょのグループのような顔をして・・出てきました。
でも、まだ門から出れない・・
出れるのはガソリンをもらったトゥクトゥクだけです。
そこでトゥクトゥクの運転手を説得します。
だから・・ガソリンなんて原付なんだから満タンにしてもたかが1~2百円でしょうから5百円払うって言っても・・・
意味がわからんらしいんですわ。
あったま悪いな・・もう、で前払いで運賃を割り増しで払ってやったら・・大喜び。
ようやく悪魔の館を出て「そごう」に到着しました。
ああ怖かった。
何か美味いもん食おう。
続く。
アトリエ繁建築設計事務所HP
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