造り付け家具にしよう!






金持ち住宅の象徴・・造り付け家具!


なんて思ってませんか?






はい、その通り・・・なんて、ただ造り付け家具が高価になるのは確かです。


何しろ一品物ですから。


ただ、そう一概には言えないのでは・・?。







高価な以外、造り付けの家具の短所とはなんでしょう?


それは壊れ易いこと・・。






住み始めたお宅で一番壊れやすい部分、だんだん不具合の出てくる所はどこでしょう?


それは動く部分です。






建具やキッチンなどの扉、下足箱の扉、玄関戸、などなどの動く部分が使用することにより、つまり動かすことによって擦れてきたり下がってきたりして、不具合が出てきます。


配管なども土中埋め込み管などが不具合・・などということはまずありません。ほとんどがころがし設置部分が振動、つまり動くことにより接合部がはずれたり、切れたり・・。




家具の扉は頻繁に開け閉めされる最も壊れやすい部分なんです。







既製品の家具は品質管理が最高の工場で造られる製品精度のとても高い物で、もちろん製品完成後も何度も検査をして壊れないと判断された商品だけが合格品として販売されます。


ところが、造り付けの家具という物は、家具屋さんが一発勝負でそれこそ世界に1つの一品物を造ってくれるわけですからそういうわけには行きません。いくら腕の良い家具屋さんだとしてもその製品精度は既製品とは比べるまでもないんです。








そんなことを書いていると造り付けの家具には良いところが無いように思えますが・・








では造り付け家具の最大の長所とは何でしょう?


デザインや材質や色がその部屋のインテリアにぴったりと合う、あるいは合わせて作ることが出来る、と思われる方が多いようですが、それは実は二の次のことで・・・





サイズをぴったりに作れる・・・実はこれに尽きるんです。





造り付け家具は、隙間無く壁や天井までぴったりに造ることが出来ます。スペース効率を最大限使える、そして見た目も妙な隙間などがない・・これが造り付け家具の最大の長所です。







つまり、建物を設計する際には大なり小なり必ず有効利用できないデッドスペースのような部分や、変形して使えないような部分というようなスペースが出来てしまうものなのですが・・


そういう部分を造り付け家具によって有効利用してしまう・・


値段という意味では高くなりますが、それ以外ではそういう部分は使えないスペースなのですから、スペース効率という意味では大変有効になります。






あるいは壁一面を収納にしてしまう壁面収納・・などというのもスペース効率という意味では造り付け家具にすると大変有効です。隙間無く壁から天井まで全てを使うことが出来ます。既製品では必ず横が空き。上が空き、裏が空いてしまいます・・。








実際の所、造り付け家具っていうのはTV台を造ってください!なんて要望されることがとても多いのですが、


たとえばサイドボードや食卓テーブルのような物だとかTV台やAVラックなどのような家具の場合、私の場合あまり造り付け家具はお奨めしません。


収納する物のサイズや量が将来変わる可能性が高い、模様替えや配置を将来変える可能性がある、などの物についてはデザイン的に合った既製品を捜すことをお奨めしています。


これは、お金があるとか無いとかいう問題ではないと考えています。








お金があるのなら、最高級の家具を買えばいいことですから・・その方が性能は上で、気に入らなくなったら、あるいはサイズや形が合わなくなったら変えればいい・・、場所を変えたくなったら動かせばいい・・。










めんどくさいので、あんまり写真は載せないことにしてるんですが・・


ちょっと思い立ったので写真を載せてみます。





1枚目は鉄骨造の階段横に梁があるため、その上下が使えないデッドスペースになってしまうのを、本のお好きなお施主さんに合わせて本棚を造り付けた写真です。


               kaidannkagu


2枚目は写真奥のスキップする廊下の右横に柱があるためデッドスペースになってしまう部分にニッチを兼ねた収納を造り付けた写真。


               roukakagu


3枚目は失敗作?実はうちの実家の別荘の写真・・格好良く食卓テーブルを造り付けたのですが、生活スタイルの変化や食事する人数の変化にまったく対応出来ないテーブル・・・です。


               tablekagu





アトリエ繁建築設計事務所HP
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