6月6日アテフさんのリサイタルから~ブラームスの温もり~
音楽には「力」があります。
言葉を介さなくても、
人の心に思いを届けることができる手段のひとつです。
人間には誰しもふれられたくない領域というものがあります。
もしかしたら自分でも無意識のうちに感じることを拒否している感情なのかもしれません。
それは自分にしかわからない、自分でしか解決のできない感情。
時に人は音楽に心を動かされることがあります。
あたたかい心、優しい思い、愛のある演奏は傷ついた心にも届きます。
受け取って、心に染み込んで、何かを感じて、感情が生まれて・・・
「音楽は人の心を癒したり、エネルギーを与える力がある」
と私は思います。
アテフ・ハリム ヴァイオリン・リサイタル
~ブラームスのぬくもり~
東日本大震災復興支援チャリティコンサート
こんばんは、ファンクラブ事務局の潤です。
震災から約3か月がたちました。
今夜は月曜日に行われましたコンサートの模様をお届けしたいと思います。
アテフさんは3月に自宅で地震にあい、
フランス大使館、エジプト大使館から帰国勧告が出ておりましたが
日本に残ることを選びました。
それ以来、何かできることはないか?
ずっと考えてきました。
そのため今回の6日に行われましたコンサートを
東日本大震災復興支援チャリティコンサートとして開催することを決めました。
この日はバッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」よりアダージョ
から始まり 、会場が静謐さに包まれました。
またアテフさんの祈りを込めた演奏があたたい心を届けてくれました。
多くの方々の心に届いたことでしょう。
今日のプログラムは「ブラームスの温もり」というテーマです。
ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番」
通称「雨の歌」と呼ばれる美しいメロディーのソナタです。
一音一音に心が込められ、凝縮された演奏に
うっとり聴きいられた方も多かったようです。
まるで雨粒のひとつひとつがあたたかく降り注いでくるかのような演奏でした。
さて、この日はウィーンから特別ゲストをお招きいたしました。
アンネット・一恵・ストゥルナートさんです。
東洋人として初めてウィーン国立歌劇団員となったアンネットさん。
様々な困難にあいながらも、
歌を愛し、音楽を愛し、道を切り開いてこられました。
(とてもすばらしいお人柄です)
アンネットさんも震災にあわれた方々に何かできないかと
この日のコンサートにご協力いただきました。
バッハ/グノー「アヴェ・マリア」
はじーんときました。
いつのまにか聴きいってしまいます。
ドヴォルザークの「母が教えたまいし歌」
は本当に母が私に歌ってくれるかのよう、愛を持って語りかけてくれるかのようでした。
ジーツィンスキーの「ウィーンわが夢の街」は
アンネットさんご自身が歩んできた日々が込められているかのよう・・・
心に染み込んできました。
アンネットさん、本当にどうもありがとうございました
後半はアテフさんの演奏です。
ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番」
はエネルギーと希望とを感じさせてくれたのではないでしょうか。
様々な困難を乗り越え、
いつでも「アクシオーン!!!」と言っているアテフさんからの魂のメッセージ。
会場内には広がる音の豊かさがより一層
ブラームスの温もりを現代でも感じさせてくれました。
ブラームス/ハイフェッツ「瞑想曲」
この曲はとてもかわいくて、瞑想曲というより
子守唄のような優しさとファンタジーのあふれるような曲でした。
「F.A.E.ソナタよりスケルツォ」
この曲で元気をたくさんお届けできたのではないでしょうか?
この日のピアニスト碓井さんはウィーン在住で、
きらめくような音と優雅な演奏がとてもすばらしく
ウィーンの香りを感じさせてくれました。
アテフさんとのアンサンブルも とてもすばらしかったです!
アンコールは、
「タイスの瞑想曲」
「シンドラーのリストのテーマ」
タイスのロマンティックなメロディが心に響かれた方が多かったようで
終演後にお客様から
「あの曲はなんていう曲ですか?」
と尋ねられました。
(アテフさんのCDの小品集に収録されています)
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
皆様の心に愛と優しさがお届けできたら、とてもうれしく思います。
音楽がどうか皆様の心に平安をもたらし、癒しになることを祈ります。
今回の収益の一部と、皆様からの善意を寄付させていただきます。
本当にどうもありがとうございました。
アンネット・一恵・ストゥルナートさん
「私、魔女なのよ」と笑顔で話すアンネットさんの人生は波瀾万丈!
終戦後上海から引き揚げた後、岡山県吹屋(高梁市成羽町)の山の中で小学校4年生から中学校卒業までを過ごします。
岡山の美しい自然の中で歌への才能を開花し始めますが、一家離散で広島の知人宅に預けられ高校中退。
中卒のまま准看護婦に。その後、歌手を目指して通信教育で音楽を勉強し、東京の親戚の養女となって上京しますが、高校卒業資格がないため音大を受けられず、まず夜間高校に通いながら声楽家を目指します。高校を卒業し、音大を受験し成績優秀も、最終面接で「ウチの校風に合わない」と言われ失敗。合唱団に入り活躍するが、音大を出ていないといじめられることもあったそう。
31才で日本を脱出。シベリア鉄道でウィーンに渡り、生涯の師と出会います。ウィーンアカデミーを経て1971年東洋人として初めてウィーン国立歌劇場団員歌手のオーディションに合格し、以後40年同歌劇場で活躍。カラヤンなどに認められ、彼との親交も深い。
2000年より日本で声楽指導を行っておられます。そのドラマチックな半生はTV・ラジオで多数紹介され大きな反響を得ています。
2007.5.12 NHK「課外授業ようこそ先輩」“生きる つながる 呼吸する”放送
(岡山県高梁市吹屋小学校で撮影)
2005.5 NHKラジオ深夜便
2007.8.24 NHK「ホットモーニング この人にときめきっ」
2007.7.18 ユニバーサルミュージックからCD「故郷(ふるさと)、日本をうたう」発売
2010.6.6 ウィーン国立歌劇場での最後のオペラ出演。引退。
2010.8. NHKハイビジョン特集『「私のラスト・オペラ」ウィーンの日本人歌姫最後の舞台』放映
2010.11 ユニバーサルミュージックからCD「愛の讃歌」発売
数々の苦難を経て、なお歌への情熱を持ち続けた彼女の歌は、私達の心になにか温かいものを運んでくれることでしょう♪♪♪
6月6日アテフ・ハリム ヴァイオリンリサイタル
来月6月6日(月)は毎年恒例
東京文化会館・小ホールでのリサイタルです。
今年は復興支援チャリティコンサートとして決行することになりました。
テーマは『ブラームスの温もり』
アテフさん得意のブラームスのソナタや小品を演奏します。
ブラームス音楽の"温もり"が被災地の方にも届くように
祈りを込めておおくりいたします。
今回の特別ゲストはアンネット・一恵・ストゥルナートさん。
東洋人初のウィーン国立歌劇場団員歌手で、
昨年夏のNHKハイビジョン特集で話題となった方です。
数々の苦難を乗り越え夢を実現した彼女の歌声は
とても優しくて温かいもの。
アテフさんのヴァイオリンと
アンネットさんの歌声で
ブラームスの音楽に生命を吹き込み、
優しさやあたたかさ、愛を皆様にお届けいたします。
スペシャルゲストのアンネットさんは地震当日、
オランダでのコンサートを終えたところでした。
が、日本往きの飛行機が飛ばなくなり
ウィーンに一度戻らざるをえませんでした。
日本に戻っていらっしゃれるか私達も心配しましたが、
先月半ば東京でお元気なお姿にお目にかかることができました。
コンサートの詳細です↓
http://atefhalim.com/schedule/pg708.html
お忙しいこととは存じますが、
是非聴きにいらしていただければ幸いです。
お目にかかるのを楽しみにお待ちしています。