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最近、私が地味~に困っていることがあります。

それが、この漫画の「さわさわおつり渡し」です…。

あの、触るか触らないか微妙な「さわっ」っという感じが、もう…ぞわわわっ!と身の毛もよだつ感じでイヤでイヤで…やめてくれーっ(涙)

よちよち歩きの頃に母親ですら手をつなぐのが気持ち悪かった…というほどなのに、知らん人に、買い物するたびにさわさわと手を触られまくるなんて…やだーっ!に決まっています(汗)

…でも、最近、某コンビニではマニュアル化されたのか、全ての店員が「さわっ」と触れておつりを渡すんですよ(ぞわわっ)

ほとんどの人がご存知だと思いますが、これって、心理学実験で、「触れるか触れないか程度に触れておつりを渡した方が、お客がその店員に好感を持つ」という結果が出たとかなんとからしいです。その効果を狙ってるんでしょうね。

でも、ここまで世間に知られてしまったら、いまさらやっても効果半減では?!

それどころか、触られるたびに、
「あ~ぁ、あの心理学実験のネタでマニュアル化したんだねー。はいはい。マニュアルどおり、よくできましたー。こんなのまで、一生懸命に練習させてんのかねぇ。”それじゃ、触りすぎ!それじゃ、触れてない!”とか、まじめに練習してるのって笑えるなー(笑)」
って、もう、完全にドン引きなのですが…。

これって、本気で喜んでいる人っているのでしょうか…。ちょっと疑問です。

誰もやらない中で、そういうことをするから、目立って印象づくわけでから、マニュアル化して全員がやってしまったら、全く効果なくなると思うんですね。

心理学実験の結果を、なんのひねりもなく、そのまんま完全コピー。それで、お客は気づかずに喜ぶと思っているなら、その企業はお客をバカにしてるなーって思います。

この心理学実験の結果を、「軽く触れる」ことがなぜ相手に「好印象」を与えるのか?そこで導き出した答えをもとにすれば、「軽く触れる」以外の方法で同等の効果を得られる行動として、どのようなものが考えられるか…。自分達の企業の製品やサービスに適用する方法として、どんな方法があるか…。もっと深く掘り下げて考えれば、より自企業に適した形で広い範囲へと応用できるはずなのに…。

安易なコピーは、せっかくの成長・改善のチャンスを自らつぶしている…ということに気がついてほしいです。

なによりも、ほんとうにおつりを落とさないように配慮して軽く手に触れる場合と、マニュアルでのさわさわ渡しは触れられた時の感じがまったく違います。心が伴わない行動は、見た目は同じでも、相手には違いがはっきりとわかるのだと思います。
実は、心のが伴わない表面的な形だけの傾聴での「そうですね」などの肯定の言葉にも全く同じことを感じます。

正直なところ、それがはっきりと感じ取れるがために、よけいにむなしくなったり、バカにされているような気がしてしまいます。残念なことに、こちらがその行動で傷ついている理由を相手には理解できないようなのです。「こうやっとけば、喜ぶはずなのになんでー?意味不明!」と切り捨てられることも多くあります。

傷ついてしまう理由は、その行動の裏に「ほんとはそう思ってないけど、こうやっとけば、相手は気づかず喜ぶだろう」という、相手を軽んじている心を想像しているから。行動そのものではなく、相手の心根に失望しているのです。

発達障害の人の多くが、こうした「表面上」だけの「好意(行為)」を忌み嫌うのは、生育過程において、いじめをはじめ、人の表面の言葉を信じて裏切られることが多く、人の表裏を見せ付けられることが多かったことも関係しているのかもしれません。また、普通の人では判別できないレベルの違いを感覚過敏や並外れた観察力などによって、明確に見分けてしまうことも理由のひとつかもしれません。

一般に「発達障害の人は相手の気持ちがわからない」といわれていますが、「表面上の行為の裏にある悪意」については、むしろフツウと言われる人よりも敏感に感じ取っています。それゆえに、フツウの人が何も感じなくて済む場面であっても、喜べないことが多々あるのです。

コンビニのさわさわおつり渡しも、形だけの傾聴の肯定の言葉も、相手によっては、まったく響かない、むしろ心の伴わない行動として怒りや悲しみの感情を引き起こすことがある、ということをわかってほしいなぁと思います。

もともとの日本人の古きよき伝統の気遣いも、形だけのものではなく、本来は心があってのものだったはず。その心をどう表現しようかと試行錯誤の末にできたもの。コンビニのさわさわおつり私も、傾聴の肯定も、心が伴っていることが大前提のはずなのに、その一番大切な部分を切り捨ててしまっているのが問題なのでしょうね。(きちんと心が伴っている人は、ちゃんとわかりますよ!)

現代の日本では、「形だけやっとけば、とりあえず失礼にはならず無難」「こうやってとけば、相手のことを思っているように見える」という風潮が巷にあふれ返っています。
まさに、バブル崩壊後の日本がいつまでも失速したままなのは、このバブル時代に栄えた「誰かの完全コピーで、うまい汁だけいただこう」という安直なマニュアル依存による「思考放棄」が招いた結果なのだと思います。

さわさわおつり渡しに、まさに現代の「自力で思考を放棄した日本人・日本企業」の典型例を見た気がします。

少しずつでも、マニュアル依存から抜け出して、自分の頭で考えて行動する人が増え、日本が新しい道を切り開く日が来ることを願っています。

発達障害の人は、幸いにもフツウのマニュアルを適用しにくい特性を持っています。マニュアルに依存せず、物事の本質を考えて行動できやすい環境にあるといえます。
つまり、新たな日本の行く道を切り開くのに一番近い位置にいるのが、発達障害の人…ということかもしれません。


あ、ちなみに、私は”さわさわおつり渡し”がイヤなので、できるかぎりICOCA(プリペイドカード)の支払で自衛しております(笑)

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